【毒親】ダブルバインドが与える影響〜褒められて喜べない、人を信じられない、言葉の裏を読む

こんにちは。心理カウンセラーPocheです。

今日の記事は、毒親育ちがよく悩まされる「ダブルバインド」というものについてお伝えしていきます。

 

ダブルバインドとは?

 

Double(ダブル)=二重

Bind(バインド)=束縛・拘束

 

「わからなかったら聞きなさい」と言われたのに、本当に聞くと「それくらい自分で考えて」と怒られる。かといって聞かないまま失敗すると、「何で聞かないの!」と怒られる…。

このようなメッセージを心理学では『ダブルバインド』と表現します。

 

親子関係でよく見られるのは、次のようなメッセージです。

 

  • 「出ていけ!」と言われたのに、出ていくと怒られる。
    ※出ていけの裏には、「謝って反省しろ」がある
  • 「何でも聞いて」と言われたのに、聞くと「そんなことも分からないの?」と呆れられる。
    ※何でも聞いての裏には、「聞いていい事と悪いことは考えろよ」がある
  • 「親のことは気にせず遊んでおいで」と言われたのに、「どうして放っておくの!?私なんてどうでもいいの?」と言い出す。
    ※親のことは気にせずの裏には、「本当はかまってほしい!気にして欲しい!」がある
  • 「好きな物を選んでいい」と言われたのに、選ぶと「センスがない。こっちにしな」「わかってない。こっちの方がいい」などと親の意見に従わせる。
    ※「好きなものを批判したい」だけの親もいる。子どもは自信を無くしていく
  • 「夢をもて」と言うのに、「現実的ではない」「そんなんじゃ社会でやっていけない」と批判される。
    ※「あんたは一人じゃやっていけない」と植え付けられるケース
  • 「早く自立しなさい」というのに、親から離れようとすると「見捨てるのね」と泣きつく。
    ※子どもの罪悪感を育て、毒親問題を複雑にします

 

ダブルバインドの質問には、「これ」といった正解がありません。

なぜ正解がないかといえば、親の気分によって正解がコロコロ変わってしまってしまうからです。

 

例えば、親から「好きなものを選んでいい」と言われたとしましょう。

その言葉通りに受け取れば、子どもは自分の好きなものを選びます。

親の言う通り子どもが好きなものを選んで、それを親が認める……これが一般的な親子のやり取りです。

 

ですがダブルバインドをする親は、違います。

「好きなものを選んでいい」という言葉の裏に、「本当はこれを選んでほしい」という親の思いが隠れていることがあります。この場合、言葉通りに好きなものを選ぶと「それは良くない」「こっちにしたら?」などと、親から否定的な反応が返ってきます。

そのほか、「好きなものを選んでいい」という言葉の裏に、「もう勝手にしろ!」という親の怒りや憤りが隠れていることもあります。この場合、言葉通りに好きなもの選べば、親からひどく怒られてしまいます。

 

厄介なのは、これらのパターンが親の気分次第で変化することです。

言葉通り「好きなものを選んでいい時」もあれば、親の意図を汲んで「好きなものを選んではいけない時」もあったりすると、子どもは戸惑います。「今日はどのパターンなのか」と勘繰らなければ、自分が酷い目にあってしまうからです。

 

ダブルバインドは、どの命令に従っても怒られてしまうという大きな精神的ストレスを与えるものなのです。

このような状態が長期間続くと、自分の感情や感覚がマヒしてしまうこともあります。子どもの頭では理解しきれないことが、家庭内で起こっているからです。

 

大人になってからの弊害

ダブルバインドの弊害は、親子の間だけに生じるのではありません。

人間関係のベースは親子関係にありますから、この影響は「他者」との関係においても問題になってくるのです。

 

例えば、相手の言葉を疑ってしまうようになります。本当にそう思っているのか、言葉の裏を読むこともあります。親が、今まで子どもにそうしてきたからです。

この弊害で、人間関係に疲れてしまう、人との距離感がわからないといった悩みを抱えることがあります。

 

さらには、誰かから「どうしたい?」と言われて戸惑います。自分で考えても「そんなんじゃだめ」「甘い」と親から批判され続けてきたことで、相手に本音を言うことにブレーキがかかります。自分の気持ちを話したり伝えたりすると、「自分にとって良くないことが起こる」と親子関係から植え付けられているからです。

