【心配事の9割は起こらない?】未来のことを考えて不安になってしまうあなたへ

こんにちは。心理カウンセラーPocheです。

 

「この先どうなってしまうんだろう…」
「もし〇〇になったらどうしよう…」
「考えても仕方ないのに、ずっと不安が消えない…」

…こんなふうに 「まだ起こっていない未来のこと」 を考えて、不安になってしまうことはありませんか?

 

この記事では、なぜ私たちは未来のことを考えて不安になってしまうのか、そして 「今より少し気持ちが楽になるための考え方」 についてお伝えします。

 

なぜ未来のことを考えると不安になるのか?

未来のことを考えて不安になってしまうのは、決してあなたの「気の持ちよう」なんかではありません。実は、それには 脳の仕組み や過去の経験などが大きく関係しているのです。

今回は、4つの理由についてお話しします。

 

1. 人間の脳は「最悪の事態」を想定するようにできている

下記に挙げるのは、「不安」が膨らみやすいと相談に訪れた人の悩みです。あなたにも思い当たるものは、あるでしょうか?

「親の介護をしているのですが、これからもっと負担が増えると思うと不安でたまりません。今は何とかやれているけど、体力的にも精神的にも限界が来るのでは…と考えると怖くなります。周りに頼れる人もいないし、施設に入れる余裕もない。『このまま全部ひとりで抱え込むことになるのでは?』と考えると、毎日プレッシャーを感じてしまいます。」

「今の仕事は安定しているけど、将来どうなるかわからないのが不安です。会社の業績が悪くなったらリストラされるかもしれないし、スキルが足りなくて戦力外になるかもしれない…。周りの人は『そんなに考えすぎなくてもいいよ』と言うけど、『もしそうなったら?』と考え出すと止まらなくなってしまいます。」

「老後のことを考えると、不安が尽きません。今は生活できているけど、この先ずっとこのままの収入が続くとは限らないし、病気になったら一気にお金がなくなるかも…。節約しているつもりでも、物価が上がるたびに『このままで大丈夫?』と不安になってしまいます。」

 

私たちの脳は、もともと 「最悪のシナリオ」を想定するようにできています。なぜなら、それは 自分の身を守るための本能 だからです。

たとえば、昔の人類は 「この森には猛獣がいるかもしれない」「あの実は毒があるかもしれない」 というふうに、最悪の事態を想定することで生き延びてきたという背景があります。

実はこの「危険を予測して備える能力」は、現代でも働き続けています。だから私たちは、「まだ起こっていない未来のこと」に対して 不安を抱えてしまう のです。

 

「不安になりやすい自分はダメだ」と責めるのではなく「私の脳は、ちゃんと未来のことを考えて備えようとしてくれているんだ」 と、まずは受け止めてみてくださいね。

他者があなたを否定するなら、それこそ自分は否定しないでおきましょう。

 

2. 「不確実なもの」が苦手な脳の仕組み

私たちの脳は、「わからないこと」「確実でないこと」を嫌う性質があります。

たとえば、カウンセリングでよく聞かれるのは、次のような事例です。

 

「職場で同僚から『上司が呼んでたよ』と言われると、心臓がドキッとしてしまいます。特に何か悪いことをした覚えはないのに、『何かミスを指摘されるのでは?』『怒られるのでは?』と不安になってしまって…。実際に話してみたら大したことじゃないときもあるのに、呼ばれただけで気持ちがざわざわしてしまいます。」

これらの原因は、人間の脳が「答えがない状態」を苦手としている こと。

「未来」というのは、まさに 答えがない・わからないことの連続。だからこそ、「どうなるかわからない」という状況に対して、不安を感じやすくなる のです。

 

3. 脳は「考え続けること」で安心しようとする

未来のことを考えて不安になっている時、次のように「同じ不安をぐるぐると考えてしまう」ことはありませんか?

