【親なら許される?】ブス!バカ!大人になっても「親の言葉」に悩まされる人へ
こんにちは。
心理カウンセラーPocheです。
今日の記事は、親からのひどい言葉、笑えないような冗談について。
- 子どもの頃、親から容姿について嫌なことを言われた
- オシャレをしたり化粧をすると、母親が嫌な態度をとる
- 親は自分が一番でなければ気が済まない
- 失敗するたび「バカだから」「どうせ私は」などと思う
- 容姿を褒められても、喜べない
- 鏡を見るのが怖い
- 数値的には標準的な体重なのに「デブだ」と思ってしまう
- 自分の体が嫌い
このようなことに当てはまるなら、子どもの頃に浴びせられた「ブス」「デブ」「バカ」といった、否定的な言葉が大人になったあなたを苦しめている可能性があります。
思考のクセは幼少期に作られるので、特に5~10歳頃に言われた言葉は特に強く残ってしまうのです。
あなたを不幸にするような子供時代のルールは、もう必要ありません。
そのための第一歩が、子どもの頃のルールに気が付くことです。
親があなたに植え付けてしまった「嫌な言葉」「おかしなルール」に気が付き、それを手放すための準備を始めましょう。
大丈夫。今からでも捨てられます。
遅すぎるなんてこともありません。気づいたところから、変えられます。何歳になっても、気づいた時がスタートです。
大人になったあなたを苦しめる「過去の嫌な言葉」
人の脳は、特に何も意識しなければ「子どもの時につくられたルール」をそのまま適用して生活します。
子どもの時に「あんたはブスだから」と言われたとすると、その内容がそのままルールとして適用され続け、大人になった時に「私はブスだから、きっと嫌われる」「ブスだから好きになってもらえない」というネガティブな思い込みを作り出してしまいます。
たかが思い込みではなく、「まるで現実」かのように心を支配して、あなたを苦しめ続けてしまいます。
次に挙げるのは、親から「ひどい言葉」を受けて育った人の例です。
(前略)……特に、この「鼻」が嫌なんです。子どもの頃から、両親は「お前だけ、鼻ぺちゃだ」と笑っていました。お酒を飲んで酔っ払った時なんかは、「お前みたいなブス、うちの子じゃない(笑)」と言うこともありました。もちろん本気じゃないのはわかっていますが、それでも傷つきました。
だから、大人になって、整形しました。もう、親が言う「鼻ぺちゃ(鼻が低い)」ではありません。頭ではわかっているのに、やっぱり自分の鼻が好きになれません。他の人に整形がバレるわけないのに、「鼻ぺちゃだって笑われるのでは」「鼻をバカにされるかも」という不安が、今も消えません。
「ありのままでいい」「自分を愛する」という言葉が流行っていますが、私は自分を愛せません。ありのままでいいと思えません。周囲が容姿を誉めてくれることもありますが、鏡を見るたびに自分が嫌になります。「どうせお世辞でしょ」「バカにしてるんだ」という感情が渦巻いて、怒りが湧くことさえあります。
親にとっては冗談だったとしても、子どもの心を傷つけることがあります。
顔は笑っていても、心が傷ついていることもあります。
たった一度のひどい暴言が心を傷つけることもあれば、日常的に言われる「心がチクッとするような言葉」が心を傷つけることもあります。
親の言っていることが事実だとしても、心は傷つきます。
その結果、どれだけ綺麗になっても、かっこよくなっても、素敵になっても……周囲が誉めてくれても、「それを褒め言葉」として素直に受け取れないこともあります。
褒め言葉を受け取れたとしても、「綺麗な自分にしか価値がない」「素敵じゃなくなったら嫌われるかも」という不安や恐怖が付きまとうこともあります。
子どもの頃に一番認めて欲しかった人(親)に、自分の容姿や性格を否定されるというのは、想像以上に心に深い傷を残すのです。
親だから許される?
