あのとき〇〇していれば…「たられば思考」が止まらない人のための心の処方箋

こんにちは。
心理カウンセラーPocheです。

 

「あのとき、ちゃんと断っていればよかった」
「もし、あんなことを言わなければ…」
「あのとき、あっちを選んでいれば今頃私は…」

そんなふうに、過ぎたはずの出来事に後悔してしまうこと、ありませんか?

気づけば「たられば思考」がぐるぐると止まらなくなって、気持ちが沈んでしまったり、自分を責めてしまったり…。

でも―
たとえそんなふうに後悔のループにはまってしまったとしても、あなたが悪いわけではありません。

それは、心がまだ整理しきれていない“何か”を抱えている、というサインなのです。

 

「たられば思考」は誰にでも起こる

脳には「デフォルト・モード・ネットワーク(DMN)」という、ぼんやりしているときに働くモードがあります。

このDMNは、過去の出来事を振り返ったり、未来を予測したりする役割を持っていて、何もしないときほど頭が勝手に回想モードに入るとも言われています。

だから、リラックスしているときや、ふとした拍子に、「あのときの出来事」がリアルによみがえるのは、実はごく自然な反応なのです。

 

「たられば」の奥にある本当の気持ち

後悔の気持ちは、あなたの心に「本当はこうしたかった」という願いがあった証拠です。

・本当は傷つきたくなかった
・もっとやさしくされたかった
・わかってもらいたかった

こうした思いが叶わなかった時、
「あのとき〇〇していれば…」と、もう一度やり直したくなるのです。

 

つまり、たられば思考は、あなたの大切な気持ちの『名残り』なのです。それは、間違いでも、恥ずかしいことでもありません。

その裏にあるのは、「本当はこうしたかった」という、あなたのまっすぐで素直な思いです。

 

後悔のループから抜け出す「心の処方箋」5選

ここからは、「たられば思考」にとらわれて苦しくなったときに、試してほしい5つの方法をご紹介します。
すべてができなくてもかまいません。

どれかひとつでも、「今の自分に合うかも」と思えるものがあれば、ぜひ取り入れてみてくださいね。

① 感じていることをノートに書き出す

「後悔していること」「本当はこうしたかったこと」をそのまま書き出すだけで、頭の中の混乱が少し整理されます。

▷効果と根拠

心理学では「エクスプレッシブ・ライティング(感情表出を書く行為)」がストレスの軽減に有効だとされています。
紙に書くことで、モヤモヤを“見える化”し、客観的にとらえ直すことができるのです。

 

② あのときの自分に手紙を書く

後悔の中にいる「過去の自分」に向けて、やさしい言葉で手紙を書いてみてください。

「よく頑張っていたね」
「苦しかったんだよね」

そんなふうに、当時の自分をいたわることで、心の奥にある痛みが少しずつ和らいでいきます。

▷効果と根拠

心理療法の一つに「セルフ・コンパッション(自己への思いやり)」という考え方があります。
“過去の自分にやさしい言葉をかける”ことは、自己否定を減らし、感情を落ち着ける効果があるとされています。実際に手紙という形で書き出すことで、自分を客観的に見つめ直す力が高まり、心の整理が進みやすくな ります。

 

③ 「それしかできなかった理由」を見つけてあげる

あのとき、自分はなぜその選択をしたのか―
怖かったからかもしれないし、誰かを傷つけたくなかったのかもしれません。

過去の自分を「どうしてそんなことをしたの?」と責めるのではなく、「そうせざるを得なかった理由」を見つけてあげることで、少しずつ心がやわらいでいきます。

▷効果と根拠

これは「認知の再構成(リフレーミング)」と呼ばれる心理技法の一つです。
過去の出来事や自分の行動を別の角度からとらえ直すことで、自己批判や過剰な後悔がやわらぐ効果があるとされています。

そのときの自分なりにベストを尽くしていたことに気づけたとき、ようやく心は「責める」モードから「理解する」モードへと切り替わっていくのです。

 

④ 誰かに話してみる

「たられば思考」でぐるぐるしてしまうときこそ、信頼できる人に「まだ引きずっていてね」と打ち明けてみてください。

ただ聞いてもらうだけでも、心はふっと軽くなります。

▷効果と根拠

心理学では、感情を言葉にすることでストレスが軽減される「感情のラベリング効果」が知られています。
また、誰かに気持ちを話すことは、自分の感情を整理する“心の外化”にもつながり、頭の中だけで抱えていた後悔がやわらぐ助けになります。

 

⑤ 「これからどうしたい?」を考えてみる

たられば思考に飲み込まれそうになったときこそ、「じゃあ、これから私はどうしたい?」と未来に向かってやさしく問いかけてみることが大切です。

▷効果と根拠

これは心理学で「未来志向」や「ソリューションフォーカス(解決志向)」と呼ばれるアプローチです。
後悔にとらわれ続けるのではなく、今の自分にできる小さな一歩を考えることで、心に希望や前向きさが生まれやすくなるとされています。

過去は変えられなくても、「これからの自分の在り方」は、いつでも選び直すことができます
その選択を大切にしてあげることで、後悔に優しく区切りをつけていけるようになります。

 

最後に

どれだけ後悔しても、過去の出来事そのものを変えることはできません。
でも、「あのときの自分をどう見るか」は、今この瞬間から変えていくことができます。

あなたは決して、間違った人ではありません。
後悔しているのは、それだけ誰かや何かを大切に思っていた証拠です。

だからこそ、もうこれ以上、自分を責めすぎないでくださいね。

「たられば」の奥にある、あなたのやさしさや痛みに、どうか寄り添ってあげてほしいと思います。

一人で整理するのが難しいときは、気持ちを一緒に見つめ直していきましょう。

 

【その気持ち、抱え込まなくて大丈夫です】

「ずっと誰にも言えなかった気持ち、抱え続けていませんか?」
「こんなことで相談してもいいのかな…」そんなふうに思う必要はありません。
あなたの気持ちを、誰にもジャッジされずに安心して話せる場所をご用意しています。
ひとりで考え続けるより、誰かと一緒に整理することで、もっと楽に前を向けることがあります。

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Posted by poche