「ダメな自分を変えたい」と思うあなたへ
こんにちは。心理カウンセラーPocheです。
今日は「ダメな自分を変えたい」と思うあなたに向けて、ブログを書いていきます。
※この内容はVoicyでも音声配信しています。
対面カウンセリング、メールカウンセリングともに一番多いのが「自分を変えたい」というご相談です。
自分を変えると言っても「(今の自分も好きだけど)もっと素敵になりたいです!」というのではなく、「(今の自分がダメだから)変わりたい」とおっしゃるかたが大半です。
「変わらなければ…」「変わりたいの変われない…」と、焦りや不安を抱えながら相談に訪れます。
今日お伝えしたいのは、自分を変えようとする時に起こりやすい『心の動き』についてです。
ダメな自分をあっという間に変える「スゴイ方法」については、書いてありません。
自分を変えようと思うと「どんなことが起こるのか」という心の動きについてお伝えしていきます。
「変えなきゃ」「でも変われない」と悩むあなたが、「変われない自分をこれ以上責めてしまわないように…」という思いを込めて書いていきます。
変えたい?それとも変えなきゃダメ?
「自分を変えたい」という言葉には、色々なきもちが隠れています。
「変えたいなぁ♪(変わったら、もっと楽しそう)」と思う人もいれば、「変えたい!(目標があるなど)」と強く決意を固めた人、「変えなきゃ…!(このままじゃ大変なことになる)」と焦りや不安からそう感じる人まで様々です。
あなたの「変えたい」は
どんな動機でしょうか?
自分のために「変えたい」と思いますか?
誰かのために「変えたい」と思いますか?
それとも、自分のために「変えなきゃ」と思いますか?
誰かのために「変えなきゃ」と思いますか?
あと2つ、質問しますね。
もしも世の中の人みんなが「そのままのあなたでいいよ」と言ってくれたとしても、「自分を変えたい」と思いますか?
あなたにとって大切な誰かが「あなたは変わらなくていいし、そのままでいてほしい」と言ったとしても、「自分を変えたい」と思いますか?
この2つの質問に自信をもって「自分を変えたい」と思えるなら、この先のブログは読まなくても大丈夫。
むしろ色々な情報が入ってくると、「変えたい」という強い決意さえ揺れ動いてしまうことがありますから。
「変えなきゃ」の罠
ここから先を読んで欲しいのは「そのままのあなたでいいよ」とみんなが言ってくれるなら、「変わらなくてもいいや」と思う『あなた』です。
さて。あなたは自分のどんなところを「変えなきゃ」と思っていますか?
- 決断が苦手なところ?
- 自信がないところ?
- 本音を言えないところ?
- 断われないところ?
- 人に頼れないところ?
- 人との距離感が分からないところ?
色々あるかもしれませんね。
でも、その「変えなきゃいけないところ」というのは、本当に変えたいところでしょうか?
こんな質問をすると「変えたいのだから、当たり前でしょう!?」と言われるかもしれませんが、「変えなきゃ」と思っているところが実は、心の奥では「変えない方が良いと思っているところ」だったということは案外多いのです。
本音が言えないことは「変える」べき?
例えば、「本音が言えないところ」について考えてみましょう。
自分の本音を言うということは、相手よりも「自分の気持ち」を優先することになります。自分の本音が、時には誰かを傷つけてしまうこともあるでしょう。
あなたのまわりに、「思ったこと(本音)をズバズバ言う人」はいませんか?
その人は、周囲の人を無意識に傷つけていませんか?周囲の人に、好かれていますか?
大切なことを1つ、質問します。
あなたは「その人」
のようになりたいですか?
