【毒親】子どもを苦しめる母親7│言うことが矛盾だらけの親
こんにちは。
心理カウンセラーのPocheです。
今日の記事は、親子関係に悩む『子ども』のあなたに向けて書いていきます。
毒親カウンセリングで相談が多い母親のタイプを7つに分類し、それぞれの対応についてお伝えしていきます。
今回は7つめ。
『言うことが矛盾だらけの母』との付き合い方です。
なお複数のタイプが混在していたり、成長過程でタイプが変化することもあります。
過去の親子関係が現在の思考パターンを形成している可能性が高いので、『成長過程でタイプが変化した場合』は、過去のタイプも併せてお読みいただくことをお勧めします。
※内容を分かりやすくお伝えするために「毒親」という表現を用いることがあります。
毒親というのは、子どもにとっていわゆる「毒」となる性質を持つ親のことです。親によって植え付けられた価値観や行動、子どもの頃の暴言や暴力が、大人になっても影響を与えてしまう場合に「あなたにとっては毒親だった」という定義の元、話を進めていきます。
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言うことが矛盾だらけの母とは
- 「出ていけ!」と言われたのに、出ていくと怒られる。
※出ていけの裏には、「謝って反省しろ」がある - 「何でも聞いて」と言われたのに、聞くと「そんなことも分からないの?」と呆れられる。
※何でも聞いての裏には、「聞いていい事と悪いことは考えろよ」がある - 「親のことは気にせず遊んでおいで」と言われたのに、「どうして放っておくの!?私なんてどうでもいいの?」と言い出す。
※親のことは気にせずの裏には、「本当はかまってほしい!気にして欲しい!」がある - 「好きな物を選んでいい」と言われたのに、選ぶと「センスがない。こっちにしな」「わかってない。こっちの方がいい」などと親の意見に従わせる。
※「好きなものを批判したい」だけの親もいる。子どもは自信を無くしていく - 「夢をもて」と言うのに、「現実的ではない」「そんなんじゃ社会でやっていけない」と批判される。
※「あんたは一人じゃやっていけない」と植え付けられるケース - 「早く自立しなさい」というのに、親から離れようとすると「見捨てるのね」と泣きつく。
※子どもの罪悪感を育て、毒親問題を複雑にします
このタイプの親は、すでに自分の中で「こっちを選ばないと許さない」「絶対こうする」という答えが決まっています。
こどもに選ばせているようで、選ばせていないのです。
だから子どもが
何をしても認めません。
正確には『親の思う通りに動かないと認めない』と言った方がいいかもしれません。
厄介なのは「親の思う事」が一貫しておらず、親の気分次第でコロコロ変わってしまうことです。
子どもは怒られたくないし、認められたい一心で「親の期待に応えよう」と頑張ります。
でもその親の期待がコロコロ変わってしまうので、どれだけ頑張っても怒られます。批判されます。どうしていいかわからなくなってしまいます。
すると「自分はダメな子」
だと思い込みます。
親が怒るのも、愛されないのも、認められないのも「自分が悪いせいだ」と思い込むのです。
本当にそうなのかを考えることもなく、親によって『思い込まされてしまう』のです。
するとどうなるか。
自己肯定感が低いまま大人になります。
ありのままの自分では、誰にも受け入れてもらえないと感じるからです。
「どうしたい?」と言われて戸惑います。
自分で考えても「そんなんじゃだめ」「甘い」と批判され続けてきたことで、考えても無駄なのだと学んでしまうからです。
自己主張が苦手になります。
本当の自分を見せて嫌われるよりは、何もしないでおく方がいいと感じるようになるからです。
人の言葉が信じられなくなります。
褒められても喜べません。親の言う言葉をそのまま受け取った結果、怒られたり、笑われたり…良くないことが起こっていたからです。
もしこれらのことで悩んでいるのなら、『あなたのせい』ではありません。
あなたの性格のせいでもありません。
- 「意見を言っちゃいけない(言うと悪いことが起こる)」
- 「信じちゃいけない(信じたらあとで痛い目を見る)」
