【毒親】子どもを苦しめる母親1│子どもに甘えるベッタリ母
こんにちは。
心理カウンセラーのPocheです。
今日の記事は、親子関係に悩む『子ども』のあなたに向けて書いていきます。
毒親カウンセリングで相談が多い母親のタイプを7つに分類し、それぞれの対応についてお伝えしていきます。
今回は1つめ。
『子どもにべったり甘える母』との付き合い方です。
なお複数のタイプが混在していたり、成長過程でタイプが変化することもあります。
過去の親子関係が現在の思考パターンを形成している可能性が高いので、『成長過程でタイプが変化した場合』は、過去のタイプも併せてお読みいただくことをお勧めします。
※内容を分かりやすくお伝えするために「毒親」という表現を用いることがあります。
毒親というのは、子どもにとっていわゆる「毒」となる性質を持つ親のことです。親によって植え付けられた価値観や行動、子どもの頃の暴言や暴力が、大人になっても影響を与えてしまう場合に「あなたにとっては毒親だった」という定義の元、話を進めていきます。
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ベッタリな母とは
ベッタリ母とは、大人になれない母親のことです。
自分の子どもを「親」や「姉」「兄」のように慕い、頼りきることで依存します。
精神面・肉体面ともに、子どもに支えてもらおうとする親です。
例│ベッタリ母の具体例
「ベッタリ母親」の例を1つ、ご紹介します。
なおこの内容は、実際の相談内容に基づくものではありません。
相談者は、一人娘のA子さん。31歳です。
子どもの頃から姉妹のように仲が良く、周りからも「仲良し親子」で有名でした。
小学生の頃は、学校で嫌なことがあると「お母さんが先生に話してあげる!」と解決してくれました。
「あの子は意地悪だからやめておきな」「○○ちゃんと遊んだら?」といったように、A子さんの友達関係に口を出すのも当たり前でした。だけどA子さんは、母親のことが大好き。
「かまいすぎだなぁ」と思う事はあっても、「お母さんが敷いたレールの上を歩いていけば大丈夫」と信じて大人になりました。
母親との関係がギクシャクしだしたのは、A子さんの結婚が決まった時。
「お母さんを一人ぼっちにしていいのかなぁ」という不安から、A子さんは母親の近くに住むことを決めました。
しかし毎日のように電話をかけ、家に来る母親に少しずつ嫌気がさしてきました。A子さんにも、新しい家族があるのです。
しかも母親が家に来て話すのは近所の人や親戚の人の愚痴など、どうでもいい話ばかり。
Aさんの結婚相手のことを悪く言うことも日常茶飯事です。聞いているA子さん自身もだんだんと辛くなり、次第に「母親と話したくない」とさえ思うようになっていきました。
ある時、A子さんはお友達と出かけていて、母親の電話を取ることが出来ませんでした。
1時間後に電話の着信履歴を見ると、なんと数分おきに母親からの着信が…。何かあったのかと心配して電話を掛け直すと、母親は「なんで電話に出ないの!?」と怒鳴り散らします。友達と会っていたことを話すと、「もうお母さんのことはどうでもいいのね…私の育て方が悪かったんだわ」と泣き出す始末。
電話ではどうにもならず、A子さんは母親に会いに行き、電話に出られなかったことを心から詫びました。
それからというもの電話は肌身離さず持ち、母親からの電話があれば1回で出るように心掛けました。
「今日は何を言われるのだろう」「また家に来るのかな…」という不安感が押し寄せ、次第に電話のコールが鳴るたびビクッ!と反応するようになってしまいました。
電話が鳴っていない時でさえ、プルルルルル…というコール音が聞こえるような気もします。
それくらいA子さんは、精神的に限界を感じていました。
子どもの頃は、親と仲良し。
大人になって結婚しても、行き来するような仲。何かあれば家に行き、電話もしょっちゅうする。
このように一見「理想の親子」のような関係でも、子ども側が悩んでいるケースは多いのです。
A子さんの要求は、以下の3つです。
- 毎日家に来るのをやめてほしい
- 愚痴の聞き役になるのがつらい
- しょっちゅう電話をかけてくるのをやめてほしい
親に直接言えばいいのに。
と思いますか?
