「無理してるかどうかがわからない」—— つい頑張りすぎてしまうあなたへ
こんにちは。
心理カウンセラーPocheです。
「どこからが頑張りすぎなのか、どこまでなら大丈夫なのかがわからない」
「ほどほどでいい、という感覚が持てない」
…「もう少し楽に生きたい」と思いつつも、どこで力を抜いていいのかわからない。そんなふうに感じることがあるかもしれませんね。
この記事では、「自分が無理をしているのかを知るサイン」と、「ちょうどいい力加減を見つけるヒント」についてお伝えします。
「つい頑張り過ぎてしまう」理由
「頑張り過ぎてしまう」のが、ダメではありません。
頑張れるのは、あなたの良さです。ですが、今あなたが疲れているように感じているのなら、「今より少し頑張る力を抜く」時があってもよいのかもしれませんね。
そのためにまずは、「頑張り過ぎてしまう理由」について、いくつかお伝えします。
① 頑張ることが当たり前になっている
気づけば、「頑張ること」が習慣になり、それが当たり前になってしまっている…。
頑張ることが当たり前になると、「どこからどこまでが頑張りすぎなのか」が、分からなくなってしまうことがあるのです。
相談事例①
「自分がどれくらい無理をしているのかがわからないんです。『もっとできるでしょ?』『努力しなきゃ成長できない』とずっと言われてきたせいか、休むことに罪悪感があるんですよね…。」
※相談者Aさん
相談当初は、「頑張ること=良いこと(当たり前)」という意識が強く、無理をしていることにすら気づけない状態だったAさん。
カウンセリングでは「Aさんの普通=みんなの頑張る」に相当することをお伝えし、「まだ出来る」「もうちょっと出来るかも」という段階でストップする方法を試してもらいました。
初めの頃は「まだできるのに…」と落ち着かなかったAさんですが、1週間続ける頃には慣れてきたと言います。
そして「まだ出来る…というところでストップしても、案外ちゃんと仕事は終わるんですよね。むしろ無理しないからか、次の日の調子も良くて。無理しないようになった今の方が、仕事もうまくいっている気がします」と語るAさん。
でも、それだけれはありません。
職場や家族、周囲との関係性も大きく変わったのです。
Aさんが相談に訪れたきっかけは「職場の人間関係での疲れ」だったのですが、カウンセリングを続けるうちに「職場の人間関係で疲れなくなった」というのです。
「無理しない」が実践できたことで、体と心に余裕ができ、それが結果的に周囲との関係改善につながったのです。
仕事でのストレスが減ったおかげで、家族にイライラすることも減り、笑顔が増えたと語ってくれました。
② 他人の期待に応えすぎてしまう
「期待に応えなきゃ」「役に立たなきゃ」という思いが強いと、自分のペースよりも周りを優先しがちになります。これは決して悪いことではないのですが、あまりにそれが大きくなると「自分が蔑ろになってしまう」のです。
その結果、自分ばかり我慢をしたり、無理をしたり…といった日常が続き、それが次第にストレスとなってしまいます。
相談事例②
「仕事でもプライベートでも、頼まれると断れなくて…。『迷惑をかけたくない』『期待に応えなきゃ』と思うと、つい頑張ってしまうんです。でも、気づいたらすごく疲れていて…。」
※相談者Bさん
「無理をしている」というより、「人のために動いている」という感覚のほうが強かったBさん。
過去の影響もあって「人を助けない」ことに強い罪悪感をお持ちだったため、「断る」「引き受けない」という極端な方法ではなく、「引き受けるかどうかを選ぶ」という方法を試していきました。
たとえば、次のような具合です。
・今日は、小さなことも引き受けない
・17時以降は断る
・疲れている時は、引き受けない
・持ち帰り仕事になりそうなら、断る
③ 「ほどほど」の感覚がわからない
相談事例③
「どこがちょうどいいのかがわからないんです。気を抜いていいのか、もっと頑張るべきなのか…ずっと考えてしまいます。」
※相談者Cさん
「頑張りすぎず、かといって怠けているわけでもないちょうどいい加減」—— これは、シンプルなようでとても難しいものです。
Cさんのように、「どこまでやれば十分なのか」がわからず、頑張りすぎてしまう人も少なくありません。では、どうすれば「自分が無理をしていること」に気づき、「ほどほど」のバランスを見つけることができるのでしょうか?
次の項目では、実際にCさんが取り組んだ方法について、いくつかご紹介します。
「ほどほど」のバランスを見つけるヒント
「無理をしないこと」に罪悪感を感じる人もいるかもしれません。でも、頑張り続けるだけでは、心も体も持ちませんよね。
そこで、「頑張る」と「休む」のバランスを取るためのヒントをいくつかご紹介します。
① 「何もしない時間」を意識的に作る
・「何もしない=怠けている」ではなく、「心を整える時間」と考える。
・短い時間でもいいので、スマホや仕事から離れて、自分の気持ちを感じる時間を持つ。
② 「このくらいで十分」と思えるラインを探す
・「ここまでやったらOK」と、自分なりの基準を作る。
・「全部やらなきゃ」ではなく、「7割くらいでもいい」と思える練習をする。
③ 「手を抜いても大丈夫」と思う習慣をつける
・「ちゃんとやらなきゃ」と思ったときに、「少しくらい手を抜いても、意外と何とかなる」と考えてみる。
・一度、少しペースを落としてみて、本当に問題が起こるのか試してみる。
最後に:あなたが「楽にいられるペース」を大切に
「どこまで頑張るべきか」「どこからが無理なのか」は、人によって違います。
だからこそ、「自分にとってちょうどいい加減」を見つけることが大切 なのです。
もし、今「自分が無理をしているかどうかがわからない」と感じるなら、一度立ち止まって、自分の気持ちを確かめてみるのもいいかもしれません。
「手を抜いても大丈夫」「休んでもいい」—— そう思えるようになることで、もう少し楽に過ごせるようになるかもしれません。
焦らず、少しずつ。
あなたが「自分のペース」を見つけられますように。