「自分を認められない」毒親育ちが抱える6つの生きづらさ

こんにちは。心理カウンセラーPocheです。

あなたは、日々の生活の中で「なんだか生きづらいな」「どうして自分だけこんなに苦しいのだろう」と感じることがありますか?

実は、このように感じる人には、共通する悩みや心のクセがあることが多いのです。

そこで今回は、毒親育ちの人が抱えやすい問題や陥りやすい悩みについてお話しします。

 

※「毒親って?」「毒親育ちって?」という疑問につきましては、【>>過去の記事】で詳しく説明していますので、こちらをご覧ください。

 

毒親育ちが抱えやすい6つの悩み

毒親育ちと一口に言っても、抱える悩みや傾向は、ひとりひとり違います。

親のタイプ、受けた影響、それによって生じる思考の癖は一律ではないからです。今回はその中でも、特に多くみられる「6つの悩み」と「相談事例」をピックアップしました。

この内容を通して、「何が一番自分を苦しめているのか」について気づくきっかけになりますように。

 

1. 自分を認められない

あなたが今まで頑張ってきたことは、誰かと比べる必要はなく、十分に価値のあるものです。

ですが、毒親のもとで育つと、「もっと頑張らないと愛されない」「結果を出さないと価値がない」という思い込みが深く刻み込まれます。

すると、何をしても「まだ足りない」と感じ、自分の頑張りを肯定できなくなってしまうのです。さらには、褒められたり成果を出しても、「たまたま上手くいっただけ」「もっと上がいる」と自分の努力を否定してしまうこともあります。

たとえば、次のようにです。

「昔から、どんなに頑張っても『まだまだ』『もっとできるでしょ』と言われ続けてきました。親は私の努力を認めることなく、『結果がすべて』という考え方でした。何かを成し遂げても、『次はもっと頑張らないと』と思ってしまい、自分を褒めることができません。周りから評価されても『たまたまだっただけ』『もっと上がいる』と考えてしまい、心から満足することがありません。どうすれば、今の自分を認められるようになるのでしょうか。」

 

この場合は、自分の努力を小さなことでも認める練習をすることが効果的です。

「自分で自分を認める」のが難しいほど親の影響が強い場合には、カウンセラーや医師、信頼できる第三者を通し、「一緒に認めていく」ことが必要になることもあります。

相談者の場合は、「自分で自分を認められない」という状態だったので、カウンセラー(Poche)から認めてもらい、その言葉を少しずつ受け止めていく…ということを繰り返しました。
(月に1回、4回目のカウンセリングの頃には、「自分で自分を認める、という感覚がわかってきた!」と報告してくれました。)

自分を認められない段階では、他者に認めてもらうことで「今の自分でいいんだ」と安心し受け入れることができるようになるのです。

 

2. 自分の気持ちや感情がわからない

毒親育ちの人は、子どもの頃から親の期待や機嫌を最優先にしてきたため、自分の感情を後回しにする癖がついています。

「自分が何を感じているか」よりも「親がどう感じているか」「親の期待にどう応えるか」に意識が向き、自分の本当の気持ちを感じ取る力が鈍くなってしまうのです。

また、「こんなことを言ったら怒られるかもしれない」という恐怖から、自分の感情を抑え込み続けた結果、自分の本音がわからなくなることもあります。

例えば、次のようにです。

「子どもの頃から、親の顔色を伺ってばかりいました。『お母さんがこう言うなら、そうしなきゃ』『お父さんが機嫌を損ねないようにしよう』と、自分の気持ちよりも親の期待を優先するのが当たり前でした。大人になった今も、『私はどうしたいのか』がよくわかりません。何か決めるときも、『周りはどう思うかな?』『これをしたら嫌われるかな?』と考えてしまい、本当に自分の気持ちで選んでいるのかわからなくなってしまうんです。」

 

心を取り戻す第一歩は、自分の小さな感情に気づくこと。

「疲れた」「少し楽しい」といった簡単な気持ちを言葉にする習慣を持つだけでも、少しずつ自分の感情と向き合いやすくなります。

 

3. 幸せを感じにくい

毒親のもとで育つと、「幸せになること」に対する罪悪感や恐れが無意識に根付くことがあります。

例えば、親から「お前のせいで苦労している」などと言われて育つと、「自分が幸せを感じてはいけない」「自分だけ幸せになってはいけない」「私は迷惑をかけてしまう人間だ」という感覚が芽生えることがあります。その他、「幸せな状態が長く続くと何か悪いことが起きるのではないか」「こんな幸せが続くわけがない」など、漠然とした不安を抱える人も少なくありません。

次に挙げるのは、その顕著な例です。

「昔から、『お前のせいで苦労している』と親に言われてきました。だから、幸せになりたいと思っても、『こんな自分が幸せになっていいのか』『私だけ楽しく過ごしていたら、何か罰が当たるんじゃないか』と不安になります。友達と楽しい時間を過ごしていても、どこかで『こんな幸せが続くわけがない』と思ってしまうんです。本当は、もっと素直に幸せを感じられるようになりたいのに…。」

本来であれば、幸せを感じることは誰しもが持つ、自然な権利です。

まずは、「幸せになってもいい」と知って受け入れること。さらには、小さな幸せを見つけ、「これを楽しんでもいいんだ」と自分に許可を出してみることで、相談者は少しずつ「幸せになっていい」と思えるようになっていきました。

最初は難しく感じても、少しずつ幸せを受け入れる力が育っていきます。

 

