親の期待や干渉に縛られたまま生きる苦しさから、自分らしさを取り戻すには
こんにちは。
心理カウンセラーPocheです。
親に喜んでもらいたい。
がっかりさせたくない。
褒めてほしい。
怒られたくない。
…だから、ずっと親の望むように頑張ってきた。
あなたにも、そんな経験はありませんか?
本当は嫌だけど、従わなければいけない…。
自分の意見を言っても、否定される。
聞いてもらえない。きっと分かってもらえない…。
そんな日々を積み重ねるうちに、気がつけば「自分の本当の気持ち」が分からなくなっていきます。
自分らしさが分からない。
自分のしたいことが分からない。
自分で決められない。
そんなふうに悩みを抱えることがあるかもしれませんが、
そんなあなたに伝えたいのは、「あなたは決して悪くない」ということです。
親の干渉が心に残すもの
幼い頃、親の言葉はとても大きな力を持っています。
「これをしなさい」「そんなことはやめなさい」と繰り返し言われ続けると、自分の気持ちよりも親の意見を優先することが当たり前になってしまうのは自然なことです。
親は、あなたのことを思って言ったのかもしれません。
あなたを困らせよう、苦しめようとは思っていなかったのかもしれません。
※子どもを苦しめようとする親もいますが、ここでは『過干渉な親』にしぼってお話を進めます。
でも、ここで重要なのは
「親の動機」ではなく
「あなたがどう感じたのか」です。
あなたの感じたものが、心の癖を作ります。
たとえば、自分が本当にどう感じているのかを後回しにする癖がつき、次第に自分の気持ちすら分からなくなってしまうことがあります。
でもこれは、あなたの性格によるものではありません。
そうせざるを得ない環境で、子どものあなたが必死に順応した結果なのです。
生まれながらの性格を変えるのは、なかなか大変です。
でも「環境に適応するために身につけた思考の癖」なら、大人になったあなたが変えていけます。
大丈夫ですよ。
自分の本音がわからなくなる理由
長い間「親の期待に応える自分」でいることが習慣になっていると、自分自身の望みや好みを見失いやすくなります。
何が好きなのか、何を望んでいるのか―
それがわからないのは、あなたが悪いからではありません。
親の望みを優先することが「当たり前」になっていたから、「今はまだ分からない」だけ。
自分より親の気持ちを優先してきたからこそ、自分の気持ちについて考えることに「まだ慣れていない」のかもしれません。
決してあなたが悪いわけではなく、ただ、自分の気持ちを長い間置き去りにしてきただけなのです。
少しずつ自分に問いかける
自分の本音を取り戻すには、まずは日常の中で小さな問いかけをしてみましょう。
たとえば…
「今、私は何が食べたい?」
「どんな服を着たい?」
「今日は、どんな気分?」
このように、ささやかなことで構いません。
いきなり答えを出そうとする必要はありません。
ほんの少し、心の声に耳を澄ませること。「こうかな?」「なんとなく」という気持ちを大切に感じること。
…それだけでも、少しずつ自分の感覚が戻ってきます。
ノートに書き出したり、スマホに打ちこんでみたり、ひとりごとでも大丈夫。
自分の気持ちを言葉にすることで、自分の本音を実感しやすくなっていきます。
親と自分の間に境界線を引く
親の価値観と自分の気持ちが違っても、それは自然なことです。
たとえば、「こんな仕事をしたい」と思ったとき、
親の価値観が強く影響していると、「親はきっとこう言うだろう」「こっちの方が親に喜ばれそうだ」と、つい親の考えが頭をよぎってしまうことがあります。
ここで大切なのは、「でも…私はどう思う?」と、もう一度自分に尋ねること。
「親はこう思う。でも私はこう感じている」と、自分の感情を受け止めるだけでも、少しずつ心に余裕が生まれます。
すぐに親の影響を手放すことは難しいかもしれません。
だからこそ、まずは自分で選べる小さなことから始めてみましょう。
たとえば、今日着る洋服を自分で決めるだけでも良いのです。
その小さな選択の積み重ねが、やがて「私はこうしたい」と思える力につながっていきます。
ひとりで抱え込まないことも大切に
こうした親子関係の影響や長年の思い込みは、自分だけで整理するのは難しいものです。
特に「親に合わせなきゃ」という気持ちが強いほど、親を大切にしてきた期間が長いほど…
自分を優先することに罪悪感を覚えやすいものです。
そんなときは、ひとりで抱え込まず、安心できる誰かに気持ちを打ち明けてみましょう。
誰かに話すことで、これまで気づけなかった本音や、新しい視点に出会えることもあります。
心を少し軽くするために、そっと誰かの力を借りるのも、あなたが自分らしさを取り戻すための優しい一歩です。
親の期待に応え続けてきたあなたは、きっとずっと頑張って生きてきました。
だからこそ、「もっと自分の気持ちを大切にして生きてみたい」「親の影響から少しずつ離れてみたい」と感じるのは、とても自然で大切な心のサインなのです。
答えを急ぐ必要はありません。
少しずつ自分の気持ちに耳を傾け、「私はこうしたい」を大切にしていきましょう。
あなたは、あなたのままでいていいのです。
これからは、そんな自分を優しく受け入れながら、少しずつ自分らしさを取り戻していけますように。
誰かを大切にできるあなたには、「大切に思う心」があります。
これからはその優しさを少しずつ、自分にも向けていけますように。