【後になって腹が立つ!】思い出し怒りの原因と対処法

こんにちは。心理カウンセラーPocheです。

今日の記事は、過去の出来事を思い出して怒りが込み上げてくる「思い出し怒り」について

 

まず初めにお伝えしたおきたいのは、「思い出し怒り」はダメな感情ではない、ということ。

怒りは、あなたが大切にしているものを守ろうとする心の反応、自分を守るために心が発したサインだからです。

特に、幼少期に自分の感情を抑え込む癖がついた人ほど、この感情に悩まされます。

 

この記事を読み終えた後に、「怒ってはいけない」と思わなくても大丈夫だと思えますように。

そう願いながら、この先を書き進めていきます。

 

「思い出し怒り」はなぜ起こるのか?

 

1. 子どもの頃に感情を抑え込んできた影響

幼少期に、親や周囲の大人から「そんなことで怒るな」「我慢しなさい」と言われ、感情を抑え込んできた経験はありませんか?

例えば、悲しい気持ちを「泣くな!」と否定されたり、不満を言ったときに「わがままだ」と言われたりしたことで、自分の感情を素直に表現することができなくなってしまいます。

次に挙げるのは、実際の相談事例です。

 

「子どもの頃、泣いたり怒ったりすると、親から『そんなことで泣くな!』『我慢しなさい』と言われることが多かったです。悲しくても、『こんなことで泣いたらダメなんだ』と思い、必死にこらえていました。不満を言ったときも、『わがまま言わないの!』と怒られてしまい、それ以来、自分の気持ちを口にするのが怖くなりました。大人になった今でも、嫌なことがあっても『こんなことで怒ったらダメだよね』と自分に言い聞かせてしまい、気づけば何を感じているのかさえわからなくなってしまいます。」

こうした経験があると、「感情を出すと嫌われる」「怒りは悪いこと」と無意識にインプットされ、自分の本音や感情を押し殺す癖を作ります。

その場では感情を抑え込むことで心を守ることができるのですが、抑え込まれた感情は決して消えるわけではなく、心の奥底に蓄積されてしまうのです。

 

2. 抑え込まれた感情は「安全な場所」で浮かび上がる

抑え込んだ感情は、心が安心できる状態になったときに表に出てきます。

これは、心の防衛本能のようなもので、危険な状況では感情を抑えて身を守り、安全な環境で「もう大丈夫だよ」というサインとともに、その感情が解放されます。

例えば、次のようにです。

「子どもの頃、親がとても過干渉で、何をするにも細かく口を出されていました。『こうしなさい』『それはダメ』と常に指示され、自分で決めることがほとんどありませんでした。何か反論しようものなら、『あなたのためを思って言ってるのに!』『間違ったことをしないように言ってるのよ!』と怒られるので、次第に自分の気持ちを押し殺すようになりました。

大人になってからは親の影響が少なくなり、自由に生きられるはずなのに、ふとした瞬間に強い怒りがこみ上げてくることがあります。
ずっと『親の言うことを聞くのが当たり前』と思い込んでいましたが、今になって『私は自分の人生を自由に生きたかったんだ』という気持ちが湧いてきて、どうしていいかわからなくなることがあります。親を否定してはいけないと思いながらも、『あの時の干渉はやりすぎだった』『私の気持ちは無視されていた』と感じる自分もいて、心の中がぐちゃぐちゃになります。」

上記の相談者のように、嫌なことを言われたけれど何も言い返せず、家に帰って一人になったときに「あれは失礼だよね」とイライラが湧き上がる、という経験はありませんか?