- 「自分を出しちゃいけない(本当の自分を知られたら人が離れていく)」
このように過去の親との関係が、あなたの考え方縛り付けているだけです。
子どもの頃に「こうしなきゃ」と思ったルールを無意識に引き継いでいるだけなので、「こんな自分しんどいなぁ」と思えば変えられます。
大丈夫ですからね。
例│言うことが矛盾だらけの母の具体例
「言うことが矛盾だらけの母」の例を1つ、ご紹介します。
なおこの内容は、実際の相談内容に基づくものではありません。
A子さんは、ある会社に勤めています。悩みは「褒められてもどう喜んでいいか分からない」というものでした。
「すごいね!できてるよ」と褒められても、「…そうですか?まだまだだと思いますけど」と返してしまう。「その洋服、素敵ね」と褒められても、嫌味に聞こえて「こんなの安物ですよ」と返してしまう。
仕事でもこういったやりとりが続き、次第にみんなが距離を置くようになってしまったのです。褒められたいのに、褒めらえると喜べない。だけど褒められないと、自分に価値がないのではと思ってしまう・・・A子さんは悩みました。
ふと昔を思い返してみると、A子さんは親に褒められた記憶がないことに気がつきました。
「お前なら出来る。頑張れ!」と言われて完走したマラソン大会でも、「うわー。遅い。ほんっと父親に似て運動神経悪いよねぇ」とため息。
学校で100点を取ったときも、「これくらいで有頂天になるな」とか「上には上がいる」ということを言われるだけ。褒めてくれませんでした。
部活を選ぶときもそう。「好きな部活に入ればいい」と言ったのに、バレー部を選んだら「運動神経が悪いから運動部はやめておけ。吹奏楽部にしろ」と。仕方なく従って吹奏楽部に入ったら、「部費が高い!なんで吹奏楽部になんて入ったんだか…」と睨まれる始末。
過去のことを想い出していくうちに、A子さんは「褒められて喜べないのは親との関係が原因なのではないか」と思うようになりました。
A子さんのように『大人』になって抱えている悩みの原因が、子どもの頃にあるのはよくあるケースです。
私たちが何かを決める時は、『自分の中にあるルール』を無意識に参考にしています。
悲しそうな人がいたら声をかけようとか、怒っている人がいたら近づかないでおこうとか、「こうしたら上手くいく」「こうしたら失敗する」ということを過去の経験からルール化しているのです。
厄介なのは、そのルールが子どもの頃に作られること。
親とのかかわりあいの中でつくられるルールなので、毒親育ちの子どもは『ルールが非常に多い』のです。
だから頑張りすぎてしまいます。「ダメ」というルールが多いので、自分に自信を持ちにくくなります。人に気を遣うのが当たり前になっているので、自分よりも他人優先。
その結果、「生きづらい」と感じる方がとても多いのです。
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言うことが矛盾だらけの母が『あなた』に及ぼす影響
『自分の中にあるルール』のことを心理学では、『禁止令』と呼ぶことがあります。
例えばAさんの場合、どのような禁止令がみられるのかをご紹介します。
学校で100点を取ったときも、「これくらいで有頂天になるな」とか「上には上がいる」ということを言われるだけ。褒めてくれませんでした。
こういったことが続くと、子どもは自分がやったことを評価できなくなります。
「あれができない」「これもできない」と出来ないことばかりを責めるのに、何かできたときには「これくらいで」「そんなの誰だってできる」と自分を認めることができなくなります。
この場合に見られる禁止令は『成功を感じるな(Don’t Feel Successful)』です。
部活を選ぶときもそう。「好きな部活に入ればいい」と言ったのに、バレー部を選んだら「運動神経が悪いから運動部はやめておけ。吹奏楽部にしろ」と。仕方なく従って吹奏楽部に入ったら、「部費が高い!なんで吹奏楽部になんて入ったんだか…」と睨まれる始末。
親の言う通りにしないと怒られたり、認められなかったりする場合によくみられる禁止令『考えるな(Dont’ Think)』が当てはまります。
一生懸命考えた答えを「そんなんじゃダメ」と一蹴されたり、あれこれ親から指示されることで考えることをやめてしまうことで、ルールが厳格化されていってしまうのです。