それをさせないのが、このタイプの毒親です。
そして「親に意見を言うのが怖い。悲しませちゃダメだ。怒られたくない!」と感じてしまうのが、このタイプの毒親育ちの特長です。
親にこの要求を言えないのには、理由があります。
罪悪感です。
A子さんの場合は、母親から「意地悪」を受けて育ったわけではありません。
むしろその逆で愛情を注がれ、優しくされ、あれこれ世話を焼いてもらっています。
だから「大切に育ててくれたお母さんを突き放すなんて、私はひどい娘だ!」と罪悪感を感じやすいのです。
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ベッタリ母が『あなた』に及ぼす影響
育ててくれたことによる罪悪感から、母親に思ったことを言えない…。
その理由は、幼少期の親とのかかわりあいにあります。
Aさんの場合は、小さなころから「親がAさんの行動を決めて」いました。
「あの子とは遊ばない方がいい」「お母さんが先生に話しておくから」と、A子さんが自分で行動しなくてすむように働きかけていました。
もしかすると母親は、「子どもによりよい人生を歩んでほしい」「失敗させたくない」という良い動機から、そうしていたのかもしれません。
ですがこの親の関わり合いが、大人になってからのAさんの決断にも影響を与えます。
『Don’t(自分の人生を生きるな)』
このような親の元で育つと子どもは、『Don’t(するな)』というルールを自分の中に作り上げてしまいます。
このルールが子どもの頃に作られると、大人になった時に以下のような行動がみられることがあります。
- 他人に依存する言動が多い
- 成人しても親から離れられない
- 親から離れることに罪悪感を持つ
- 面倒をみてくれる人から離れることに不安を持つ
- 自分らしさがない、と感じる
- 自立したいと願う一方で、ひとりで生きていくことは無理だとも感じている
あなたに、当てはまるものはありますか?
もしこれらのルールに縛られているのなら、このルールを手放すことで今の生活がより楽に感じられるかもしれません。
親との関係が変わったり、親に少しずつ自分の意見を言えるようになります。
離れることへの罪悪感を消すこともできます。
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その罪悪感が『毒親』のサインかも…
「べったり母」に悩む子どもは、特に罪悪感を強く持ちやすい傾向があります。
- 小さいころ優しくしてくれたから、言うことを聞かなきゃいけない。
- 小さいころ大切にしてくれたから、面倒を観なきゃいけない。
もしかしたらあなたも、このように感じているかもしれません。
でも、毒親=悪人ではありません。
子どもにとって『毒』となる影響を与える『親』、それが毒親です。
子どもを愛していても大切に思っていても、その方法次第では、「子どもにとって毒親」になります。
親が悪い、子どもが悪い、という問題ではないのです。
大切なのは、大人になったあなたがどう感じているのか。
今のままだと「生きづらい」「苦しい」と感じているのなら、過去に刷り込まれたルールを手放してあげましょう。
親に感謝するな、というのではありません。
親に感謝することと、「これは嫌だなぁ」「もう会いたくないなぁ」というのは別問題です。
親を嫌いになれ、ということでもありません。
親を許せ、好きになれということでもありません。
親を好きでも嫌いでも、許しても許さなくてもいいのです。
今の生きづらさの原因が『過去の親子関係に隠れている』というだけのことだから。
- 「親の連絡を無視すると、罪悪感が凄い」
- 「親不孝なのかな…と思う事がある」
- 「親にこんなことを思っていいのかな・・・」
- 「もしかして、毒親?」
このように思う事があるのなら、一度相談してみて下さい。
誰にも相談しにくいことだからこそ、話すことで何かが大きく変わるかもしれません。
その一歩を踏み出してみてほしいです。
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