STOP毒親連鎖!「同じになりたくない…」そう願う『毒親育ちの親』に伝えたいこと
こんにちは。
心理カウンセラーのPocheです。
「自分はダメな子だ」「親が不幸なのは私のせいだ」と自分を責め続けている人に、「そうじゃないよ」「あなたは十分頑張ってきた」と伝えたくて、毒親に関するツイートを発信しています。
「親は親、子どもは子ども。それぞれの人生を歩んでいい。」が、私の信念です。
でもそれと同時に、日々感じていたことがあります。
それは、毒親のもとで育ち『親』になったあなたを『二重で』傷つけていないだろうかということです。
- 「自分の親は毒親だったのだ」と自覚するのと同時に、「自分もそうなのでは…」という不安を持ってしまうのではないか。
- 「毒親だから離れていいんだ」と安心するのと同時に、「自分の子どもたちも離れていってしまうのでは…」と怖くなってしまうのではないか。
毒親のもとで育ち、もう十分に傷つき悩んだあなたを、さらに苦しめてしまっているのでは…そう感じることがありました。悩まなくていい人こそが、悩んでしまう問題だからです。
「大丈夫、あなたは毒親になっていないよ」と声をかけたくなったことも、数えきれません。
(コメントをお休みしているので個別にお返事できなくて申し訳ありませんが、ツイートやコメントは全て拝見しております。ありがとうございます。)
カウンセリングの場においても、毒親じゃないのに「毒親かもしれない」と悩む親たちが増えてきました。
毒親に悩み苦しんだことを自覚できたからこそ、「そうなってはいけない」と強く感じでいているでしょう。ふとした時に毒親と同じ言葉を発したり、思考がよぎったりすると「血がつながっているのだ…」と怖くなるという方も多いです。
だけどきっと「自分は毒親なんじゃないか」と不安になってしまうほど、子どもの頃に寂しくて辛くて、悲しくて…愛して認めてほしかったのですよね。
今日の記事は、そんな毒親のもとで育ち『親』になったあなたに向けて書きました。
このような悩みをお持ちの方に、届きますように。
- 自分の親(毒親)のようになりたくない
- 自分も毒親になるのでは…と怖い
- ふと気がつくと毒親と同じことをしてしまっている
- 毒親育ちで、どんな子育てをしたらいいのか分からない
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毒親は連鎖する?
今日の本題、「毒親は連鎖するのか」について私なりの考えをお話ししますね。
正直なところ『連鎖しやすい』と思います。
「自分の親が毒親だったが、その親もまた毒親育ちだった」というケースは、非常に多いです。
ですが、必ずしも連鎖するとは限りません。
親が毒親でも、自分の代で断ち切った人をたくさん見てきました。支えてきました。
大丈夫。
あなたは、
そうならない道を選べる。
だってこの記事を読んでいるあなたは、「毒親になっちゃダメだ」「毒親になりたくない」と思っているでしょう?
「もう私は毒親だ…」と感じているとしても、「抜け出したい」と思っているでしょう?
毒親は、自分が一番大事です。
だから世間体を気にします。
まさか自分が毒親だなんて自覚していないし、自覚していたとしても「そうさせた子どもが悪い!」とあなたを責める。自分の気持ちが最優先なのです。
でもあなたは違う。
自分が受けた苦しみと戦いながらも、子どものことを守ろうとしている。傷つけたくない、傷つけちゃダメだと思えているから。
毒親の連鎖は、止められます。
あなたは自覚して、そうならないように前に進もうとしている。だから、大丈夫。
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あなたはどっち?毒親連鎖2つのタイプ
これまでの経験上、毒親連鎖には2つのタイプが見られます。
1│同じタイプの毒親連鎖
自分の毒親と、同じタイプの毒親になってしまうケース。
「親が毒親だった」と気がつくのが遅かった方や、「自分と毒親は違う!」と強く感じている方にみられやすいです。
「毒親だった」と気がつくのが遅い場合、今まで自分が育った環境が「異常だったのかどうか」がわかりません。
殴られたこと、蹴られたこと、否定されたこと、暴言を吐かれたこと…それが「あたり前」だと思って耐えて育ち、それ以外の方法を知らないので、無意識に同じようなことを繰り返してしまうことがあります。
「これをされて嫌だった」「やっちゃダメだ」と思いながらも、それ以外の方法が思いつきません。
ふと我に返った時に、「これじゃ自分も毒親と同じじゃないか…」と自分を責めてしまう人が多いです。だからといってどうすればいいのか分からず、自分をますます追い詰めてしまいます。
