「アナタが悪い」「私に尽くせ」と要求する『自己愛性パーソナリティ障害』の人々~毒親・親子逆転・モラハラ
こんにちは。心理カウンセラーPocheです。
今日お伝えするのは、「自己愛性パーソナリティ障害」について。
- 親とうまくいかない
- 配偶者とうまくいかない
- 会社の人とうまくいかない
- 友達とうまくいかない
その原因は、あなたのせいではないかもしれません。
あなたがどれだけ努力しても、『関係が改善できない人』がいます。
毒親、親子逆転、モラハラ、パワハラ、DV…。
このような人間関係のトラブルを引き起こす『加害者』が抱えやすい人格が、自己愛性傾向です。
あなたがどれだけ努力しても、どれだけ尽くしても、どれだけ親切にしても自己愛性傾向の強い人は満足しません。
与えても与えても不満です。もっともっとと、要求し続けます。
厄介なのは、トラブルの原因が「相手」にあるにもかかわらず、あたかも「あなたが悪い」かのように思い込まされてしまうことです。
自己愛性パーソナリティ障害とは
自己愛は本来、誰でも持っているものです。
でもこの自己愛性傾向があまりに強すぎる場合に、パーソナリティ障害と診断される場合があります。
「障害」という名前がついていますが、明確な基準はありません。本人か相手、どちらかが苦しんでいる時に「障害」となります。
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自己愛性パーソナリティ障害3つの例
自己愛性パーソナリティ障害にはいくつかの特長がありますが、今回はその中から3つお伝えします。
1.常に自分が一番
「○○したい」という自分の欲求をもつことは、自然なことです。
でも自己愛性パーソナリティ障害の人は、相手の欲求よりも『常に』自分の欲求の方が重要だと考えます。
相手の事情や状況などお構いなしに、『自分の○○したいを叶えろ』と言葉や態度で要求してきます。
いつも自分が特別でなければ、気が済みません。
<例:夫が自己愛人間のケース>
A子さんは、夫と2歳の息子と3人で暮らしています。
夫は「日曜日に公園に行く」と先週から計画していました。でもその当日、A子さんは体調が悪く、頭痛もありました。熱はありませんが、公園で楽しめるような状態ではありません。
A子さんが夫にそのことを伝えると、夫は激怒しました。「お前の体調管理がなってない。熱はないんだろう?気持ちの問題だ。さあ、行くぞ!俺がわざわざ計画を立ててやったのだから」と、公園に行くことをやめる選択肢はないようでした。結局A子さんは、無理して公園に行くしかありませんでした。
自己愛性傾向の強い夫にとって、大切なのは「A子さんの体調」ではありません。
「行くと決めたら行く」それだけです。自分が行きたいから、行くのです。
A子さんが無理して公園についてきてくれても、感謝しません。
なぜなら「自分の言うことを聞いてあたりまえ」だと思っているからです。A子さんが「来ない」という選択肢が、そもそもありません。
A子さんが次の日体調を崩したとしても、反省しません。
自分のせいだとは思わないからです。
このようなことが続くと、A子さんは「自分がおかしいのではないか」と感じるようになります。
加害者の夫があまりにも堂々と振る舞い、「お前が悪い」「お前がおかしい」というので、本当にそうなのではないかと思い込むようになってしまうのです。
2.相手をこき下ろす
「誰かに負けたくない」と思い、そのために努力するのは、自然なことです。
でも自己愛性パーソナリティ障害の人は、『そのための努力をしません』。
それにもかかわらず「誰かに負けたくない」という気持ちは人一倍強いので、妬みの対象をこき下ろします。
自分は努力せず、相手をこき下ろすことで、優位に立とうとします。誰かに負けることが耐えられないのです。
<例:職場の同僚が自己愛人間のケース>
B子さんは、下の子が中学生に入ったのを機に、『事務職』として働きに出ました。
計算が得意で頭の回転が速いことに加え、毎日の努力の成果もあって、上司からも「B子さんの仕事は早くて丁寧だから信頼できる!」と褒めらえることが増えました。
その頃から、急に職場の同僚からの嫌がらせが始まりました。「そんなやり方じゃダメ!」とB子さんのやり方に口を出したり、重箱の隅をつつくような指摘ばかりしてきます。さらに周りの人たちに、「B子さんは天狗になってる」「B子さんは自分が一番だと思っている」「B子さんは実力もないくせに上司に取り入っている」というような『嘘』を吹聴するようになりました。そのせいでB子さんは、精神的に参ってしまいました。
