気持ちが落ち込んでやる気が出ない? 〜それ、冬季うつかも…!
こんにちは。
心理カウンセラーPocheです。
なんだか最近元気が出ない、疲れがとれない、やる気が起きない…
今日のブログは、寒くなる冬の時期に起こりやすい「ウインター・ブルー(冬季うつ)について。
ブログを読み終えた後に、「そんな自分を責める必要はなかったんだ!」とほんの少しでもあなたが納得できれば…と思いながら書いています。
※このブログは音声サイトVoicyでも配信しています。
さて。
冬になると気持ちが落ち込んでやる気が起きない状態というのは、やる気や気持ちの問題でもなければ、気のせいでも、甘えているわけでもありません。
これらは季節性情動障害、季節性感情障害というもので、ウインター・ブルーと呼ばれることもあります。
日本では、「冬季うつ」という名前の方が馴染みがあるかもしれませんね。
一般に冬季うつを発症しやすいのは筋肉量の少ない女性や若者だと言われていますが、体感的には男性でも冬季うつで悩む人は年々増えている印象があります。
だから「男なのに冬季うつになるなんて」と自分を責めたりしないで大丈夫ですよ。弱いとか気のせいとか、そういうことではないです。
「うつ」と「冬季うつ」
気分が落ち込む、やる気が出ない、イライラする、倦怠感がひどいなど、「冬季うつ」と「一般的なうつ病」において基本的な症状は共通点が多いです。
主な違いは、次の2つです。
1つめ、睡眠。うつはなかなか眠れない不眠傾向が強いのに対し、冬季うつは寝ても疲れが取れない過眠傾向が強く出やすいです。
2つめ、食欲。うつは食欲が減退しやすいのに対し、冬季うつは過食傾向になることがあります。
でもそもそも、なぜ冬場に「うつ」が起こりやすいのでしょうか?
原因の1つとして挙げられるのが、冬場の日照時間が短いことです。
日照時間が短くなると、体内時計をつかさどるメラトニン分泌のタイミングが遅れてしまいます。
その結果、精神を安定させるセロトニン、喜びを感じるドーパミンやモノアミンといった脳内神経伝達物質が減り、結果として抑うつ状態を引き起こしやすくなってしまうのです。
冬季うつの対処法
先ほどもお伝えしたように、冬季うつの一番の要因は日照時間が減ることです。
もう少し詳しくお伝えすると、日照時間が減って脳内神経伝達物質が減る影響により、抑うつ状態に陥りやすくなります。
対策としては、日にあたる時間を増やすことです。
晴れた日なら30分程度、曇りの日なら1時間ほど散歩するのが理想的です。
※10000ルクスの光に1時間が目安です
……というのは、
「冬季うつ」解消の一般論です。
もちろん、ほんの少しでも外に出て日光を浴びることができるなら、それはそれで良いことです。
でも中にはきっと、やる気がなくてだるくて、疲れが取れていない時に、散歩なんてできない!という方もいらっしゃるのではと思います。
いえ…。正確には、冬季うつで悩む場合、元気に散歩できる方の方が少ないのです。
ここから先は「日光を浴びるために散歩なんて無理!」というあなたに、お伝えしたいことを書いていきいますね。
散歩なんて無理!というあなたへ
まずは「散歩なんて無理!」と判断できた自分を褒めてあげてくださいね。
散歩できない自分を責める必要は全くありません。
今自分がどのような状況なのか、ちゃんと受け止めているということですから。これはとても良いことです。
私があなたにお伝えしたいのは、今このしんどい時期に「なんとかしないでおこう」ということです。
冬季うつでしんどい時に頑張るのではなくて、少しでも状態が良くなってからにしましょう。
今は「元気になった時」のために、備えておくタイミングだと考えてみてくださいね。
休める時に休んで、寝れる時に寝て、動ける時に動きましょう。
……ただし、動き過ぎには要注意!
「もう動ける」「まだ平気」という時は、休みましょう。
頑張り屋さんの「もう」や「まだ」は、回復しきっていないサインです。
「もう大丈夫かも」「まだ平気かも」というタイミングでいつも通り頑張ってしまうと、再び倒れてしまうこともあります。
動けるのに休むことに罪悪感があるなら、こう考えてみてくださいね。
「再び倒れないように、今休んでいるんだ」「きちんと回復して動くために、今は休もう」と。
そのほか誰かに迷惑をかけてしまうのではと心配なら「少し回復した状態で頑張って、また倒れる方が迷惑がかかってしまう」と自分にブレーキをかけたり、「今しっかり回復して、復帰する方が迷惑はかからない。だから今は休んでいいし、むしろ休んだ方がいい」と自分を安心させてあげることも効果的です。
また、これは冬季うつに限った話ではありませんが、うつ状態で抱えるしんどさは「今抱えているストレスの大きさ」に関係しています。
あなたの周りには、冬でも元気な人もいれば、冬に元気が出ない人もいるのではと思います。
日照時間が少ないという気候の条件は同じなのに、なぜ体調に差が出るのか…。
性格や考え方、肉体的な要因ももちろんありますが、カウンセリングをしていて感じるのは今抱えている疲れやストレスの大きさが体調に深く関係しているということです。
「毎日ヘトヘトに疲れている人」と「体力があり余っている人」では、体力があり余っている人の方が抑うつ状態になりにくいです。
「職場でパワハラを受けている人」と「職場環境が良い人」では、当然職場環境の良い人の方が抑うつ状態になりにくいです。
「信頼できる相手がいない人」と「信頼できる相手がいる人」では、信頼できる相手がいる人の方が抑うつ状態になりにくいです。
冬季うつになるあなたが、ダメなのではありません。
これは弱さではありません。やる気や気持ちの問題でもありません。
むしろここまで耐えられる強さがあったからこそ、抑うつ状態に陥っているとも言えます。すぐに倒れず、耐える強さがあなたにあったということです。
冬季うつに悩む方の多くは、自分の何かを変えよう、このままじゃダメだと頑張る方が多いです。
でも今はできるだけ自分に優しくしてみてほしい、というのが私の思いです。
優しくと言ってもピンとこない方もいらっしゃるかもしれないので、いくつか例をあげておきますね。
自分のために何かしてあげること、減らせる負担を減らすことが「自分に優しくすること」につながります。
- やるかやらないか迷ったら、やらないを選ぶ。
※考え方の例:掃除しなくても生きていける! - やるべきと思うことを1つ減らす。
※考え方の例:どうしても自分じゃなきゃダメ?と考えてみる - 自分の食べたいものを買ってみる。
- 好きなものを見たり聞いたりする。