その他、特定のことだけ考えるのが苦手な人がいます。
親が良く思わなかった話題(セックス、お金のことなど)について、大人になっても「考えない方がいい」とルールを適用し続けてしまいます。
禁止令があるからダメ、と言いたいのではありません。
禁止令は『自分で作った思い込みのルール』なので、変えられるよということをお伝えしたいのです。
ただし禁止令は、なかなか自分で気がつけません。
子どもの頃から「それが当たり前」になっているからです。
- 「よくわかんないけど、○○しなきゃって思っちゃう」
- 「好きにしていいよ、自由にしていいよ、と言われると見捨てられたようで怖い」
- 「もうちょっと気楽に生きられたらな~」
このように感じているのなら、まずはどんな禁止令に影響を受けているかを探ってみるといいかもしれません。
「こうしなきゃダメだ!」と頑張ってきたけれど、「してもしなくてもいいことだった」と気がつくきっかけになるかもしれませんから。
今回ご紹介したルール『禁止令』は、親子問題でよくみられるルールの1つです。
生き方に関するルール、対人関係に関するルール、能力に関するルール…他にもたくさんあります。
言うことが矛盾だらけの母との付き合い方
このような母親からのメッセージを心理学では、『ダブルバインド』と表現することがあります。
Double(ダブル)=二重
Bind(バインド)=束縛・拘束
「わからなかったら聞きなさい」と言われて、聞くと「それくらい自分で考えて」と怒られる。かといって聞かないまま失敗すると、「何で聞かないの!」と怒られる。
このように、質問に対しての答えに正解がありません。
ダブルバインドは、どの命令に従っても怒られてしまうという大きな精神的ストレスを与えるものなのです。
怖いのは、ダブルバインドの状態が長期間続くことで『自分の感覚がマヒしてしまう』こと。
すべて自分が悪いのだ、と考えるようになります。
こういったタイプの母親の場合は、できれば離れることです。
しょっちゅう顔を合わせるような環境ですごしていると、だんだんと精神がボロボロになっていきます。そして「自分が悪い」という考えから抜け出せなくなってしまうからです。
罪悪感を持ってしまうのも、「自分が悪い」という思考パターンの1つです。
「親を悲しませてしまうのは、悪いことだ」と自分を責めてしまう人もいるかもしれません。
でも、
考えてみて下さい。
「親と離れた方がいい」と決断させるようなことをしたのは、誰でしょうか?
そこまで追い詰めたのは、誰でしょうか?
あなたが親のために人生を生きたら、あなたの人生は誰が生きてくれるのでしょうか・・・?
「離れたら親がかわいそう」だという人がいますが、それ以上に「一緒にいたらあなたの心と体がボロボロになる」のではないでしょうか。あなたの親は、ボロボロになったあなたを助けてくれますか?
あなただけが親を助けなければいけない、なんていうことはないのですよ。
ひとりで背負いすぎないで。
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『親』のことを考えなくてよかったら…?
今回ご紹介した「言うことが矛盾だらけの母」は、他のタイプを併発していることが多いです。
罪悪感が強い場合は、「べったり甘える母」や「過干渉の母」も当てはまるかもしれません。あまり罪悪感が強くない場合は、「残酷な母」や「無関心な母」が当てはまることもあります。
いずれにせよ、正解は1つではありません。
親を好きでいるも、嫌いになるも、許すも、許さないも、離れるも、離れないも…
あなたの自由です。
でも1つ心にとめておいて欲しいことがあります。
それは、自分はどうしたいのかということ。
・・・とはいえ、急に聞かれても戸惑ってしまいますよね。
それでいいんですよ。それでいい。
「どうしたいのか」に戸惑ってしまう時は、「もし母親のことを全く気にしないでよかったら、自分はどうしたいのか」と考えてみて下さい。
その答えが、あなたの素直な気持ちです。
ひとりじゃ乗り越えられないな、不安だな、と思えばいつでもご相談ください。
今の場所から抜け出して、自分らしく生きる道を見つけていきましょう。