「こんな性格を変えたい」「こんな自分が嫌だ」とおっしゃる方は多いのですが、実はこれは「考えることで安心しよう」とする脳の働き でもあります。

でも実際には、「考え続けても不安はなくならない」どころか、むしろ 考えれば考えるほど、不安が大きくなってしまう ことが多いもの。

 

次に挙げるのは、実際に「不安になりすぎてしまう」ことに悩む人の相談例です。

「転職しようか迷っていて、毎日そのことばかり考えています。『今の職場に残るべき?』『でも、もっといい環境があるかも…』と、頭の中でシミュレーションを繰り返してしまいます。結局、考えれば考えるほど決められなくなり、どちらを選んでも後悔しそうな気がして、不安がどんどん大きくなっています。」

 

 

4. 幼少期の影響で「不安になりやすい思考」が身についている

未来のことを考えると不安になりやすいのは、幼少期の環境や経験が影響していることもあります。

たとえば、次のような経験があると、大人になっても「未来を過度に心配してしまう思考パターン」が身についてしまうことがあります。

 

親が過保護・過干渉だった
「子どもの頃から、親に『こうしなさい』『それは危ない』と常に指示されて育ちました。どんなことも親が先回りして決めてくれたので、自分で選択する機会がほとんどなかったんです。そのせいか、大人になった今でも『これで大丈夫かな?』『間違ったらどうしよう』と不安になって、なかなか自分で決断できません。小さなことでも親の意見を聞かないと落ち着かなくて…このままでいいのか悩んでいます。」

失敗に対して厳しい環境で育った
「子どもの頃、ミスをするとすごく怒られる家庭でした。宿題の字が汚いだけで『やり直し!』、テストの点数が悪いと『なんでこんなミスをするの?』と責められて…。そのせいか、仕事でも完璧にやらなきゃと思うあまり、異常に時間がかかってしまい、上司からは『もっと効率よくやれ』と言われてしまいました。どうしたら、もう少し楽に考えられるのでしょうか?」

親自身が心配性だった
「親がとても心配性で、『〇〇しないと将来苦労するよ』『そんなことしてたら大変なことになる』と、いつも最悪のケースを想定して忠告してきました。おかげで慎重な性格にはなったのですが、何をするにも『失敗したらどうしよう』『最悪の事態になったら?』と考えすぎてしまいます。もっと気楽に考えられたらいいのに…と思うのですが。」

 

こうした環境で育つと、「先のことを考えないと危険」「未来を完璧に準備しないといけない」 という価値観が無意識に刷り込まれます。

その結果、大人になってからも 「未来を考えないと不安」「何か準備しないと安心できない」 という思考のクセが続いてしまうのです。

 

未来の不安と、少しずつ付き合うために

もし今「不安で苦しくなっている」と感じているのなら、「今すぐに答えの出ないことを考えすぎてしまっていないかな?」 と、少し振り返ってみるのも大切です。

 

「未来のことがわからないのは、当たり前のことなんだ」
「不安に思うのは、脳がしっかり働いている証拠なんだ」
「答えのないことを考え続けると、逆に不安が増えてしまうんだな」

こうしたことを意識するだけでも、今より少し気持ちが楽になることがあります。

 

あなたは、もう十分に頑張っています。

どうか、「未来の不安」を抱える自分も、そのまま優しく受け止めてあげてくださいね。

【その気持ち、抱え込まなくて大丈夫です】

「ずっと誰にも言えなかった気持ち、抱え続けていませんか?」
「こんなことで相談してもいいのかな…」そんなふうに思う必要はありません。
あなたの気持ちを、誰にもジャッジされずに安心して話せる場所をご用意しています。
ひとりで考え続けるより、誰かと一緒に整理することで、もっと楽に前を向けることがあります。

メールカウンセリングのお申し込みはこちら

【書籍のご案内】

▼2025年1月・Pocheの新刊発売!▼

そのままのあなたで大丈夫

そのままのあなたで大丈夫

 

▼親が何故か『しんどい』と感じたら▼

親子関係に悩んで八方塞がりになってしまっている中で、これから自分はどうすればいいのかを示してくれる本。

『もしかしてうちの親って、毒親?』

もしかしてうちの親って、毒親? 毒親育ちかもしれないと思ったら

 

▼漫画でわかる!▼

今よりもっと自分らしく生きていく方法

今よりもっと自分らしく生きていく方法

 

▼ twitter ▼

▼ Instagram ▼

人間関係

Posted by poche