家族旅行が楽しめない?申し訳なさがある?それ、『隠れた親子逆転』かもしれません~毒親の影響
こんにちは。
心理カウンセラーPocheです。
今日の記事は、親との旅行が心から楽しめないと悩むあなたに向けて書いていきます。
- 旅行に行く数日前から、気が重い
- 旅行中は親の機嫌ばかり気にしている
- あなたが楽しむことよりも「親が楽しむこと」に気を遣う
- あなたが楽しくなさそうにすると、親が不機嫌になる
- 旅行中は親の話をずーっと聞かされる
家族旅行で毎回このように感じるのであれば、あなたと親の間に『親子の役割逆転』が起こっている可能性があります。
「せっかく連れて行ってくれたのに…」と親に申し訳なく思っている人や、「家族旅行を楽しめない私は冷たい人なのでは…」と罪悪感を感じている人に、今回の記事が届きますように。
そう願って書き進めていきます。
親子の役割逆転とは
子どもは親に甘えます。
でも親子逆転の場合は、親が子どもに甘えます。
「ねえ、お母さん聞いて」と親に話を聞いてもらったり、子どもが失敗した時に親が励ます関係が『親子』です。
「ねえ、○○ちゃん聞いて」と親が子どもに愚痴を聞いてもらったり、子どもが親の機嫌を気にしなければいけない関係が『親子逆転』です。
このように、親と子の役割が入れ替わってしまうことを『親子逆転』といいます。
※詳しくは【>>過去の記事】にまとめています。
なぜ親子逆転が起こるのか
親子逆転をする『親』は、その人自身が母親の愛に飢えています。
「お母さんに愛して欲しかった。だけど叶わなかった」という心の穴を、自分の子どもを使って埋めようとします。多くの場合は、無意識にそうなっています。
…私がここで言いたいのは、「お母さんにも事情があったから許しなさい」とか「お母さんもかわいそうな人だったんだよ」「あなたも我慢しなさい」ということではありません。
それはそれ、
これはこれです。
確かにあなたのお母さんは、十分に愛されてこなかったかもしれません。
つらい状況で育ち、愛情が欲しいという悲しみを抱えたまま生きてきたかもしれません。かわいそうな人なのかもしれません。
でも、お母さんが苦労したことと、あなたを苦しめることは全くの別問題です。
自分が苦労したから、子どもを苦労させてもいいのでしょうか?
自分の寂しさを、子どもの人生を奪ってまで埋めてもいいのでしょうか?
答えは「ノー」です。
優しい子ほど「なんとかしてあげたい」「笑顔でいてほしい」と、自分のことよりお母さんのことを優先するようになります。
頑張り屋さんな子ほど「しっかりしなきゃ」と、小さな体で責任を背負い込みます。
親子逆転の影響が強ければ強いほど「お母さんはかわいそうだから」「お母さんも苦労してきたから」と子どもは自分を抑え込んでしまうのです。
…よく考えてみて下さい。
子どもの頃のあなたは、苦労しませんでしたか?
子どもの頃のあなたは、我慢ばかりしていませんでしたか?
お母さんが苦労したり我慢したのと同じように、実はあなたも「苦労したり我慢してきた」はずなのです。
お母さんに同情してはいけない、と言っているのではありません。
お母さんをかわいそうだと思うがダメだ、と言っているのもありません。
お母さんのために何かしてあげるのがよくない、ということでもありません。
同情しても良いし、可愛そうだと思ってもいいし、お母さんを優先してもいいけれど、だからといってあなた一人が苦しみ続ける必要は無いということに気がついて欲しいのです。
「あなたが傷ついて当然」の理由なんて、どこにもありません。
親があなたを傷つけていい理由も、ないのです。
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家族旅行が楽しくない「たった1つ」の理由
「親」は、子どものために家族旅行を計画します。
子どもがしたいことを聞き、子どもが楽しめることを第一に考えます。
「親子逆転の親」は、自分のために家族旅行を計画します。
自分が小さい頃にしたかったことを「子どものための家族旅行」という名目で、叶えようとします。
だから旅行中に「わーい!」と子どもが楽しそうにしなければ、不機嫌になります。疑似的に子どもを喜ばせ楽しませることで、子どもの頃に叶えたかった欲求を満たそうとしているからです。
(多くの場合親は子のことに気がついていません。無意識です)
親子逆転の親にとって、家族旅行は「子どものため」ではありません。
実は、自分のための家族旅行なのです。
子どもはそれを感じ取ります。
だから「楽しませなきゃ」「楽しまなきゃ(フリでも)」「怒らしちゃダメ」と、頑張ります。
楽しくなくても、無理して嬉しそうにします。
親が喜んでいるのを見て「これでいいのだ」とホッとします。
楽しいはずの家族旅行が「楽しくない」のは、親のための旅行で、そのためにあなたが気を遣わなければいけないからです。
子どもの頃はその違和感に気がつけないし、気がついてもどうすることも出来ないので、「楽しい」と思い込もうとします。
その心の負担があまりにも大きすぎて、「楽しめない」だけです。
決して、あなたの性格が冷たいわけではありません。
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アレコレ買ってもらうのに親子逆転!?
目に見えて「親と子の役割」が入れ替わるものだけが、親子逆転ではありません。
次のようなケースも、実は親子逆転の1つです。
A子さんは、28歳。実家を出て一人暮らししています。
月に1回帰省すると、親はたくさんの食べ物を用意して待っていてくれます。そして一緒に買い物に行き、「これが似合う!」「これが可愛い」と言って、A子さんに洋服やアクセサリーを買うのが常です。
A子さんが「もういらないよ。買わなくて良いよ。服もアクセサリーも十分あるから」と言ってもなお、毎月のように買ってくれます。A子さんは断り切れず、毎回結局受け取って帰ります。
親が子どもに買い与える。
子どもは渋々でも受け取る。
一見すると普通の親子に見えるかもしれませんが、これも親子逆転の1つです。
A子さんは「もういらない」と言っています。
「いらない」と言っているのに与え続けるのは、「子どものため」ではありません。「自分のため」です。
お母さんが買いたいから、買っているだけです。
子どもが満足するかどうかではなく、「買ってあげている自分」が満足することだけを考えています。
「いらない」と断っても、「あなたのためを思って」と引き下がらない親がいます。
でも「あなたのためを思って」したことが子どもを苦しめているのなら、それは子どものためではなく「親のため」でしかありません。
今ここで「親のせいだ!」と、あなたの親を責めたいのではありません。
あなたが感じている親への罪悪感が、「本当は感じなくても良いものだ」ということを知ってほしいのです。
「自分を責める必要はない」ということを知ってほしいのです。
カウンセリングにおいても、「私は親に甘えているのでは…」という相談が多く寄せられます。
違いますよ。
甘えているのは子どもではなく、親の方です。
過干渉や過保護の親に育てられたケースが、特にこのような不安を抱えやすいです。
「もしかして…」という違和感があれば、一度ご相談ください。
カウンセラーとしての立場から、あなたが抱えている問題にアドバイスできることがあるかもしれません。
Poche