親の言葉に傷ついたあなたへ ~昔言われた言葉が忘れられないことがある

こんにちは。心理カウンセラーPocheです。

今日は、親に言われた言葉が今も忘れられないあなたに向けてお話しさせていただきます。

 

本題に入る前にお伝えしたいことがあります。

このブログを書いた目的は、親になったあなたを責めることではありません。

子どもにひどいことを言ってしまった、子どもを傷つけてしまったという、「親の立場のあなた」を責めることが目的でもありません。

 

親の言葉に心が傷ついてしまったり、昔言われたことをふと思い出して辛くなってしまったりする子どもの立場のあなたに向けた言葉です。

すでに親になった人も「親と自分のこと」について、さらには「子どもの立場」で読んでいただければと思います。

 

親の言葉に傷ついていませんか?

あなたには、今も思い出す「親からの言葉」がありますか?

子どもの頃に繰り返し言われた言葉、よく言われた言葉は記憶に刻まれます。

大人になった今はもう言われていないとしても、親以外の誰にも言われていないような言葉だとしても、心に残ったままになります。

 

親があなたにいった言葉は、良くも悪くも心に深く刻まれてしまいます。

 

「あなたの笑顔は最高」「あなたなら大丈夫」という良い言葉が、迷ったり落ち込んだりしたあなたに勇気をくれることもあるでしょう。

でもそれとは逆に、「あなたはダメ」「どうせ無理」という否定的な言葉があなたの勇気や元気を奪ってしまうこともあります。

 

「デブ」「ブス」「ガリ」といった容姿批判、「バカ」「ダメ」「トロい」といった能力批判など、直接心にダメージを負わせる言葉を言われる人がいます。

「そんなんじゃだめ」「あなたのためを思っていっている」「親くらいしかこんなこと言ってくれない」「もっと強くならなきゃダメ」というような言葉に苦しめられることもあります。

直接ひどいことを言われるのはもちろん傷つきますが、ありのままの自分を否定されることも同様に心を傷つけられます。

 

「ネガティブな考え方を変えたい」「不安になりすぎる自分をなんとかしたい」という人が増えていますが、このような思考の癖は幼少期、多くは小学生頃までにつくられます。

子どもの頃に作られた思考の癖は、特に何も意識しない限りは、大人になってもそのまま残り続けます。

たとえば、「あなたは弱いから」「もっと強くならないとやっていけない」というようなことを子どもの頃に言われ続けていると、大人になって何かあるたびに「弱いからこんなふうに思ってしまうんだ」と自分を責めたり、「もっと強くならなければいけない」と自分を追い込んでしまいがちです。

 

でも、安心してくださいね。

子どもの頃に作られた思考の癖は、変えていけます。

 

そのための第一歩が、「子どもの頃に作られた思考の癖」に気づくことなのです。

どんな言葉が今のあなたを苦しめてしまっているのかが分かれば、嫌な言葉の影響はなくしていけます。

 

 

親だから許される?

  • 自分のようになってほしくなくて、「そんなんじゃダメ」と言ってきた
  • 本当にブスだから、「ブス」と言っただけ
  • 世の中に出て恥をかかないように、子どものために教えてやった
  • 本当のことを言ってくれるのは、親くらいしかいない

 

親子カウンセリングを行う中で、このようにおっしゃる親御さんがいます。子どもの頃、同じような言葉を言われた方もいらっしゃるかもしれませんね。

 

このようなことを主張する親は、大きく3つのタイプに分けられます。

 

1つめ:自覚タイプ

あなたが傷つくことを知っていて、わざとひどい言葉を投げかけていたケースです。

傷つくあなたをみて笑ったり、落ち込むあなたをみて喜ぶこともあります。過去にブログでお伝えした「支配コントロール型の親」に該当します。

 

このケースに該当するあなたにお伝えしたいのは、ただ1つ。

親が言った言葉は、真実ではないということです。

 

あなたは親に言われたような「その言葉通りの人ではない」ということを、私からハッキリとお伝えします。親がそう言っただけで、あなたはそのような人間ではありません。

 

2つめ:無自覚タイプ

「あなたのため、子どものため、将来を思って」という名目で、無意識に傷付ける言葉を投げかけているケースです。過去にブログでお伝えした「過干渉」「不幸アピール型」に該当します。

親は必要なことだと思っていたり、良い子育てだと信じて行っていることが多いです。

 

このケースに該当する場合、親と距離を置くことや、親に反発することに何かしらの罪悪感を抱いていることが多いです。嫌いなのに離れられないなど、共依存なのではと悩むことも珍しくありません。