そのほか、何十年もたってから「あの時のあれは、許せない」と怒りが出てくることもあります。

安心できる環境になった時に、抑えていた感情が「やっと出せる!」とばかりに顔を出してくることがあるのです。

 

3. 怒りの正体は「自分の大切なもの」を守るための反応

怒りは、実は「自分が大切にしているものが脅かされた」ときに湧き上がる感情です。

例えば、以下のような状況が怒りを引き起こします。

  • 自分の尊厳が傷つけられたとき
  • 理不尽な扱いを受けたとき
  • 自分の感情や意見を否定されたとき

 

「友人と話しているとき、『そんなの気にしすぎだよ』と笑われた瞬間、胸がギュッと締めつけられるような気持ちになりました。その場では笑って流したけれど、後からじわじわと怒りが湧いてきて、『どうして私の気持ちを否定するの?』と悔しくなりました。子どもの頃から、親に『泣くな』『怒るな』と感情を否定されてきたせいか、私はいつも自分の気持ちを押し殺してきました。でも、本当は私の感じたことをちゃんと受け止めてほしかった…。そんな気持ちが、今になってあふれてくるようになりました。」

思い出し怒りが起こるのは、過去の出来事でこうした大切な部分を傷つけられた経験があるからです。

その時点では傷つきながらも、環境や立場的に怒りを表現できなかったために、心の中にしまい込まれた感情が残り続けています。

それが後から浮かび上がり、「思い出し怒り」として現れるのです。

 

4. 幼少期の「我慢」が深く影響する

子どもの頃、自分の感情を「我慢・諦め・否定」することで心を守ってきた人ほど、思い出し怒りを経験しやすい傾向にあります。

例えば、以下のような経験が影響します。

  • 親の機嫌をうかがい、自分の意見を抑え込む癖がついた
  • 感情を表現すると「わがまま」と怒られることが多かった
  • 自分の感情よりも、親や周囲の大人の都合を優先させられてきた

 

「子どもの頃、親はいつも忙しくて、『あなたの気持ちよりも、こっちが大変なんだから』『そんなことぐらいで泣かないの!』と言われてきました。だから私は、『自分の気持ちなんて後回しにしなきゃいけない』と思うようになり、何か嫌なことがあっても、ぐっと飲み込むようになりました。でも、大人になった今、何か理不尽なことを言われたとき、すぐには怒れないけど、後からふとしたときに悔しさや怒りが爆発しそうになります。『あの時の私の気持ちも、大事にしてよ!』と、誰にぶつければいいのかわからない感情が込み上げてくることが増えました。」

こうした経験を重ねた結果、「感情を出してはいけない」「怒ることは悪いこと」と無意識に思い込むようになり、心の中で感情を抑え続けてしまいます。

これが「心の中にしまい込まれた怒り」として残り、後々思い出し怒りとなって現れるのです。

 

「怒っていい」と許可する

冒頭でもお伝えしたように、思い出し怒りはダメではありません。

ですが、あまりにその頻度が多いと疲れてしまうのも事実です。

では、どうすれば思い出し怒りを減らせるのか…ということですが、一番効果的なのは「怒っていい」と自分自身に感情の許可を出すことです。

 

「こんなことで怒るなんて大人気ない」などと、自分の感情を責める必要はありません。

自分を責める代わりに、何が嫌だったのか、どう感じたのか、自分に問いかけてみましょう。

自分の気持ちに耳を傾け、受け止めることで、心のモヤモヤは少しずつ解消されます。

「怒るのは悪いことじゃない」と自分に許可を与えることが大切です。

 

 

思い出し怒りは「心の声」に気づくチャンス

思い出し怒りを抱えることは、決して悪いことではありません。

それは、過去の自分を守るために必要だった感情です。

あなたは悪くないし、怒りもあなたの一部なのです。

 

思い出し怒りは、抑え込まれた感情が「もう我慢しなくてもいいよ」と心からのSOSを発している状態です。

この怒りは、あなたが自分の大切なものを守ろうとした証拠でもあります。

「なぜこんなに腹が立つのだろう」と思うかもしれませんが、この時に自分の気持ちを見つめ直すことで、本当の自分の大切な価値観や感情に気づくきっかけとなります。

 

怒りが湧いたときは、責めたり否定したりせず、「私はこれが嫌だったんだね」と受け止めてあげてください。

その先に、思い出し怒りと上手に付き合いながら、自分の心を軽くしていく道が見つかります。

 

※自分で自分を受け止めるなんて無理!と思えば、カウンセリングで個別にご相談ください。思い出し怒りが出る原因、自分の本音、それらとどう向き合いながら怒りを減らしていくのか…一緒に考えていきましょう。

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Posted by poche