2│逆タイプの毒親連鎖
自分の毒親と、逆のタイプの毒親になってしまうケースです。
早い段階で「親が毒親だった」と気がついた方、「毒親のようになるのでは…」と強い不安を感じている方にみられます。子どもの頃に、罪悪感を植え付けられている場合が多いです。
「無関心タイプ」の毒親を持つ子どもが「過干渉タイプ」の親になったりします。
自分は放っておかれて寂しかった。だから我が子には同じ思いをさせたくない。1から10まで知ってあげたい、お世話してあげたい…子を想う気持ちが、子どもにとって負担になってしまうケースです。
このように「自分がされて嫌なことはしない」という人として大切な心掛けが、毒親のケースでは極端に働いてしまうことがあるのです。
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あなたの親はどれ?│毒親3タイプ
毒親連鎖の傾向は、『同じタイプの毒親連鎖』と『逆タイプの毒親連鎖』の2つに分けられます。
「自分はどちらのタイプなのか分からない…」という方は、まずは自分の親がどの毒親タイプがったのかを把握しておくといいでしょう。
それぞれの毒親を持つ方に向けた、子育てのアドバイスも記載しています。
タイプ1.支配・コントロール
子供を自分の『所有物』のようにして扱い、一人の人間として認めないケースです。
夫婦仲は冷え切っているけど離婚しない、親子仲良しに見せかける、幸せアピールをする、外と家で態度が全然違うなど、子どもより世間体が大事という傾向がみられます。
周囲からは『良い親』『子供想いの親』として見えやすく、誰にも相談できなかったり、相談しても分かってもらえず悔しい思いをした…と悩む方が多いです。
どんなに頑張っても親の期待に応えられない場合、親に見捨てられたように感じる子供もいます。
言い方は悪いですが、このタイプの親にとって、子供は自分を飾る『アクセサリー』のようなもの。思い通りのアクセサリーでなければ、必要ないのです。
さらに「アレだめ、コレだめ」と禁止事項が多かったり、「その子とは友達にならない方がいい」などと親の主観で交友関係に口を出したり、自分の思い通りにならないと急に怒り出したり泣いたりします。
子供は親の期待に応えようと『親の理想の子供』を演じます。愛してもらうためには、そうするしかないからです。
自分を封じ込めて、「親の求めるいいこ」を演じようとします。
その過程で自分の気持ちを押し殺したり、やりたいことを我慢するようになるため、大人になった時に自分の好きな事・やりたいことが分からなくなるのも特徴の1つです。
自分より親を優先するのが当たり前になっているので、我慢に慣れています。
「好きにしていいよ」と言われると戸惑います。「何が食べたい?」と言われると「相手は何を食べたいのかな?」と考えます。子どもの頃の辛い経験から「自分の意見を言うより、相手の意見に合わせる方が楽」だと感じるケースは多いです。
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>>毒親育ちは甘えている?毒親から抜け出す5ステップ
一概には言えませんが、カッ!となって怒る時に『同じタイプの毒親連鎖』が起こりやすい方が多いように感じます。
怒りは瞬発的にワッ!と溢れてくるものなので、とっさの感情・行動を制御するのは至難の業。
殴る・怒鳴るという行動を理性で抑え込めたとしても、「父親と同じような自分を感じた」「母親の般若のような顔を思い出した」と悩むケースは非常に多いです。
『怒ると叱る』は違います。
カウンセリングでは実際の状況をお伺いしながら、「出した方がいい怒りなのか」それとも「一時的に抑えた方がいい怒り」なのかを一緒に考え解決してくことになります。
さらに「子どもには幸せになってほしい」「私のようになってほしくない」という思いが強すぎる場合も、注意が必要です。
これまで「あれをしなさい」「これをしなさい」「あれはダメ」「あの友達はやめなさい」と言われてきたので、子どもにあれこれ指示しそうになるかもしれません。正しい指示を出すことが、子どものためになると思ってしまうかもしれません。
親が良いと思うもの=子供にとって良いものとは違います。
明るくハキハキした性格にしてあげたいと思っても、その子の気質は違うかもしれません。
勉強できた方が将来の選択肢は多いですが、その子の人生はその子のものです。
(高校・大学は、学費のこともあるので簡単には割り切れるものではありませんが…)
