「感情の波が激しい…」——それ、“前頭前野”の疲れかもしれません
こんにちは。
心理カウンセラーPocheです。
・ほんのちょっとしたことで、すぐイライラしてしまう
・感情が抑えきれずに爆発して、後悔する
こんなふうに、感情の波に振り回されるように感じて、苦しくなることはありますか?
「私って気分屋なのかな…」
「心が不安定なのは性格のせい?」
そんなふうに悩んだり落ち込んだり…自分を責めてしまう方、実はとても多いんです。
でも、実はこの“感情のコントロールのしづらさ”には、脳の状態が大きく関係していることがあります。
感情のブレーキ役“前頭前野”とは?
私たちの脳には、「前頭前野(ぜんとうぜんや)」と呼ばれる部分があります。
この前頭前野は、思考を整理したり、行動をコントロールしたり、感情を調整する働きをもっていて、いわば“心のブレーキ”のような役割を担っている場所です。
ですが…
この前頭前野、とても疲れやすいという特徴があるんです。
仕事や人間関係、家庭のこと…現代の私たちは、頭の中で常にいろいろなことを考え、我慢し、気を配りながら生きています。
そうした日々の中で、前頭前野がオーバーワークになってしまうと、感情のコントロールがうまくいかなくなってしまうのです。
すぐ怒ってしまうのは、なぜ?
たとえば——
・いつもはスルーできるような相手の言動に、強くイラッとしてしまった
・子どもの些細な言葉に、思わずきつく言い返してしまった
・気づいたら泣いていた、落ち込んでいた…
そんなことがあると、「私、どうしちゃったんだろう」と思ってしまうかもしれません。
でも、それはあなたが“おかしくなっている”わけではなく、心を保とうとがんばってきた証拠かもしれません。
心のブレーキ役である前頭前野が疲れていると、理性よりも先に感情があふれてしまいます。すると「あとになって後悔する」ような行動に出てしまうことも…。
でもそれは、身体が「そろそろ限界だよ」と教えてくれているサインとも言えるのです。
「自分でもよくわからない怒り」に悩んでいたMさん
Mさん(30代・女性)は、「最近とにかくイライラが止まらない」とカウンセリングに来られました。
職場での些細な一言、パートナーの言い方、電車の中での小さなストレス…。
以前なら気にしなかったようなことで感情が爆発し、「もう限界かもしれない」「周囲にも、こんな自分に疲れてしまった」と落ち込んでいる様子でした。
カウンセリングでは、まず「何を感じていたのか」だけでなく、「最近どれだけのことを頑張っていたのか」にも目を向けました。
するとMさんは、「考えてみたら、ちゃんと休んでいなかったかも」「仕事も家庭も全部背負いすぎてた」と話してくださいました。
気づけば、感情が乱れている原因の多くは、“自分を守る余白”がなかったことにありました。
次のような言葉とともに、Mさんの表情がふっとやわらかくなりました。
「私、怒りたくて怒ってたんじゃないんです。今は、ただひと息つきたいだけなんだって思えたら、ちょっと泣けました…。思ってたより私、頑張れてたのかな。そう思ってもいいんですね。」
感情の波があるのは、ちゃんと生きている証
私たちは、感情の起伏があると「これじゃいけない」と思ってしまいがちです。
でも、感情が動くということは、ちゃんと人や出来事に向き合っているという証でもあります。
「またイライラしてしまった」
「気分の波がしんどい」
そんなふうに感じても、どうかそれを否定しないであげてください。
まず試して欲しいのは、がんばり続けた前頭前野(脳)を、そっと休ませてあげること。
例えば、「ちょっと疲れてるだけかも」と思って、深呼吸したり、少しペースを落としてみる。休みを作ってみる。自分の時間を何が何でも優先する…。
感情の波に流されそうなときこそ、あなたの心に“やすらぎ”を取り戻すタイミングです。
Pocheのメールカウンセリングでは、感情がうまく扱えないときや、自分でも理由がわからないイライラ、落ち込みなどを、あなたの言葉でそのまま話すことができます。
「うまく説明できない」「整理できてないけどモヤモヤする」——そんな気持ちも、もちろん大丈夫です。
あなたが、がんばりすぎずに感情と付き合っていけるように。
少しずつでも、自分の気持ちにやさしくなっていけるように。
そのお手伝いができたらうれしいです。
あなたの心が少しでもやわらいで、
日々の中に小さな“安心”が戻ってきますように。