「ついマウントを取ってしまう」「優位に立ちたい」 マウントを取りたくなるのはなぜ?──その裏にある心の寂しさと自己肯定感の低さ
こんにちは。
心理カウンセラーPocheです。
今日の記事は、次のようなことに悩むあなたに向けたものです。
- 「強がってしまう」
- 「有意に立とうとしてしまう」
- 「なんだか自分、いつも張り合ってしまう」
- 「誰かにすごいって言われたくて、つい大げさに話してしまう」
- 「あの人には負けたくないと思ってしまう自分が、ちょっと嫌い…」
そんなふうに、無意識にマウントを取ってしまったあと、
「私、なんであんなこと言っちゃったんだろう」とモヤモヤすることはありませんか?
今回は、マウントを取りたくなる心理の背景と、そんな自分に気づいたときの優しいアフターフォローについて、お話ししていきます。
なぜマウントを取ってしまうの?
まず知っていてほしいのは、
マウントを取りたくなるのは「性格が悪いから」ではないということです。
その行動の裏には、いくつかの心の動きがあります。
自分を守ろうとする無意識の反応
「下に見られたくない」
「軽く扱われたくない」
そんな気持ちが強いと、相手より上に立とうとすることで安心を得ようとすることがあります。
でもそれはきっと、
これまでの人生の中で、何かを我慢してきたり、傷つくことが多かったりしたあなたの心が、今も必死に“安全な場所”を探しているサインなのかもしれません。
本当は、見下されることのない関係で安心したい。
でもその安心を知らないまま、がんばって耐えてきたからこそ、つい「自分の方が上でいたい」と感じてしまうのです。
認めてもらいたいという願い
「すごいね」「それは大変だったね」──
そんな言葉に救われた経験があると、また同じように認められたくなります。
つまりマウントには、「私もわかってほしい」という心の叫びが隠れていることがあるのです。
本来、人と自分を比べる必要なんてありません。
でも、思ったように「自分の存在を認められていない」と感じる状態が続くと、「誰かより上でなければ価値がない」と思い込んでしまうことがあります。
比べて、勝って、安心して。
でもその安心は、あっという間に消えてしまう……。
その繰り返しが、心をどんどん疲れさせていきます。
優位に立っても満たされないのはなぜ?
マウントを取って「勝った」と感じられたとしても、その安心は一時できなものです。多くの場合は、それで心がずっと穏やかになるわけではありません。
それは、自分の価値を他人の評価にゆだねてしまっているから。
どんなに外側を飾っても、内側の「寂しさ」や「空しさ」は埋まりません。
ついマウントを取ってしまった時のアフターフォロー
「またやっちゃった」と気づいたとき。
「なんで素直になれないんだろう」と落ち込んだとき。
そっと心の声を聞いてあげてほしいのです。
たとえば、こんなふうに声をかけてみてください
- 「そうか、認めてもらいたかったんだね」
- 「不安だったんだね。でも大丈夫だよ」
- 「今からでもやさしくできるよ」
もし相手との関係に違和感を覚えたなら、
「さっきは言いすぎたかも」「あんな言い方、ごめんね」と一言伝えるだけでも、関係は整います。
完璧な人なんていません。
魅力的な芸能人、優しくて素敵なアーティストでさえ、全員に好かれているわけではありません。
……そんなふうに、「理想の人でさえ万人に理解されているわけじゃない」と思うと、
「自分も少し肩の力を抜いていいのかもしれない」と思える瞬間がくるかもしれません。
マウントを取ってしまう自分を責めないで
その行動の裏にあるのは、きっと「寂しさ」や「認められたい」という素直な気持ち。
あなたは誰かを見下したいわけではなく、「私もここにいていいんだ」と思いたいだけなのかもしれません。
本当に安心できるのは、誰かより上か下かではなく、
“比べずにいられる関係”の中にいるとき。
比べることで安心を得てきた場合、
人と比べずに、自分の気持ちに寄り添って生きることは、簡単なことではありません。
でも、「マウントを取ってしまう自分」に気づけたあなたなら、きっと大丈夫。
気づけた時点であなたの心は、すでにとてもやさしく、誠実さもあります。
だからこそ、どうか焦らなくて大丈夫です。
少しずつ、「比べなくても、私は私のままで大丈夫なんだ」と思える日が増えていけばいいんです。
マウントを取ってしまう瞬間があっても、そのたびに「私、がんばってきたんだな」と思い出してあげてください。
あなたの心が、安心できる場所と出会い、
比べずにいられる関係の中で、すこしずつ満たされていきますように。
そしてなにより、あなたが、あなた自身の味方でいられますように。