同僚は、B子さんが評価されるのが耐えられません。
自己愛性傾向の強い人は「誰かの株が上がれば、自分の株が下がる」と考えているからです。
だからといって、自分が努力しようとはしません。自分が努力してB子さんに勝つよりも、B子さんを貶める方が楽だからです。
そのためなら、どんなことでもします。B子さんがどんなにいい人であっても、努力家であっても、自分に親切にしてくれたとしても関係ありません。
このようなことが続くと、B子さんは「苛めらえるのは自分が悪いからだ」「もっと頑張らなければ」と自分を責めて追い込みます。
でも本当は、B子さんは悪くありません。頑張れば頑張るほど、自己愛性傾向の強い人の攻撃はひどくなります。
そのことに気がつかないままB子さんが努力を続けてしまうと、心や体を壊してしまいます。
でも、そのような状況になっても、自己愛性傾向の強い人は「悪いことをした」とは思いません。だから怖いのです。
3.特別扱いを求める
「愛されたい」と思うのは、自然なことです。
でも自己愛性パーソナリティ障害の人は、自分が『特別扱い』されないと気が済みません。
誰よりも愛されなければ不満だし、365日24時間自分を優先してくれないと怒ります。
「愛されたい」というよりは、「自分は愛されて当然だ」思っているので、愛してくれない人に敵意を向けます。
<例:母親が自己愛人間のケース>
C子さんは、お母さんの意見に反対することが出来ません。
子どもの頃から反対するたびに「誰に育ててもらったと思ってるの!」と怒鳴り散らされたり、「私の育て方が悪かったのね…」と罪悪感に訴えかけられたり、自分の言うことを聞くまで口を利かず徹底的に無視されてきたからです。それでもC子さんが従わない時には、友達や夫にまで手をまわし、C子さんが従うように仕向けてきます。
自分の意見を通して母親に攻撃されるくらいなら、『言うことを聞く方がマシ』だと思い込んで生きてきました。
自己愛性傾向の強い人が、『親』の場合が一番厄介です。
自己愛性傾向の強い親は、子どもを自分の一部とみなします。
他人のような、遠慮や配慮がありません。容赦なく攻撃を仕向けます。そこに「子ども」の人格はありません。
言うことを聞くのが、当たり前だと思っています。
だから言うことを聞かないと怒ります。言うことを聞くのが当たり前なので、子どもを褒めません。
親のために尽くすのが、当たり前だと思っています。
自分はそれだけの価値がある人間だと思っているので、尽くしてもらえないと怒ります。尽くしてもらって当然だと思うので、子どもに感謝しません。
子どもは親に恩返しするものだ、と思い込んでいます。
「育ててやった」と言って、子どもからお金や時間を奪います。子どもがお金や時間を捧げても、満足しません。それどころか「もっと寄こせ」と際限なく要求してきます。
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自己愛性傾向の強い人との付き合い方
自己愛性傾向の強い人とは、「一般的なコミュニケーション」が成り立ちません。
「どう伝えれば納得できるだろう」と考えるのも、無駄です。どう伝えても納得しません。
「自分を分かってほしい」と気持ちを伝えるのも、やめた方が良いです。
相手はそれを「自分への攻撃」だとみなして、あなたを責めてきます。
※モラハラ相手が自己愛性の場合には話し合いにならない為、弁護士など第三者を介した話し合いが必要なケースが多いです
親や配偶者が自己愛性傾向の強い人の場合、あなたの頭の中に『間違った思い込み』がつくられている可能性があります。
- 何か問題があると、自分のせいかも…と不安になる
- 不機嫌な人が傍にいると、何かしたかな?と落ち着かない
- 相手が無言の状態に耐えられない
- 自分よりも他人のことを優先してしまう
- やりたくないのに「NO」が言えない
このような悩みを抱えている場合は、一度ご相談ください。
その原因は「あなたの性格のせい」ではなく、「誰かに作られた思い込みのせい」かもしれません。
「思い込み」に気がつくことが出来れば、手放せます。
あなたを縛っている「苦しい思い込み」がなくなれば、今よりもずっと人づきあいが楽になるはずです。