「この子を救わなきゃ」「ちゃんとした子に育てなきゃ」というプレッシャーは、毒親と同じ支配・コントロール型の連鎖に繋がりやすいです。
その子はその子。
ありのままでいい。
この気持ちをベースに、強く信じてあげてください。
何かが出来ても出来なくても、「あなたは大丈夫!それでいい!」と受け止めてあげてください。
失敗しても怒られない。失敗しても受け止めてくれる場所がある。失敗しても嫌われない。
それが子どもにとって何よりもの自信になり、勇気に繋がりますから。
タイプ2.無関心・世話しない
親としての最低限の義務を果たさないケースです。
食事を与えない、学校に必要なものを揃えない、言葉をかけない、話しかけても無視をする、体調が悪くても世話をしてもらえない…といった傾向が見られます。
いつも無関心なのではなく、必要以上にかまってくる場合もあります。
親の気分や状態によって態度がコロコロ変わるので、恐怖を感じたり遠慮したりして、子供が自分のことを何も言えなくなってしまいがちです。
その他、お兄ちゃんには何でも与えるのに弟には無関心など、兄弟姉妹で態度が大きく違うことも多いです。
女の子の場合、『性』に関することを極端に拒否する母親もみられます。
子供が幸せになることに嫉妬したり、自由にオシャレを楽しむことを喜べません。自分(親)が1番でないと気が済まないからです。
生理を放置されたり、「ブラジャーを買ってもらえない」「下着はお姉ちゃん(従妹)のおさがりをもらっていた」というケースもあります。
精神的に支配をする範囲を超えて、育児放棄・体罰がみられることも多いです。
一概には言えませんが、『逆タイプの毒親連鎖』が起こりやすいように感じます。
親としての義務を全うしなければいけない、親にしてほしかったことを子どもにしてあげたい…このような気持ちを強く持つ方が多いです。
問題は『どうしてあげたらいいのか分からない』ということ。
親から必要な愛情を受けとっていないので、何をどうすればいいのか迷います。育児書やネットの情報を片っ端から調べて実践しても、これでいいのか不安になります。
カウンセリングではこの点も踏まえ、「自分がしてほしかったこと」「してあげたいこと」のバランスをみていきます。「これは毒親でしょうか?」という不安が大きくなる前に、ひとつひとつ消化していきます。
タイプ3.不幸アピール・親子逆転
このタイプは、いかに自分(親)が可愛そうかをアピールし、子供に心配させ、世話を焼かせるよう仕向けるのが特徴です。
親と子供の役割が逆転してしまうケースもあります。
親の愚痴や不満を延々と聞かせて、自分(親)がいかに正しいかを子供に認めさせようとするのです。
(子供が自分を認めないという選択肢は、親の頭の中にありません)
少しでも嫌な態度をとると「育ててやったのに!」「恩知らず!」「あんたまで私を責めるの!?」などと、小さな子供のように急に泣き出し怒り出します。
そのため子供は、常に親の機嫌を伺いながら生きていくことを強いられることになります。
「子どもは私(親)のことが好きだ」「私(親)のためならやってくれるはず」と思い込んでおり、罪悪感を持たせるようなことを言うのが得意です。
「あなたのためを思って・・・」「愛しているからこそ言うのよ」など愛情を盾にしたり、親に逆らうことは裏切りと決めつけます。親の考えに従わないと、「ダメな子」だと思い込まされます。
「○○してやったのに」と恩着せがましいことを言う、「○○ちゃんの家は仲良しなのに…」と自分はかわいそうだとアピールするなど、子どもに罪悪感を植え付けてコントロールしようとします。
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厄介なのは、結婚してもこの関係から抜け出せないケースが多いこと。
親子逆転がみられる場合、子供は親を「自分の子供のように」支えて長い間生きてきています。そのため、「親を見捨てるようなことはできない」と強い罪悪感をもってしまうのです。
しかし結婚しても親は、あなたを独占し続けようとします。
何十件も残る着信履歴、断っても会いに来る日々…その結果「自分の家庭」がうまくいかないと訴えるクライエントは少なくありません。親か夫かを選ばなければいけなくなり、結局離婚してしまうこともあります。
一番連鎖しやすいのが、このタイプの毒親をもつケース。
同じタイプの毒親連鎖はもちろんのこと、違うタイプの毒親連鎖も起こりやすいです。
あなたは旅行に行く時に「お母さんはどう思うかな?」と思ったり、仕事を辞めたいと思った時に「親はどう言うだろう」と不安になったり、LINEや電話を無視するのが怖かったりしませんか?