- 子どもが調子に乗らないように、「ブス」だと言い聞かせて育てた
- 本当にデブだから、「デブ」と言っただけ
- 世の中に出て恥をかかないように、「バカ」だと教えてやった
- 冗談のつもりで「お前なんて」などと言った
親子カウンセリングを行う中で、上記のおっしゃられる親御さんが少なからずいらっしゃいます。もしかすると、同じようなことを親から言われたことがある方もいらっしゃるかもしれませんね。
このようなことを主張する親は、大きく2タイプに分けられます。
①自覚タイプ
子どもが傷つくことを知っていて、わざと傷つける言葉を投げかけていたケースです。
子どもを傷つけることで喜びを感じる、自分のストレスを解消するなど、親が子どもを傷つける動機はいろいろありますが、いずれにせよ子どものせいではありません。
※書籍『もしかしてうちの親って、毒親』をお持ちの方は、タイプ6残酷な親をご参照ください
このタイプの親が言う言葉は、事実ではないと思っていいです。
「だって本当のことだから」と親が言うこともありますが、悪意ある言葉をそのまま受け取らないでおきましょう。
子どもの頃は「親に言われた通りの自分」を受け入れてしまったかもしれません。いえ、その家で生きていくためには、親の言葉を受け入れるしかなかったかもしれません。
でもあなたは、親に言われた「その言葉通りの人」ではないのです。
②無自覚タイプ
「あなたのためを思って」という名目で、傷つける言葉を投げかけているケースです。
親側は、本気で「良い子育て」だと思ってやっていることが多く、誰かに非難されても動じません。
自分の子育てや対応を反省するのではなく、「あなたがちゃんとしていないから」「あなたのせいで」と、子どもの側を非難します。
※書籍『もしかしてうちの親って、毒親』をお持ちの方は、タイプ1子供に甘える親、タイプ4過干渉の親をご参照ください。
中には「悪意がありながら、無自覚を装う」親もいます。①と②の複合タイプです。
実はこのケースが一番厄介です。
イメージが付きにくいかもしれないので、いくつか例を挙げておきます。
テレビで可愛くもない子が「私可愛い!」と言っているのが痛々しい。大切な我が子には、そんな恥ずかしいことをしてほしくない。
だから子どもの頃から、「アンタはブスだ」と教えて、調子に乗らないようにしてきた。
自分(親)が勉強できずに苦労したので、息子には自分と同じようになってほしくなかった。だから「バカだ!」と何度も言って、教えてやった。あいつのために心を鬼にして言ってやった。
「そんな甘い考えじゃやっていけない」「そのままじゃどこに行っても通用しない」と、社会に出て苦労しないように、必要なことを厳しく教えてあげた。うちの父親のようにならないように、子どもにはいい教育を与えてきた。私のおかげで、子どもはいい会社に入って、結婚もできた。何の問題もない。
まず最初に、私の想いをハッキリとお伝えします。
親子だからという理由で、許される妄言はありません。
冗談だから、親子だから許されるということもありません。
子どものことを思っていれば、何を言っていいわけでもありません。
悪意があってもなくても、子どもの心に深い傷を残します。
そしてその傷は治ることなく、大人になってもその子を苦しめてしまうのです。
「親だから許される」なんていうのは、親側の勝手な理由です。
だから、親だからといって許す必要はありません。
あなたの心が狭いとか、そういうことではありません。親を許せないからといって、自分を責めないでください。
「そんなの冗談なのに、真に受けちゃって」と言うのは、親側の言い訳です。
冗談でも、言っていい事と悪いことがあります。
相手が傷ついた時点で、それはもう冗談ではありません。ただの「ひどい言葉」、暴言なのです。
本来なら無条件に子供を愛するはずの場所で、信頼できるはずの人から暴言を吐かれるのです。傷ついて当然です。
「あなたのためを思って」と言われることもありますが、これも親側のワガママです。
子どものためを思ってしたことで、子どもが傷ついていれば「子どものため」とは言えません。
それに気づけない時点で、それはもう「あなたのため(子どものため)」ではないのです。
親が、自分のために言った言葉、やったことでしかありません。
古いルールを手放す方法
- 失敗した時、「ほれみたことか!」と声が聞こえる
- うまくいかない時、「私はバカだから」と落ち込んでしまう
- 好きな人が出来た時、「どうせあんたは捨てられる」と聞こえて不安になる
- 誰かがこちらを見た時に、「ブスだ」「デブだ」と思っているように感じる
このように親から言われた一言が、ふとしたときに頭をよぎることはありませんか?
