みんなが楽しそうにしているのに、自分だけ居場所がない気がする —— 居場所のなさに戸惑うとき
こんにちは。
心理カウンセラーPocheです。
今日は、
「みんなが楽しそうに話しているのに、自分だけポツンと浮いている気がする…」ーそんなふうに感じるあなたに向けて、お話をしたいと思います。
「ここにいるのに、いないみたい」
「私は、ここにいても意味がないのかもしれない」
「私のことなんて、誰も気にしていないんじゃないか」
職場の休憩中、友人との集まり、家族の食卓の中でも——
自分以外の人が楽しそうに盛り上がっているときに、ふと湧いてくる『あの感覚』に悩まされる人は少なくありません。
周りの輪の中にいるはずなのに、どこか心がぽつんと離れてしまったように感じたり、誰かに傷つけられたわけではないのに、なぜか寂しくて不安になったり…。
「私はここに、いなくてもいいのでは?」「誰も必要としてくれていないのでは?」という感覚は、時に誰かに傷つけられたときと同じくらい、心に深く響いてしまうことがあります。
「居場所がない気がする」には理由がある
「居場所がないような気がする」
このような漠然とした気持ちを人に打ち明けた時、「考えすぎ」「気にしすぎ」と言われてしまうことがありますが、
こう感じてしまうのは、決して“気にしすぎ”でも、“心が弱い”からでもありません。
・会話の内容にうまく入れなかった
・話題が共感できないもので、ただ聞いているだけになってしまった
・相手同士が盛り上がっているのを見て、置いていかれたような気がした
こうした体験は、誰にでも起こるものです。
けれど、心の優しい人、感受性の豊かな人ほど、その“空気”を深く受け取ってしまうことがあるのです。
相談事例:「場にいるだけで、どっと疲れてしまう」
Hさん(30代・女性)は、友人のグループでの集まりが苦手でした。
会話の中に自分の話せることがなかったり、みんなが盛り上がっているのを見て、「私がここにいる意味ってあるのかな…」と感じてしまうことが多かったそうです。
それなのに、「参加しないと嫌われるかも」「断ったら気まずくなるかも」「途中で帰るのも感じが悪いよね」とぐるぐる考え込んで不安になり、気が重いまま毎回顔を出していたといいます。
Hさんの中には、「仲良くなりたい」という思いと、「居心地の悪さ」の両方が存在していました。
だからこそ、“場に合わせようとする自分”と“本当は疲れてしまう自分”の間で、ずっと揺れていたのです。
カウンセリングでは、「本当に居心地のよい関係って、どんなものだろう?」と一緒に探っていきました。
すると少しずつ、Hさんの中で「私は無理に盛り上がらなくてもいい」「静かに寄り添える関係の方が、自分には心地いい」という感覚が育っていきました。
「この居場所に合わせなきゃ」と思いすぎなくていい
人は誰しも、「その場に馴染めなかった自分」を責めてしまいがちです。
でも、本当に大切なのは「その場所に合わせること」ではなく、自分が自分らしくいられるかどうか。
もし、「ここにいづらい」「自分だけ浮いている気がする」と感じたのなら、それはあなたが「自分にとって安心できる関係を大事にしたい」と思っているサインかもしれません。
その場所が「今の自分に合っていない」ということを心が教えてくれているのかもしれません。
どんな心持ちでいれば、この不安はやわらぐの?
“居場所のなさ”に戸惑ったとき、少し意識してみてほしいのは…
「今、この場に“なじまない”自分でも大丈夫」と思ってみることです。
会話に入れない自分。
笑えなかった自分。
盛り上がっている周りを見て、疎外感を覚えた自分。
…どれも、あなたの自然な反応です。
だから、そのままの気持ちを、ジャッジせずにそのまま受け止めてみてくださいね。
そして「この場にうまく馴染めない私が悪い」のではなく、「今日は、この場が“たまたま”自分に合っていなかっただけかもしれない」と思ってみてください。
合う・合わないは、人との相性だけではなく、自分の体調や状態によっても変わりますから。
また、誰かに会う時に不安になりそうなら、次のように自分に言い聞かせてみるのも効果的です。
「今日は、私らしくいよう」
「この時間が過ぎればそれでOK」
このように考えることで頑張りすぎずに済み、心の中に少し余白が生まれるかもしれません。
最後に
みんなが楽しそうにしているとき、自分だけがポツンと孤立しているような気がする。
…その感覚は、あなたの心がまわりをよく見ている証でもあり、本当はつながりを大切にしたいという気持ちがあるからこそ、生まれるものです。
どうか、そのやさしさと感受性を責めないでいてあげてください。
そして、今はまだ見つかっていないかもしれないけれど、あなたのペースで話せる人、安心して居られる場所は、きっとあります。
その居場所がすぐに見つからないとしても、「こんなふうに感じてもいいんだな」と、まずは自分の心を守ってあげることから始めてみてくださいね。
必要ならば、そんな気持ちを一緒に整理する時間も、ここにはあります。
あなたが、自分の居場所を少しずつ育てていけますように。