「なんであの人は思い通りに動いてくれないの?」と感じるあなたへ 関係がこじれない伝え方とは
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こんにちは。
心理カウンセラーPocheです。
「どうしてわかってくれないの?」
「なんで言った通りにしてくれないんだろう」
「もっとこうしてくれたら、私も楽なのに…」
そんなふうに、人との関わりの中で、
「思い通りに動いてくれない相手」に対するモヤモヤを抱えたことはありませんか?
「自分はワガママなのかな」
「我慢しないといけないですよね…」
私の元には、そんなふうに感じて相談に訪れる人たちが、たくさんいます。
でも…
まずお伝えしたいのは、その気持ちはワガママなんかじゃないということ。
誰かに対して「こうしてくれたら嬉しいな」と願うのは、とても自然な心の働き。
それは、相手との関係を大切に思っているからこそ。さらには、「こうなりたい」「こうしたい」という理想を持っているからこそ、生まれる感情なのです。
そのような思いを抱くのは、「あなたに人を信じる心がある証」ともいえます。決してダメなことではありません。
でも、その願いを伝えるときには、少し注意が必要です。
なぜなら、「思い通りにしようとしている」と相手が感じると、なぜかうまく伝わらなかったり、逆に拒絶されたりしてしまうことあるからです。
今回は、その理由と、関係をこじらせない伝え方のコツを、心の仕組みとともにお届けします。
思い通りに動いてほしいのは自然なこと
「こんなふうにしてくれたら助かるのに」
「私だったら、こうするのに…」
「なんであの人は…」
そう思う気持ちは、相手を“動かそうとしている”というより、自分の中にある希望や理想から出てくるもの。
それは、とても正直で素直な感情です。
決して“支配したい”わけでも、“わがまま”なわけでもありません。
ですが…
冒頭でお伝えしたように、「相手が思い通りにならない」こともあります。むしろ、思い通りにならないことの方が多いですよね。
それは、なぜなのか。
理由は2つあります。
1つめは、「そもそも人は思い通りにならないもの」だから。
人はそれぞれ、価値観もペースも、今抱えている事情も違います。
あなたにとって「当たり前」のことでも、相手にとっては「気づけないこと」だったり、「優先順位が低いこと」だったりする場合もあるのです。
だから、思い通りに動いてくれないことがあっても、それはあなたの伝え方が悪いわけでも、相手が意地悪なわけでもないのかもしれません。
2つめは、「思い通りにしようとしている」と相手が感じると無意識に抵抗したくなる心理が働くから。
「思い通りにしようとしてる」と相手が感じると、関係がこじれるのか?
実は、「コントロールされそう」と感じたとき、人は無意識に“抵抗したくなる”という心理が働きます。
心理学ではこれを「心理的リアクタンス」と言います。
たとえば…
- 自由を奪われそうになると、反発したくなる
- 指示されるより、自分で選びたいと感じる
- 「見ちゃダメ」と言われると、気になる
そんなふうに、人は本能的に「自分の意思を守ろうとする」性質を持っているのです。
だから、たとえあなたに悪気がなかったとしても、
相手が「操作されそう」と感じると、無意識に距離を取ろうとしたり、否定的な態度をとったりしてしまうのです。
大前提は「思い通りにならない」が当たり前!?
「思い通りに動かないのが大前提」という前提を持つこと。
まずはここから始めてみませんか?
本来人は、自分の思い通りに動く存在ではない……そう思えるようになると、相手の行動に対する期待がゆるみ、
伝え方にも自然と“やわらかさ”が生まれてきます。
これは「期待してはいけない」ということではなく、「コントロールしようとしない」という姿勢を持つことにつながります。
先ほどもお伝えしたように、人間関係においては「コントロールしようとする人」に抵抗する心理があるからです。
そしてその上で、どう伝えるか…
ここでは、「相手に動いてほしい」時に使える、関係をこじらせない伝え方の工夫を3つご紹介します。
① 「お願いベース」で伝える
命令ではなく、お願いに変えてみましょう。
たとえば…
×「これ、早くやって」
○「これ、できたら今日中にお願いできるかな?」
ポイントは、お願いベースということ。
余裕があれば「名前」を加えるのもおすすめですよ。
人は誰でも、自分を特別に扱ってもらえると、少し心を開きやすくなるもの。
逆に、名前も呼ばずに命令だけされると、「ただの作業指示だ」と感じてしまい、反発心が芽生えやすくなってしまいます。
たとえば…
○「〇〇さん、これお願いできるかな?」
○「〇〇さんにお願いしたいなと思って…少しだけ時間をもらえる?」
そんなふうに、相手を“人として尊重する姿勢”を添えるだけで、言葉の伝わり方はぐっと柔らかくなります。
ちょっとした表現の違いで、相手の受け取り方は驚くほど変わります。
② 「気持ち」を伝える
希望の前に、自分の気持ちや理由を添えると、相手は納得しやすくなります。
「〇〇してくれたら助かるな。最近ちょっと疲れてて、余裕がなくて…」
このように、「こうしてほしい」だけでなく、「なぜそう思うのか」を伝えることで、相手は「頼られている」「理解されている」と感じやすくなります。
実はこれ、心理学の研究でも裏付けられているんです。
アメリカの研究では、頼みごとをするときに「なぜなら(because)」という理由を加えるだけで、成功率が高まるという結果が出ています。
つまり、「お願い+理由」のセットは、相手に“納得と協力”を引き出しやすい伝え方なのです。
③ 「選択肢」を提示する
「これか、これ、どちらかでお願いできる?」のように、
選択肢を示すことで、相手に“選ぶ余地”が生まれ、心理的な抵抗が減ります。
でも人は、「自分で決めた」と感じられると、納得しやすくなる傾向があります。
押しつけられた感がなくなることで、協力しやすい空気が生まれます。
最後に
あなたの「わかってほしい」という気持ちは、大切なものです。
無理に抑え込む必要はありません。
ただ、伝え方をほんの少しだけ工夫することで、
「思い通りにならなくても、ちゃんと通じ合えた」と思える関係を築くこともできるのです。
どうか焦らず、ゆっくりと。
あなたの本音が、やさしく届きますように。
もちろん、一人じゃうまくいかないなぁと感じた時は、Pocheと一緒に考えていきましょう。