これこそが頭の中に残っている「古いルール」です。
まずはこの「古いルール」を見つけて、それが「今のあなた」に必要なのかを考えていきましょう。
必要のないルールは、どんどん捨てて、新しいルールを「今のあなた」が作ってしまえばいいのです。
1│古いルールを見つける
5~10歳ころまでの記憶で、今でも心に残っていることはありますか?
当時言われた言葉で、「嫌だったなぁ」と思い出せるものはありますか?
もしある場合は、紙に書き出してみましょう。
ふとした時に思い出したり、失敗したときに出てくることの方が多いでしょう。その都度、思い出した言葉を書き出すようにしてください。
これが、古いルールを見つけるための一番の近道です。
2│古いルールの中身を確認する
古いルールが見つかったら、その中身を確認していきましょう。
ルールを確認するうえで、チェックしてほしいことは5つあります。
① 何歳の頃のルールか。
② 誰に言われた言葉か、何と言われたのか。
③ 当時どう思ったか。それに対して、どう行動したか。
④ あなたの大切な人が「②」のように言われていたら、あなたは何と声をかけるか。
⑤ そのルールは、今も必要か。
イメージが付きにくい方もいらっしゃると思うので、実際にどのように考えを整理していくのか、具体例をもとにご紹介します。
【例1│母親からブスと罵られたケース】
① 何歳頃のルールか
7歳くらいの頃のルール② 誰に、何と言われたか
お母さんから、「ブスだからそんな服、似合わない」「ブスは何をしても意味がない」と言われた。③ 当時の気持ち
悲しかった。こんなブスな顔じゃなくて、可愛くなりたいなと思った。特に言い返せなかった。④あなたの大切な人が同じ目にあっていたら
「あなたはブスじゃないし、誰かにブスという人の方がどうかしている。何を着るのかは、自分で決めていい」と伝えたい。⑤そのルール(考え方)は今も必要か
もう必要ない。ブスだという思い込みは、ない方がいい。
3│新しいルールを作り直す
古いルールを見つけ、そのルールがもう自分に必要ないと判断したら、代わりに新しいルールを作ってみましょう。
ルールを作る時のポイントは、『~べき』『~しなきゃ』に縛られないこと。
一番いいルールは、あなたがあなたらしくあることです。
「ブスだから」「デブだから」「バカだから」というネガティブな思い込みルールは捨てて、「私は私」と思えるようになるのが第一歩。
「ブスだから」という理由で好きな洋服が楽しめていなかった場合。
「この洋服が好きだと思えば買う」というルールを作ってしまう。誰がどう思うかじゃなく、着たいかどうかで1度洋服を買ってみる。
おそらく、ルールを作る時に、「でも…」という言葉が脳裏をよぎると思います。
その時の「でも」が、自分の本心から出たものなら構いません。
注意してほしいのは「でも、お母さんは昔こう言った」「でも親はどう思うかな」といった、自分以外の誰かについて考えてしまう場合です。
これも「古いルール」が影響しているサインですから、最初の「ルール見つけ」に戻って、さらに書き出すところから始めましょう。
古いルールは、あなたが思っている以上にたくさんあります。
気が遠くなるような作業に思えるかもしれませんが、1つ1つ解決していけばどんどん減っていき、それに伴ってあなたはどんどん楽になっていきます。縛られるものがなくなっていきます。
あなたの人生だから、もうこれ以上、誰にも口出しさせないでおきましょう。
本当に「あなたが」悪かったのですか?
親から言葉の暴力を受けながらも、「私のためを思って言ってくれている」と思い込んで生きている人をたくさん見てきました。
「私が悪いからこんなことを言わせてしまうのだ」と自分を責めて生きてきた人も、たくさん見てきました。
でも、あなたが悪かったせいではありません。
親だからといって許されるものではありません。
どんな理由があろうとも、それらは言葉の暴力です。
それを許すも許さないも、あなたの自由です。
ですが私は、無理に許す必要はないと思っています。
親から言われた言葉が頭をよぎった時。
許す許さないということさえ悩まず、「もう、どうでもいいや」「もう、関係ないや」と感じるようになる。
そうなった時が、古いルールを捨てられた時です。
今はまだ、親の言葉に苦しめられているかもしれません。
でも大丈夫です。古いルールに気が付き、それと向き合うことさえできれば、不要なルールはだんだん薄くなっていきます。