「またマウントか…」もう振り回されない! 職場でのマウント対策3つ
こんにちは。心理カウンセラーPocheです。
今日の記事は、ご相談の多い職場でのマウントについて。
職場で同僚や上司からマウントを取られると、「またか…」と心が沈んでしまうことは多いもの。「離れる」「一切関わらない」が難しいからこそ、悩んでしまいますよね…。
ですが…
まず知っておいてほしいのは、その問題はあなたではなく、相手にあるということ。
この記事では、職場でのマウントに悩む方に向けて、少しでも心が軽くなり、負担を減らすための具体的なヒントをお伝えします。
職場で起こりやすいマウント
マウントとは、相手を下に見て自分の優位性を主張する行為のこと。
言われた側に不快感やストレスを与えることが多く、繰り返されると自信を奪われる原因にもなります。
一見すると「アドバイス」や「会話の一部」に見えがちなマウントも多く、「私の考えすぎかな?」「心が狭いのかな?」と、マウントを受け流せない自分を責めてしまう人も少なくありません。
相談事例で多いのは、次のようなものです。
- 「私は前のプロジェクトで成功したけど、まだ経験が浅いと難しいかもね。」
→ 自分の成功を引き合いに出し、相手の経験不足を暗に指摘。 - 「えっ? そんなことも知らなかったの? 普通、これくらい知ってるものだよ。」
→ 知識やスキル不足をさりげなく批判して優位性を示す。 - 「私ならこのタスク、半分の時間で終わらせるけど、あなたはじっくり派だもんね。」
→ 自分の効率の良さを強調し、相手を暗に「遅い」と批判。 - 「私は管理職としてこれだけ責任を背負っているけど、あなたはまだその段階じゃないよね。」
→ 自分のポジションを強調し、相手の立場を下に見ている発言 - 「仕事もいいけど、やっぱり人生って家族がいてこそ。あなたもそろそろ、考えた方がいいよ?」
→ 自分の価値観を押し付けながら、相手を未熟と見下す発言。 - 「えっ、まだ結婚してないの? 私は30までに家庭を持つって決めてたから、余裕だったけどね。」
→ 自分のライフプランの達成を強調し、結婚していない相手を暗に下げる発言。
マウントが起こる3つの原因
「なぜ、私にマウントするのだろう?」
「マウントされる私にも、何か問題がある?」
上記のように感じることはありますか?
結論からお伝えすると、マウントされるのはあなたのせいではありません。
ではなぜ、マウント行為が起こるのか…。相手側に生じている、3つの原因についてお伝えします。
1. 自己肯定感の低さによる補償行動
マウントを取る人の多くは、表面上は自信満々に見えるものの、心の奥底には自分に対する不満や劣等感を抱えていることが少なくありません。
この不安定な自己肯定感を埋めるために、他人を下げて自分を引き上げようとします。
つまり、自分の不安を消すためにマウントをとっているのです。
たとえば、自分のスキルやライフスタイルに自信が持てない場合、それを補うために他者を「まだまだ未熟」と見下し、優位性をアピールします。
2. 他者との比較を基準とした価値観
マウントを取る人は、物事の価値を「他人との比較」によって決める傾向があります。
自分がどれだけ成功しているか、幸せかを測る際に、常に他人を基準にしているのです。
この比較思考が強まると、自分が優位に立っていると感じられる状況を作り出さないと、不安に駆られるようになります。
この時、他者を下げることで「自分のほうが上だ」と思い込むことで安心感を得ようとします。
自分が頑張って優位に立たなくても、相手を下げることで、「結果的に自分の方が上だ」と感じられるからです。
3. コントロール欲求と不安の表れ
マウント行為は、相手を支配しようとするコントロール欲求の表れでもあります。
この背景には、周囲を自分の思い通りにすることで得られる安心感を求める心理があります。自分の言動が周囲に影響を与えていると感じることで、不安を和らげようとするのです。
また、他者に影響を与えられない状況に対して無力感を感じると、さらに支配的な態度を強める場合もあります。
このような人は、内心では自分の無力さや孤独感を抱えていることが多く、その隙間を埋めるために相手を下げる行動に出ます。
つまり、あなたが何かしたから「マウントを取られた」のではなく、相手側の事情で、相手のタイミングでマウントを取られているだけなのです。
マウントに対処するための3つのヒント
1. 冷静な対応を心がける
マウントを取られるとつい反論したり、言い返したくなるかもしれません。
しかし、感情的に反応することは相手の思うツボ。マウントを取る人は、相手の動揺や焦りを楽しむ傾向があるため、あなたが冷静さを保つだけで「拍子抜け」させることができます。
たとえば、相手の言葉に対して「そうなんですね」「へぇー」と軽く流すだけでも十分です。
ここでのポイントは、「相手を本気で持ち上げる必要はない」ということです。
むしろ、「それがどうしたの?」というニュアンスを含んだ反応が効果的です。こうすることで、相手のマウント行為のエネルギーが自然と減少していきます。
2. 自分の軸を保つ
相手の発言に振り回されず、自分の価値観や目標に集中することが大切です。
マウントを取る人の言葉は、往々にして表面的で偏ったものが多く、あなたの本当の価値を理解しているわけではありません。
「自分がどう感じるか」を大切にする意識を持つことが重要です。
たとえば、「Bさんが何を言おうと、それが私の評価に直結するわけではない」と思うだけでも気持ちが軽くなります。相手の評価軸で生きる必要はありません。
そもそも、マウントを取るような人の意見に価値を見出す必要があるのか、自分に問いかけてみてくださいね。
3. 境界線を意識する
マウントを取る人に対しては、必要以上に個人的な情報を開示しないことが有効です。
なぜなら、彼らはその情報を利用して新たなマウントを取る材料にする可能性があるからです。
たとえば、プライベートな話題や悩み事について話す際には、話す範囲を明確にし、「ここまで」と線引きをしましょう。
また、相手から深入りされそうになった場合は、「その話はまた今度にしましょう」と軽くかわすことで、自分の領域を守ることができます。
相手にマウント材料を与えないこと。相手に与える情報をあなたがコントロールすることで、マウント攻撃を防いでいきましょう。
悩む自分を責めないで
マウント攻撃に対し、「もっと上手く対応できたかも」と自分を責める必要はありません。
あなたがその場で冷静に対処しようと努力している時点で、すでに十分素晴らしいことです。
マウントにうまく対応できなかったり、心が掻き乱されて自分を責めてしまいそうな時には、「そもそもマウントを取る側が悪い」ということを思い出してください。
あなたは悪くありません。
今回ご紹介した3つのヒントは、どれも心の負担を軽減するために役立ちます。
とはいえ、マウントに関してはケースバイケース、相手との相性もありますから、対応に悩まれた時は信頼できる人や専門家に相談するのも一つの手です。
自分を守るためには距離を取る勇気も必要です。「相手の問題」と割り切り、自分にとって大切な人や時間を優先することを心がけてくださいね。