ひとつでも当てはまる場合は、子育てにも少なからず影響を及ぼしているでしょう。
この手の毒親は子どもの心に「罪悪感」をしっかり植え付けているので、あなたが何をするにも親のことが頭をよぎります。
苦しいと思います。責任感で押しつぶされそうになると思います。
この場合のカウンセリングは、とにかく話を聞きます。
今まで言われたこと、引っかかっていること、子どもに言ってしまったこと…どんな小さいことでもいいので、可能な限りすべて話してみてください。そのすべてにお答えします。
大切なのは
「自分」を知ることです。
親に「ダメな子だ」と言われたからそう思い込むのではなくて、「出来ている」こともちゃんと認めてあげる。第三者の立場から見て、あなたがどれだけ頑張っているかを伝えます。
褒められ慣れていないと、受け入れられないかもしれません。受け入れられるようになるまで、何度もお伝えします。
子育て真っ最中の場合は、「これは毒親なのか?」という不安が生じた時に教えてください。
「長女なんだから!と言われて育ったのが嫌だったのに、つい同じことを言ってしまう」とか、「あんたなんていなければ!」という思いが頭に浮かんできて辛いなど、何でも構いません。守秘義務は守りますから、誰にどう思われるかと不安に思う必要もありません。
(メールカウンセリングの場合は、1週間分書き溜めておいたものをまとめて送っていただいてもOK)
大切なのは一人で抱え込まないことです。
ただでさえ罪悪感を強く持ちやすい方が多いので、小さな不安のうちに解消していきましょう。
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毒親になるのでは…と悩む『毒親育ち』
20年以上前は、「毒親」という言葉さえ認知されていませんでした。
これまで親子問題といえば、「子どもが言うことを聞かない」「子どもが学校に行かない」という内容がほとんど。思春期を迎えた子どもを持つ、親御さんからの相談が圧倒出来でした。
その根底にあるのは、「子どもを変えたい」という思い。
自分の子育てが良くないのではとか、自分は毒親なのではといった相談は、数えるほどしかありませんでした。
それがここ10年ほどの間に『毒親』という言葉が浸透し、ここ数年でカウンセリングの相談件数は急増。
内容も、大きく様変わりしました。
毒親になりそうで怖い。
自分は毒親か?
これまで親は絶対的な存在で、「親が言ったことは正しい」という世の中の流れがありました。だけどここ数年で「親も完璧じゃない」「親が子供の心を傷つけることもある」という事実が、少しずつ表に出てきたのです。
この流れそのものは、とても良いと思います。
問題は、本来なら「悩まなくていい人」が悩んでいるケースが増えていることです。
- 毒親の記憶が辛すぎて、子育てに自信を持てない。
- 毒親の言葉が頭をよぎって、子育てが怖い。
- 毒親の影響が強すぎて、不安に押しつぶされそうになる。
毒親じゃないのに「私は毒親だ」と思い込んでいる人も増えてきました。
「毒親のようになっちゃいけない」と強く思い、子どもを大切にしている人ほど、その傾向がみられます。
それとは紙一重で、毒親と「逆のタイプの毒親」になってしまう方もいます。
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毒親は連鎖するのか?
この差を分けるのが、相談できる相手がいるかどうかです。
- 「この子育てでいいのだろうか」
- 「私は毒親のようになっていないだろうか」
この時に不安な気持ちを吐き出せるような、信頼できる相手がいると毒親は連鎖しにくいです。
話す相手がいない、信頼できる相手がいない場合は、メールカウンセリングを利用してみてください。
私が、ひとつひとつ話を聞きます。
特に子育てに関しては、「こんな細かすぎること人に話すなんて…」という内容に、重要なポイントが隠れていることもあります。日々重なるイライラの原因や不安は、小さな部分に隠れていることが多いです。
メール1通の中に、不安な出来事を詰め込んでください。どれだけ相談しても、文字数が何文字でも、1通は1通としてカウントしますから遠慮しないでください。
大人になった今、あなたは毒親の何に影響され、どんな言葉を思い出し、何に苦しんでいるのか。
それが分からなければ、子育てにどのような影響を及ぼしているのかが分かりません。無意識に毒親が連鎖してしまうかもしれません。
あなたが毒親から抜け出すことが、毒親連鎖を止める一番の方法です。
あなたはこれまで、もう十分に耐えて努力して頑張ってきました。
「自分は毒親なんじゃないか」と不安になってしまうほど、毎日辛かったのでしょう。寂しかったのでしょう。認めてほしかったのでしょう。
「子育て中なのに、自分のことを相談するなんて…」と思わないでください。
毒親育ちの子どもに必要なのは、まず『自分と親の問題を解決する事』です。
そうすることで、今の子育てが楽になります。
罪悪感から抜け出せます。毎日自分を責めて落ち込まなくて済むようになれば、今より少しラクになるはずです。
Poche
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