初対面では話せるのに…親しくなると「嫌われるのでは」「離れていくのでは」と怖くなる

こんにちは。心理カウンセラーPocheです。

最初のうちは自然に話せるのに、距離が縮まるほど「この人にどう思われるだろう」と気になってしまう。気を遣いすぎて疲れてしまったり、つい相手の期待に応えようと無理をしたり…。

こんなふうに、人と親しくなることに不安を感じたことはありませんか?

 

この記事では、「なぜ仲良くなると怖くなるのか」、そして「その不安とどう向き合えばいいのか」について、一緒に考えていきたいと思います。

 

なぜ「仲良くなると怖くなる」のか?

この不安の背景には、いくつかの心理的な要因が考えられます。

① 嫌われることへの恐れが強い

関係が深まるほど、「この人に嫌われたくない」という気持ちが強くなりすぎてしまうことがあります。最初のうちは、まだそこまで相手に期待されていないので気楽に話せます。

でも、親しくなると「もっと良い自分でいなきゃ」と無理をしてしまうのです。

 

相談事例①
「初対面のときは普通に話せるんです。でも、仲良くなると『本当の自分を知られたら嫌われるんじゃないか』『距離を置かれてしまうかも』って思ってしまって…。だから、無理に相手に合わせたり、気を遣いすぎたりしてしまうんです。」
※Aさん(30代)

この相談者Aさんは、関係が深まるほど「本当の自分を出したら否定されるのではないか」という不安に悩んでいました。その恐れから、自分を抑えてしまうことで、かえって居心地の悪さを感じてしまっていたのです。

「仲良くなりたいけど、仲良くなるのが怖い」…その理由は、幼い頃の親との関係にありました。

「もっとちゃんとしなさい」「そんなことを言うなんて、わがままね」「笑顔でいなきゃ、周りの人が困るでしょ」——子どもの頃から、親にそう言われ続けてきたAさんは、気づけば「そのままの自分では受け入れられない」と思うようになっていたのです。

 

親の期待に応えようと、自分の本音を抑えて「良い子」でいることが当たり前になっていたAさん。

そんな生き方を続けているうちに、いつの間にか「自分はどうしたいのか」「どんな自分なら大丈夫なのか」が分からなくなってしまっていたのです。

だからこそ、人と距離が縮まると、「もっと笑顔でいなきゃ」「相手の気分を害さないようにしなきゃ」と、無意識に自分を作り込んでしまう。「こんな自分はダメだ」と相手に見捨てられるような気がして、怖くなってしまっていました。

 

② 自分を偽ってしまう

最初は「感じの良い自分」を演じていても、関係が深まるにつれ「本当の自分を出したら嫌われるのでは?」と不安になってしまうことがあります。

相談事例②
「誰とでも気さくに話せるほうなんです。でも、親しくなると『いつもの明るいキャラを続けなきゃ』って思ってしまって…。本当は疲れているのに、それを見せるのが怖くて、無理をしてしまうんです。」
※Bさん(40代)

Bさんは、仲良くなればなるほど「良い自分」を演じ続けなければいけないと感じ、素の自分を出せなくなってしまいました。

「素の自分を出したら嫌われるのではないか」という不安が根底にあったからです。

 

Bさんは幼い頃から、「周りを楽しませることが大切」「明るく振る舞わなければ、人は離れていく」と教え込まれてきました。家族の中で、怒っている親の機嫌を取ったり、場を和ませたりする役割を担っていたことも影響していたのかもしれません。

そのため、人と親しくなるほど、「もっと明るくしなきゃ」「相手を楽しませなきゃ」と無意識にプレッシャーを感じてしまうように。少しでも気を抜いたら、「つまらない人だと思われるかもしれない」「がっかりされるかもしれない」と怖くなり、気が休まらなくなってしまっていたのです。

 

③ 過去の経験が影響している

「昔、仲良くしていた人に突然距離を置かれた」「親しい人に裏切られた」などの経験があると、「また同じことになるのでは?」という警戒心が生まれます。

相談事例③
「学生の頃、すごく仲の良かった友達がいたんです。でも、ある日突然、理由もわからないまま距離を置かれてしまって…。それ以来、仲良くなりそうになると『また離れてしまうんじゃないか』って怖くなって、気づけば自分から距離を取ってしまうんです。」
※Cさん(年齢非公開)

Cさんのように、過去の経験が「人と親しくなるのは危険だ」という思い込みを作り出してしまうこともあります。

カウンセリングでは、まずCさんが「人と親しくなるのは危険だ」と思うようになった過去の経験を丁寧に振り返りました。

 

「なぜ当時の友人は距離を置いたのか?」を一緒に考えながら、「Cさん自身に問題があったわけではなく、相手にも事情があったのかもしれない」と視点を広げることで、思い込みを和らげていったのです。

さらに、「すべての人が離れていくわけではない」という新しい経験を積むため、小さなステップを設定。例えば、「安心できる人との関係を少しずつ深める」など、無理のない範囲で人と関わる練習をしました。

カウンセリング2回目、Cさんは「親しくなること=怖いことではない」と感じられるようになり、人間関係への不安が和らいだことを実感されました。

 

「仲良くなるのが怖い」と感じたときに

「人と仲良くなるのが怖い」と感じたとき、それを無理に変えようとする必要はありません。

まずは、そう感じている自分を責めずに受け止めてみることが大切です。

 

もしかすると、「嫌われたくない」と思うあまり、本当の自分を抑えすぎてしまっているのかもしれません。あるいは、過去の人間関係の傷が影響しているのかもしれません。

そうした「なぜ怖いのか?」を一緒に探っていくことで、少しずつ気持ちが整理できることもあります。

最終的には、「すべての人に好かれなくても大丈夫」と思えると、少しずつ人との関わり方が楽になっていきます。

 

 

最後に:あなたの不安は「人を大切にしたい気持ち」の裏返し

「仲良くなると怖くなる」という感情の裏には、「人との関係を大切にしたい」「傷つきたくない」「相手に嫌な思いをさせたくない」 という気持ちが隠れています。

それは、決して悪いことではなく、あなたが「人とのつながりを大事にしたい」と思っている証拠でもあります。

 

だからこそ、無理をして「平気なふり」をする必要はありません。

少しずつ、自分に合った距離感を見つけながら、人と関わっていけたらいいですね。

焦らず、ゆっくり。
あなたが「安心できる関係」を築いていけるように、まずは自分の気持ちを大切にしてあげてくださいね。

【その気持ち、抱え込まなくて大丈夫です】

「ずっと誰にも言えなかった気持ち、抱え続けていませんか?」
「こんなことで相談してもいいのかな…」そんなふうに思う必要はありません。
あなたの気持ちを、誰にもジャッジされずに安心して話せる場所をご用意しています。
ひとりで考え続けるより、誰かと一緒に整理することで、もっと楽に前を向けることがあります。

メールカウンセリングのお申し込みはこちら

【書籍のご案内】

▼2025年1月・Pocheの新刊発売!▼

そのままのあなたで大丈夫

そのままのあなたで大丈夫

 

▼親が何故か『しんどい』と感じたら▼

親子関係に悩んで八方塞がりになってしまっている中で、これから自分はどうすればいいのかを示してくれる本。

『もしかしてうちの親って、毒親?』

もしかしてうちの親って、毒親? 毒親育ちかもしれないと思ったら

 

▼漫画でわかる!▼

今よりもっと自分らしく生きていく方法

今よりもっと自分らしく生きていく方法

 

▼ twitter ▼

▼ Instagram ▼

人間関係

Posted by poche