許す?和解する?『自己愛の強い母親』とのかかわり方について~母親は変わらない
こんにちは。
心理カウンセラーPocheです。
今日は自己愛の強い母親を持つあなたに向けて記事を書いていきます。
※自己愛の強い母親の特長については【>>こちら】の記事をご覧ください
毒親、親子逆転、アダルトチルドレン…
親子問題を取り上げた書籍やブログで提案される方法は、大きく2つに分類されます。
親と戦うか、
親と和解するか。
親と戦うことで、自由を手に入れたという体験談を見ることもあるでしょう。
親と和解することで、望んでいた親子関係を手に入れたという体験談を見ることもあるでしょう。
ですが、自己愛の強い母親の場合は『どちら難しい』です。
すでにあなたが、母親と戦って負けたからといって落ち込む必要はありません。和解できなかったからといって自分を責める必要もありません。
あなたのせいではないからです。
この記事を通して「私は間違っていなかった」と、あなたが思えることを願っています。
あなたが母親に何を言われたとしても、あなたは健全な人間です。
Sponsored Links
母親神話と「自己愛の強い母親」
- 母親は、子どもの幸せを願っている
- 母親は、母性をもっている
- 母親は、本当は子どもを愛している
このように受け継がれている「母親神話」の影響で、自己愛の強い親に育てられた『子ども』はいつまでも頑張り続けてしまいます。大人になっても、です。
自分が頑張れば関係が修復できるかもしれない、もっと愛情深くなってくれるかもしれない、ふつうの親子のようになれるかもしれない…という期待を持ち続けます。
おそらくこの願いは、あなたが自分で自覚している以上に『とても強力』です。人生を狂わせるほどの力を持ちます。
【関連記事】
>>母親神話とは
「餓鬼」と自己愛の強い母親
親子問題を抱えるクライエントの中には、「母親を幸せにしたい」「母親を救いたい」という人もいます。
ですがそれは、非常に難しいです。ほぼ不可能です。
自己愛の強い母親というのは、決して満足しないからです。
あなたがどれだけ母親に尽くしても、すごい能力を身に着けても、大金を手に入れても、完璧な容姿になっても、母親は満足しません。
つまりあなたの親が「いつも不満」なのは、あなたのせいではなく母親の問題なのです。
アジアで伝わる「餓鬼」をご存知でしょうか。
巨大な胃袋を持っているのに、小さな口と針のように細い喉しかないため、常に空腹感に苛まれている亡者です。
自己愛の強い親というのは、これに似ています。
男、お金、尊敬、愛情、学歴…ありとあらゆる欲を持っていて、欲しいものは手に入ると思い込んでいます。
でも、どれだけ手に入れても満足できません。「もっと、もっと」と求め続けます。
このような母親には、あなたがどれだけ尽くしても与えても、一生終わりがないのです。
あなたの手柄は「私」のもの!