4. そのままでいいと思えない

本来であれば、「そのままの自分でいい(そのままのあなたでいい)」という感覚を与えてくれるのが親です。

でも、毒親育ちの人は、それとは真逆のものを受けて育ちます。子どもの頃から「本当の自分では認められない」と感じるような経験を繰り返しているのです。

例えば、親から「もっとこうしなさい」「お前はダメだ」と言われ続けると、自分のありのままの姿では愛されないという思い込みが強くなります。その結果、自分の意見を押し殺したり、他人に合わせすぎたりしてしまうのです。

次に挙げるのは、その一例です。

「親から『もっとこうしなさい』『そんなことしても意味がない』と言われ続けて育ちました。何かをやりたいと思っても、『どうせ認めてもらえない』という気持ちが強くて、自分の意見を言うことが苦手です。職場でも、つい周りに合わせてしまい、『本当はこう思っているのに…』と言えないまま終わることが多いです。『そのままの自分でいい』と思えたら楽なのに、どうしても『もっと違う自分にならなきゃ』と焦ってしまいます。」

 

子ども時代のあなたも、大人になったあなたも、完璧である必要はありません。

まずはそのことを理解し、「これが私らしさ」と思える瞬間を探してみてください。

そして、「そのままの自分でも大丈夫」と少しずつ信じてあげることが大切です。

※それでもやはり「そのままでいいと思えない」場合には、過去の影響が強く残っています。この場合には、親のどのような態度や言葉が影響しているのか、カウンセリング等を通して見つけていくことが効果的です。

 

5. 何をしても楽しめない

「昔から、親の期待に応えることが最優先でした。自分の好きなことをしようとすると『そんなことして何の役に立つの?』と言われ、遊ぶ時間があるなら勉強や家の手伝いをするべきだと教えられました。だから、何か楽しいことをしようと思っても、『こんなことしていていいのかな』『もっと他にやるべきことがあるんじゃないか』と不安になります。リラックスしたり、心から楽しむことができなくて、気づけばいつも何かに追われているような気持ちになります。」

上記の相談者のように、毒親育ちの人は、子どもの頃から自分の気持ちを否定され続けたり、楽しむことよりも親の期待に応えることを優先してきた結果、心の中に「楽しむ余裕」を持ちにくくなることがあります。

楽しみたいと思っても、「こんなことをしていていいのか」「もっとやるべきことがあるのではないか」といった不安が頭をよぎり、純粋に楽しむことが難しくなる場合もあります。

 

楽しむ力を取り戻すためには、少しずつ自分を解放していくこと。

「これをやってみたい」「これを食べてみたい」という小さな欲求を叶えることから始めます。練習感覚で、一人の時に「楽しむ」という経験を積み重ねていきましょう。

少しずつ、自分が楽しいと感じる瞬間を増やしていくことが大切です。

相談者の場合は「好きなことがわからない。趣味もない」という段階だったので、一緒に「嫌いなもの」を出す作業を行いました。好きなものは、嫌いなもの以外に隠れているからです。

 

6. 常に不安や焦りがある

子どもの頃から親の気持ちに振り回されていると、安心できる基盤が作れず、大人になってもその影響が続きます。

すると、「何か悪いことが起きるかもしれない」「ちゃんとしないと嫌われる」といった不安や焦りを抱えやすくなります。さらには、「他人からどう思われるか」が気になりすぎるあまり、自分を追い詰める要因にも。

例えば、次のようにです。

「子どもの頃から、親の機嫌に振り回されてきました。怒らせないようにと、常に顔色を伺いながら過ごしていたせいか、大人になった今でも『ちゃんとしないと』『失敗したらどうしよう』と不安になります。仕事でも、人と話すときでも、『今の言い方、大丈夫だったかな』『嫌われていないかな』と考えすぎてしまい、いつも緊張してしまいます。何をしていても落ち着かなくて、常に心がざわざわしている感じがします。」

 

不安や焦りを減らすには、自分を責める代わりに「今はどうしたいのか」を自分に問いかける習慣を持つことが効果的です。

その場では難しくても、家に帰ってから「あの時本当は、どうしたかったのか」「あの時本当は、どう思っていたのか」と自問自答することで、不安や焦りが整理されていきます。

「このままではいけない」と焦るのではなく、「今できること」を一つずつ進めていくことで、少しずつ心を落ち着ける効果があります。

 

「自分が悪い」と思って生きてきたあなたへ

毒親育ちの影響を受けた多くの人は、「自分が悪い」「自分に問題があるからうまくいかない」と感じがちです。

しかし、実際にはその生きづらさの背景に、親や家庭環境が大きく影響している場合が少なくありません。

 

ですが現実には、「自分の家庭環境が原因だなんて思わなかった」「生きづらさは自分自身の問題だと思っていた」とカウンセリングで語る人は、あまりに多いです。

それがダメだ、というのではありません。

問題を自分ごととして捉え、向き合おうとする姿勢は、人としてとても素敵です。

 

ですが、そのようなあなただからこそ…
「あなたのせいだけではない」という可能性を知ってほしいという思いから、このような記事を書きました。

 

親から否定されたり、過度に期待されたりした経験は、大人になっても心に深い傷を残します。

その結果、自分を責める思考が染み付いてしまい、すでに傷ついているのに、自分をさらに責め、追い詰めてしまうこともあります。

 

でも、その生きづらさは、あなたが悪いわけではなく、あなた自身の問題だけとも限りません。

親や家庭環境による影響に気づくことは、自分を責めることをやめ、心を軽くする第一歩になります。

過去の経験に目を向けながら、「自分を傷つけない選択」を少しずつ取り入れていきましょう。あなたはもっと優しく、自分を大切にしていいのです。

 

一人では難しい、何にどう向き合えばいいかわからないという場合には、一度ご相談ください。一緒に考えることで、見つかる答えがあるはずです。

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ひとりで考え続けるより、誰かと一緒に整理することで、もっと楽に前を向けることがあります。

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Posted by poche