この答えが「YES」なら、「本音を言える自分に変わりたい!」というのは叶えられます。
本音を言えるようになったら「こんな風になれる」という、理想のイメージがしっかり持てているからです。
でも、この答えが「NO」なら、話は少し変わります。
「変わりたいなら、やればいいだけ」「変わらないのは、本人の問題」「変わりたいのにやらないのは、甘えている」なんて辛辣な言葉がSNS上で飛び交うことがありますが、そんな簡単なものではありません。
アクセル(変えたい!という気持ち)と、ブレーキ(変えたらあの人みたいになる…)を同時に踏むような状態なので、『変えたいのに変われない』というモヤモヤや焦燥感を抱いてしまうのです。
「本音が言えない自分を変えたい」と思いつつ、本音を言えるようになることへのブレーキが働いているので、結果として身動きが取れなくなってしまいます。
このように「変わりたいのに変われない」の裏には、「実は変えたくないから、変わらない」というケースもあるのです。
このことに気がつければ「なんだ、変わらなくてもいいのかも」と思えるのですが、ここに気付き納得するまでが相当苦しいのです。
親の価値観が「変えなきゃ」に繋がる
別の要因がブレーキとなって働くこともあります。
それは、「親の価値観」が自分の中に入り込んでしまっている時です。やさしい子どもほど、強く影響を受けます。
例えば、親が子どもの頃から「しっかりしたあなた」を求めていたとしましょう。
親に認めてもらえるように頑張ったけど「それでもまだ足りない…」と感じたあなたは、「しっかりしなきゃ。変わらなきゃ」と思うかもしれません。
この時の「変わらなきゃ」は、自分のためのように思えますが実は親のためです。
親が求めた自分になるために、親のために「変わろう」としています。
親のために変わろうとするのが、ダメなのではありませんよ。
でも「なぜか変われない」のなら、心のどこかで「私は変わりたくないよー!」とあなたの本音が抵抗しているのかもしれません。
今回のケースなら、そもそも「私はしっかりしたいのか?」と自問自答することができます。
「しっかりしたいけど、なぜか変われない」と悩む人にこの質問をすると、実はのんびりするのが好きだったり、あれもこれも頑張るのではなく「ほどほどに力を抜いて過ごす」のが合っていることがあります。
リラックスするのは苦手だけど「ひとりでゴロゴロするのは好き」と言われることも多いものです。
このように親の価値観が影響しているケースでは、「変わりたいのに変われない」のではなく「自分を守るために変わらない」という選択をしていることもあります。
このことに気が付くと「変われない自分」を責めるのではなく、「変わらないを選んだ自分」に納得できるようになります。
すると「変わりたいのに変われない」と落ち込み悩むのではなく、「変わらなくていいから、変わらない」と自信を持てるようになっていきますよ。
変わる時の注意点
カウンセラーとして、「人が変化しようとする場面」に長年立ち会い続けてきました。
その中でまず感じるのが「180度の変化」をする人がとても多いということです。
※それが良い・悪いということではありません。
180度の変化と言われてもイメージしにくいと思うので、いくつか例を挙げてみますね。
- ダイエット中だから、「明日からお菓子を一切食べない」
- 禁煙のために、「明日からタバコは何があっても吸わない」
- ネガティブなニュースで心が落ち込むから、「今後SNSは一切見ない」
- 節約するために、「不要なものは一切買わない」
- 毒親にならないために、「親のような子育ては絶対しない」
これらがダメ、
というのではありません。
時には、180度の変化が必要な場面もあります。
でも180度の変化には、『逆転』のリスクもつきものなのです。
変化が大きい分、その反動や落ち込みも大きくなります。
例えば、「ネガティブなニュースで心が落ち込むから、今後SNSは一切見ない」について考えてみましょう。
これまで何かあればSNSを見ていた人が、「急に一切見ない」というのはなかなか大変です。ある日突然、「決意」だけで毎日の習慣をガラリと変えてしまう訳ですから。
強い決意をもって「一切見ない」を守り続けられる人もいますが、多くの場合『我慢の限界』がやってきます。
我慢の限界が来て見てしまった時に、「こんなこともある」「次からでOK」と思えるならそれはそれでOKです。
でも、自分に自信がない人ほど「ああ、見てしまった…」「せっかく頑張ったのに」「無駄だった」「やっぱり私は…」と自分を責めて落ち込んでしまいます。
繰り返しになりますが、180度の変化がダメなのではありません。
180度の変化をしたあとに、「続かなくて元に戻る」リスクが高いことを伝えたかったのです。
あなたがダメだからそうなるのではなくて、「どんな人もそうなりやすい」ことを知っておいて欲しいのです。
そうすれば、今までより「自分を責めずに済む」はずですから。
今回は「変える方法」について詳しくは割愛させていただきますが、一番リスクが少ないのは「ちょっとずつ変える方法」です。
180度ではなく、15度、30度…と変えていく方法です。
例えば先ほどの「SNSを見ない」を例に挙げるなら「このアカウントはミュート」とか、「トレンドトピックは見ない」、「家の中でSNSは見ない」など、少しずつ「見るリスク」を減らしていくこと。
「一切見ない」、という無理難題をいきなり自分に課さないことです。
やったことのないようなことを「やれ」「変われ」というのは、アイススケート未経験者に「トリプルアクセルを飛んでみろ」というようなものです。
そんなに自分に厳しくしなくてもいいんですよ。
「自分に厳しくしなくてもいい」という言葉でモヤモヤしたり、「自分に優しくしていい」と言う意味がよく分からない…!という人は、子どもの頃に「自分の気持ち」が言える環境だったか思い出してみてくださいね。
今まで意識してこなかっただけで、子どもの頃のあなたは相当頑張ってきたのかもしれませんから。
※「親」と「子どもを苦しめてしまう親」の違いについては、【>>過去の記事】からお読みいただけます。