毒親育ちは甘えている?〜「甘えているのでは」と不安になったあなたへ
こんにちは。
心理カウンセラーPocheです。
毒親・親ガチャという言葉が世の中に広まったこともあってか、「毒親育ちは甘えている」「毒親という言葉を使うのは逃げだ」といった批判的な意見をSNS上で言われるケースが増えているようですね。
※今回のブログは音声サイトVoicyでも配信しています。
今回のブログでは、毒親育ちは甘えているのかということについて私なりの考えをお伝えしていきます。
どこからどこが甘えで、何が逃げなのか感じるのかどうかというのは、明確な基準がありません。
だからこそ甘えかどうか、逃げかどうかというのは、その人の価値観によるものも大きいのです。
ですが、親子問題に長年携わってきた私としては、「毒親育ちは甘えていない」と感じています。
もし本当に甘えられたなら、こんなに苦しんでいないし、こんなに悩んでなんかいません。
本題に入る前に、あなたにお伝えしておきたいことがあります。
今あなたが「私、甘えてるのかな?」という不安を持っているのなら、胸を張ってくださいね。
「毒親だと思うことは、甘えなのか」という問題は、自分らしさを取り戻す過程で出てくる悩み。
あなたは親の影響から抜け出して、自分らしく生きていくために前に進もうとしているということなのです。
毒親育ちの子は「甘えていない」
- 勇気をもって親のことを相談したら、「それって甘えじゃない?」と言われた。
- 「毒親っていう人って、なんでも親のせいにしてるだけだよね」という批判的な意見を言われた。
- 「もういい大人なのに、まだ親のせいにしてるの?」と、冷ややかな目で見られた。
このようなことを誰かから直接言われることもあれば、SNSやテレビなどで批判的な意見を目にして、傷つくこともあるかも知れません。
「私だって大変だったけど」「うちも、過保護だったよ」など、「大変なのはあなただけではない」というニュアンスのことを言われたり、「あなたよりもっと辛い人がいる」というようなことを言われることもあるかも知れません。
ですが…
結論からいうと、私が今まで接してきた毒親育ちの方は誰一人として甘えていません。
このブログを見てくれているあなたも、その一人です。
「甘えているのではないか?」と感じている時点で、あなたは甘えていません。
本当に甘えていたら、そんなこと思わないからです。
これまで長年親子問題に携わってきたからこそ言えるのは、毒親育ちの子どもは「自分を責めがちだ」ということです。自覚していることもあれば、無意識のこともあります。
- 明らかに親が悪くても、親を責めることは許されなかった。
- 親を責めたら、ますますひどい目に合う。傷つけられる。
- 自分が我慢して、謝った方が、早く終わる。
子どもなりにたくさん考え悩んだ結果が、『自分を責めた方がいい』なのです。
子どもの頃にそうするのが当たり前だったり、そうしないと生きていけなかったり、そうしないときに罰が与えられることを知っていると、「自分のせいだ」「自分が悪い」というように自己否定するようになってしまいます。
いつも不愛想なあの人、態度の悪い店員、機嫌の悪い上司、失礼な親戚、苦手なあの人…問題は相手にある時でさえ、「私が何かしたかな?」「良くないことを言ったかな?」「私のことが嫌いなんだろう」と、無意識に自分を責めてしまうのです。
大切なことなので、もう一度いいます。
あなたは甘えていません。
これって甘え?
そもそも周囲の言う『毒親は甘えている』の『甘え』とは何なのでしょうか。
これまで受けた相談から察するに、『甘え=責任転換』を意味していることが多いように感じます。
ここでは3つの事例をもとに「甘えているのかどうか」について、私の考えをお伝えします。
1つめ:親の愚痴を言うのは甘え?
これは、甘えではありません。
子どもの頃言えなかった自分の気持ちが、やっと言えるようになったのです。言えなかった気持ちが言えるようになったならそれは、「できるようになった」という良い変化です。
2つめ:親について、大人になっても悩むのは甘え?
これも違います。
大人になっても悩むほど心に傷が残っているだけです。
甘えているどころか、「子どもの頃に甘えていなかったから今も悩んでいる」ということです。
3つめ:親のせいでこうなったと思うのは甘え?
これも甘えではありません。
自分の悩みについて考えた時に、「幼少期の親とのかかわりが関係していた」と気がついただけです。
悩む過程で見つけた、あなたにとっての1つの事実です。
本来自分で解決しなければいけないことについて、自分では全く努力もせず他人がやって当然だと思うのが「甘え」です。
悩んだり親を責めたりしたところで、それは甘えではありません。
今回「毒親育ちは甘えているのか」というタイトルでお話をさせていただいておりますが、子どもの頃からずっと頑張ってきたあなたは「もっと甘えていい」というのが私の本音です。
ですがこのブログを読んでくれている方の中には「甘えるってそもそも何?」と感じる人、「甘え方がわからない」という人、「甘えらえる人なんていない」という人もいるのではと思います。
今はまず「あなたは甘えていないし、むしろもっと甘えていい」ということについて知っておいていただければと思います。
甘えていない、と納得できるだけで、自分を責める回数は減ります。
甘えてもいいと知っておくだけでも、手を差し伸べてくれる人が現れた時に助けを求めることができますから。