自己愛の強い母親について説明すると、「私の母は良くしてくれることもある」というクライエントもいます。
「常に意地悪なのではなくて、成功を喜んでくれることもある」と訴えるケースも多いです。
1つ、例を挙げて考えてみましょう。
※実際の相談例ではありません※
母親は、滅多にA子さんは褒めません。
「あんたはセンスがない」「あんたはダサい」と、服装や持ち物を見るたびに非難します。ある日、A子さんは気になっている男性とデートをするために洋服を選んでいました。するとそこに母親が来て、こう言いました。「アンタが何を着ても一緒よ」と。
A子さんは落ち込みましたが、続けて母親がこう言ったのです。「あなたはもっと、明るい色が似合うのよ。お母さんに任せなさい。さあ、出かけるわよ。私が買ってあげるから」と。母親がA子さんのため選んでくれたのは、A子さんに良く似合うとても素敵なワンピースでした。相手の男性も「素敵だね」と褒めてくれ、その日のデートはとても楽しく過ごすことが出来ました。
デートの後、A子さんは自分を責めました。
いつも酷いことを言う母だけれど、自分のことをよく分かっていてくれて、こんなに素敵な洋服をプレゼントしてくれる…。それなのに私は「母をよく思っていない」なんて、なんだか酷くワガママなのではないかと。
自分がひどく悪い娘のように思えたのです。
A子さんの母親のように、子どもを傷つけるような言葉をかけておきながら、あなたの味方になってくれることがあります。
このようなことがあると、「母親は自分を愛しているのでは…」と思うかもしれません。
でも、違います。
母親は「自分のため」に、一時的にあなたの味方になったり、一時的に助けたりするのです。
本当に子どもを愛している親なら、「一時的」に愛するなんてことはありません。
- 自分が子どもに何かしてあげる。
- それによって子どもが成功する。
この一連の流れは、あなたが小さい頃に母親が楽しんでいた「絶対服従的な上下関係」。
それをあなたが大人になった時、ふと再現しているだけです。
こうすることで母親は、「あなたの成功」を一緒に味わうことができます。
あなたの成功なのに、「私のおかげでうまくいった」「あなた一人ではうまくやれなかった」と手柄を横取りしようとします。
それにもかかわらず、子どもは罪悪感を持ちます。
「母親は自分のため」に子どもを助けているのですが、子どもは「自分のため」に助けてくれたと信じ込んでしまうからです。
でも本当はあなたも、心のどこかで気付いています。
「欲しいもの」がもらえないこと、「欲しいタイミング」で与えてもらえないことを。
本当に自分を愛しているのなら、「欲しいもの」を「欲しいタイミング」で与えてくれるはずだということを。
…と、頭で理解できても、感情がついていかないでしょう。
あなたがまだ受け入れられないとしても、それは自然な事です。自分を責める必要は全くありません。
分かっていても受け入れられないほど、母親の気分次第、都合次第で与えられる「プレゼント」は強い影響力をもっているのですから。
Sponsored Links
母親を許す?和解する?
冒頭でもお伝えしたように、一般的な親子問題の解決方法は「戦う」「和解する」のどちらかです。
でも非常に自己愛の強い母親を持つ場合には、どちらも解決策にはなりません。
戦っても、
勝てません。
あなたを全力で否定し傷つけ、また周囲にあることないこと吹き込み、さらには強い罪悪感を植え付けられてしまうでしょう。
和解するのも、無理です。
自己愛の強い母親は、決して自分の非を認めません。謝ったように見せかけながら、「私がこうなったのも、あなたが悪いのよ」と責任転換します。結局、いつも通りの関係性に戻ってしまうでしょう。
基本的には、距離をおくほかないと思います。
絶縁とまではいかなくても、会う回数を減らしたり、一方的な連絡を拒否するなどして、あなたの心を守る必要があります。
「母親が少しでも変わってくれたら…」と、思う事があるでしょう。
でも、こういった母親が自らセラピーに通うことはまずありえません。
周囲の勧めで万が一セラピーに通ってくれたとしても、大きな改善は見られないでしょう。本人に「変わろう」とする意思がないからです。
母親と『同じ』?
自己愛の強い母親から、毒になる行動や言葉を長い間与えられ続けてきたことで、『あなたにも影響を及ぼす』ことがあります。
母親いついて振り返っていくなかで、「自分にも同じ部分があるのではないか」ということに気がつくこともあるかもしれません。
でもあなたは、違います。
あなたは母親とは違い、「そのこと」に気がつきました。
気がついたあなたなら、「変わろう」と思えば変われます。
大切な事なので、もう1度お伝えします。
あなたは健全な人間です。
母親があなたを何と言おうと、今こうして向き合っている時点で、あなたと母親は違います。
そのために何が出来るのか、どのような影響を受けてきたのか…。
自分一人で向き合うのが難しい場合は、メールカウンセリングでご相談ください。
あなたが「変わりたい」と思った今が、ベストタイミングです。