「私のためと言いながら、実は自分のためだったのではないか」と気づき、怒りを感じることもあります。

 

3つめ:複合タイプ

心の中で意識的に子どもをコントロールしながら、表面上は無自覚を装っているケースです。

先ほどの2つのタイプが複合したタイプで、実は一番厄介です。

イメージがつきにくいと思うので2つ具体例をあげますね。

 

テレビで可愛くもない子が「私可愛い!」と言っているのが痛々しい。大切な我が子には、そんな恥ずかしいことをしてほしくない。

だから子供の頃から、「アンタはブスだ」と教えて、調子に乗らないようにしてきた。

自分自身が勉強ができずに苦労したから、息子には自分と同じようになってほしくなかった。息子には、自分が叶えられなかった夢を叶えて欲しかった。

だから「バカだ!」と何度も言って、教えてやった。心を鬼にして言ってやった。

 

ここでお伝えしたいのは、あなたの親がとてもひどい人だ!と非難することではありません。

悪気があって意図的にやっている親もいれば、悪気なくやってしまった親もいます。

 

重要なのは、「親がどのような気持ちでそうしたのか」ということではないのです。

あなたがその言葉をどう受け取り、どう感じたのかということが大切です。

 

親子だからという理由で許される暴言は、ありません。

あなたのためを思って言ってくれたのだとしても、あなたが傷ついているならそれは「あなたのため」になっていません。

 

親に悪意があってもなくても、子どもの心には深い傷を残します。

そしてその傷は治ることなく、大人になってもその子を苦しめてしまうことがあるのです。

 

「親だから何を言っても許される」「もう大人なのだから」というのは、親側の勝手な言い訳です。

親だからと言って許せないこともあります。

親だからこそ、一番身近な人だからこそ、許せないこともあります。

あなたの心が狭いとか、大人になりきれていないとか、そういうことではありません。

 

あなたが勇気を持って親に辛い気持ちを打ち明けた時、「そんなの冗談なのに」「覚えていない」と言われることもあるかも知れません。

ですが冗談でも、言っていいことと悪いことがあります。

本来なら安心できるはずの場所で、信頼できるはずの人から、自分を否定されて傷つかない人はいません。だからそんな自分を責める必要も、全くありません。

 

私がお伝えしたいのは、過去に今も傷ついているあなたがダメなのではなくて、実際に傷つくような出来事があったのだということですl。

だから今も傷ついていている自分を責める必要はない、ということなのです。

 

本当に「あなた」が悪かったのですか?

親から言葉の暴力を受けながらも、「私のためを思って言ってくれている」と思い込んで生きている人をたくさん見てきました。

親に否定された心の傷を抱えながらも、「それでもここまで育ててくれた」と親に感謝しようとしている人もたくさんみてきました。

「私が悪いからこんなことを言わせてしまうのだ」と自分を責めて生きてきた人も、たくさん見てきました。

このように大人になって苦しむ子どもたちをたくさんみてきたからこそ、伝えたいことがあります。

 

そこまでして、
そうまでして、
自分を責めなくていい

ということです。

過去の言葉に傷つくのは、あなたが悪かったせいではありません。

もう過ぎたことだとしても、もう言われていないとしても、心を傷つけた言葉はなかなか消えてません。それほど当時のあなたにとって、大きな出来事だったからです。

 

「親を許したい」「親を許せるようになりたい」と悩む方もたくさんみてきました。

親を許すも許さないも、あなたの自由です。許した方があなたが楽になれるなら、許すために努力するのも一つの選択肢となるでしょう。

 

だけど私は、無理に許す必要はないと思うのです。

 

 もしも過去の何かを許したい、忘れたいと思っているなら、それは親のためではなく「自分自身のためにそうしたい」と思えた時がベストタイミングです。

まずあなたが許すべきは親ではなくて、親の言葉に傷ついている自分自身。傷ついていてもいい、傷つくようなことがあったのだと自分自身を許してあげてください。

 

自分を許せるようになれば、自分がひどい人なのではと思わなくなれば、過去に言われた言葉が「事実ではないのかも知れない」ということに気づけるようになります。

なおこのような過去の影響については、現在発売中の著書「あなたはもう、自分のために生きていい」で、今を楽に生きるためのヒントについては「あなたのしんどい心をほぐす本」で詳しくお伝えしています。

カウンセリングを受けるまでではないけれど、なんだか毎日苦しい……そんなあなたのためにまとめた一冊です。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

 

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