この弊害で、自分の意見を言ったり、自分らしく過ごすこともできなくなります。本当の自分を見せて嫌われるよりは、何もしないでおく方がいいと感じるようになるからです。

 

何より辛いのは、人の言葉が信じられなくなることです。
褒められても疑ってしまったり、何か裏があるのではと警戒したりします。親の言う言葉をそのまま受け取った結果、怒られたり、笑われたり…良くないことが起こっていたからです。

一貫性のない親の言葉に振り回されたせいで、人の言葉を「そのまま受け取る」ことができなくなってしまいます。

 

次に挙げるのは、ダブルバインドを行う親を持つAさんの実例です。

 

Aさんの職業は美容師でした。Aさんを指名してくれる客も多く、技術を競う大会では入賞したこともあるなど、周囲からの美容師としての評価はかなり高いものでした。

そんなAさんですが、「他人から褒められた時にどう喜んでいいか分からない」という悩みを抱えていました。

「すごいね!」「さすが!」と褒められても、「…そうですか?」「ええまぁ、美容師なんで…」と返してしまいます。こんなことで褒めるなんて馬鹿にしているのでは、裏があるのではと、不快に感じてしまうからです。美容師仲間からは「もっと愛想良くした方がいい」「褒められた時は、素直に受け取るべき」「コミュニケーションがもっとマシになれば、客がもっとつくのに」と言われ、Aさんはどうすればいいのか途方に暮れていました。

褒められたくないわけじゃない。でも、褒めらえると、素直に喜べない。だから褒められるのが苦手。でも、褒められないと、自分に価値がないのではと怖くなる・・・Aさんは両極端な気持ちに悩んでいたのです。

 

ふと昔を振り返って見た時、Aさんは父親に褒められた記憶がないことに気がつきました。

学校の書写コンクールで入選した時には、「これくらいで有頂天になるな」「俺の子なら当たり前だ」と言われただけ。入選できなかった時には「俺の子なのに、なんで賞が取れないのか」と呆れてため息をついていたのに、入選しても褒めてもらえませんでした。

習い事もそう。「やりたいことをやればいい」と言ったのに、「野球を習いたい」と伝えたら、「野球は大変だからやめておけ。サッカーにしろ」と。仕方なくサッカーを習ったら、「お前のせいで土日がつぶれる」「プロになるわけでもないくせに」と悪態をつかれる日々。結局半年もせず辞めましたが、辞めたらやめたで「お前は何をやっても続かない」と怒られてしまうのです。

 

私たちが何かを決める時は、「自分の中にあるルール」を無意識に適応しています。

悲しそうな人がいたら声をかけようとか、怒っている人がいたら近づかないでおこうとか、「こうしたら上手くいく」「こうしたら失敗する」ということを過去の経験からルール化しているのです。
厄介なのは、そのルールが子どもの頃に作られること。

親とのかかわりあいの中でつくられるルールなので、毒親育ちの子どもは「ルールが非常に多い」のです。やらなければいけないこと、ダメなことだらけのルールを適用して生きているので、その結果「生きづらい」と感じてしまいます。

 

人の言葉の裏を読んだり、褒め言葉を素直に受け取れなかったり、人を信じられなかったり……。

そのような自分を責めてしまう前に、そう思ってしまうような環境で生きてきた可能性についても疑ってみてくださいね。

 

 

  • 「意見を言っちゃいけない(言うと悪いことが起こる)」
  • 「信じちゃいけない(信じたらあとで痛い目を見る)」
  • 「自分を出しちゃいけない(本当の自分を知られたら人が離れていく)」

このように過去の親との関係が、あなたの考え方縛り付けている可能性があります。

 

生まれながらにして人の言葉を疑ったり、褒め言葉を否定したり、人を信じられない赤ちゃんはいません。

大人になったあなたがそうなってしまったのには、生まれてから今までの間に「何か」があったはずなのです。

ダブルバインドの影響からどう抜け出すのかについてはまた別の機会にお話しさせていただきますが、現段階では「自分のせいではないこと」について知り、納得していただければと思います。

 

心の傷は目に見えないからこそ、手当が遅れることがあります。

気がつかない間に、傷が深くなってしまうこともあります。

自分では手に負えないように感じたり、過去のことで悩んでいる自分が嫌になることがあるかもしれません。

 

でもそれは、決してあなたのせいではありません。

親に否定されたり、親が認めてくれなかったように感じているのなら、なおさら「あなた」が「あなたのこと」を信じてあげてください。あなたが自分の味方になってあげてください。

 

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