「もっと辛い人がいる」「それくらいで」と言われたあなたへ 〜気持ちを否定されたとき。あなたの心を守るために
こんにちは。
心理カウンセラーPocheです。
「もっと辛い人はいっぱいいるよ」
「そんなことで?」
「それくらいで泣いてたらやっていけないよ」
自分の辛さを否定されたような気がして涙が止まらなくなったり、打ち明けたことを後悔したり…。
今日の記事は、「気持ちを受け止めてもらえなかった経験」に心を痛めているあなたへ伝えたいことです。
他人にしてみれば「些細なこと」に見える出来事だとしても、
「こんなことで」「それくらいで」と思う必要は、ありません。
「もう昔のことなのに」と思う必要も、ありません。
勇気を出して「辛い」「しんどい」「苦しい」と声に出してみたのに、理解されなかった時の苦しみは、とてもとても大きなものだからです。
もっと辛い人がいる?
「もっと大変な人がいるんだから」
「あなたは、まだマシ」
実はこれは、昔からよく使われてきた言葉です。
悪意があることもあれば、悪気がないことも。
人によっては励ましのつもりだったり、前向きにさせたくて言っていることもあるのです。
でも、ここで大事なのは「それを言った相手の動機」ではなく、「それを言われたあなたの気持ち」です。
本当にしんどいときにこの言葉をかけられると、心はぽつんと置き去りにされたような感覚になります。
理解されない。否定された。
まるで自分が間違っているかのような、そんな気持ちにさえなってしまいます。
辛さというのは、誰かと比べて測れるものではありません。
「今、あなたの心がどう感じているか」がすべてなんです。
話さない方が良かったの?
本音を打ち明けた時に否定されると、「話さなければ良かった」という気持ちになるかもしれません。
このような気持ちが出るのは、自然な反応です。
でも、「話さなければ良かった=話したあなたが悪い」ということではありません。
あなたの気持ちをそのままに話せたことは、本当に大切な行動でした。
ではなぜ、相手が受け止めてくれなかったのか。
それはもしかすると…
・相手に余裕がなかったのかもしれません
・あなたの辛さを理解できず、何と返せばいいかわからなかったのかもしれません
・その相手は、自分の価値観でしか見られなかったのかもしれません
いずれにせよ、「話したあなたが悪い」ということはありません。
「そんな人に話したあなたも悪い!」と指摘されてしまうこともあるようですが、決してそのようなことはありません。
「そんな人」かどうかは話すまで見抜けないからです。
もし仮に「そんな人」だと知っていて話したとしても…
きっとあなたは「分かってくれるかもしれない」「この人に分かってほしい」という期待や願いを抱いていたのではと思います。
それは、あなたの中にまだ「人を信じたい」という優しさが残っていた証です。
たとえ過去に何度傷つけられてきたとしても、誰かに気持ちを打ち明けようとしたこと。「理解してほしい」と思ったこと。
それ自体が、あなたの心がちゃんと生きていて、誰かとのつながりを求めていた証なのです。
あなたの気持ちは「大切」にされるべきもの
「こんなことで泣くなんて…」
「私なんかより、もっと大変な人がいる」
「ちゃんと頑張らなきゃ」
そんなふうに、自分で自分の気持ちを否定してしまうことはありませんか?
それはもしかしたら、過去に誰かに気持ちを伝えたとき、受け止めてもらえなかった経験があるからかもしれません。
「悲しかった」
「苦しかった」
「しんどかったよ」
本当は、心の奥ではこう言いたかったのかもしれないのに、勇気を出して言っても否定されたり、軽く扱われたりした経験から、「こんなこと言っちゃダメなんだ」と自分の気持ちにフタをするようになってしまったのかもしれません。
でも、あなたの気持ちはどんなかたちでもちゃんと“本物”です。
だからまずは、自分の中にあるつらさに対して、こう声をかけてみてください。
「そうだよね、苦しかったよね」
「わかるよ、つらかったんだよね」
“うん、そうだね”と自分に寄り添うだけで、心は少しずつほどけていきます。
誰かと比べなくても、つらいものはつらい。
苦しいものは、ちゃんと苦しい。
今感じているその気持ちだけを、大切に扱ってあげてください。
その気持ちは、声にしてもいいものです。
本当は、口に出しても嫌われたり、否定されたりする必要なんてないんです。
あなたの感じたことには、意味があります。
それをちゃんと認めてあげることが、心を守る第一歩です。
そして、もしどうしても寂しくなったり、つらくなったときには――
どうか思い出してください。
あなたの気持ちを否定しない場所は、ちゃんとここにもあるということを。