どうして「身近な人」にだけ怒ってしまうの? 〜やさしい人が抱えがちな心の疲れと、その裏にある想い〜
こんにちは。
心理カウンセラーPocheです。
「外では普通にできるのに、家ではイライラが止まらない」
「子どもやパートナー、親にだけきつい言い方をしてしまう」
「こんな自分、嫌だ…」
そんなふうに、あとから落ち込むことはありませんか?
本当は傷つけたくない。
嫌われたくない。
むしろ、大切にしたいはずの人なのに。
それでもつい怒ってしまう―
そんな自分を責めている方へ、今日は「なぜそうなってしまうのか」をお伝えできればと思います。
身近な人にこそ出てしまう「怒り」
怒りというのは、ただの“攻撃”ではありません。
その根っこには、「わかってほしい」「わかってもらえない苦しさ」があることが、とても多いのです。
とくに、身近な人に対して怒りが出てしまうのは、次のような理由があるかもしれません。
- 外では頑張って抑えていた感情が、安心できる相手に対して一気にあふれてしまう
- 「察してほしい」「気づいてほしい」気持ちが伝わらず、無力感から怒りに変わる
- 相手との関係が深いほど、「こうしてほしい」が強くなり、期待が裏切られたように感じてしまう
心理学では、これを「安全基地での感情解放」と呼ぶことがあります。
つまり、本音を出せる安全な相手だからこそ、抑え込んでいた感情が出てきてしまうということ。
それは決して、「相手を大切にしていないから」ではありません。
むしろ、信頼しているからこそ出てしまう反応なのです。
本当は「怒りたくて怒っている」わけじゃない
怒りの裏側には、さまざまな感情が隠れています。
- わかってもらえない「寂しさ」
- 一人で抱えてきた「疲れ」
- 思うようにできない「焦り」や「無力感」
- 期待がかなわなかった「悲しみ」
でも…
それらをじっくり感じる余裕がないとき、そのすべてが「怒り」という形になって噴き出してしまうのです。
怒ってしまったあと、自己嫌悪でいっぱいになるのも、本当はやさしい気持ちがあるから。
傷つけたくないのに、うまく伝えられなかった。
その後悔が、あなたの心のやさしさを物語っています。
怒りが出たとき、自分に問いかけてみてほしいこと
「なんであんなこと言ってしまったんだろう」と責めたくなる気持ちが出てきたら、こんなふうに自分にそっと問いかけてみてください。
「本当は、どんな気持ちだったのかな?」
「私は、何に傷ついていたんだろう?」
「あのとき、本当は何をわかってほしかったんだろう?」
怒りは、あなたの心の叫び。
その奥にある本当の思いに気づいてあげるだけでも、少しずつ感情の扱い方が変わっていきます。
「怒りっぽい私」は疲れているサインかも
つい怒ってしまうのは、ここまでたくさんのことを頑張ってきた証でもあります。
限界ギリギリまで気を張っていたからこそ、最後のひと押しで感情があふれてしまうのです。
だからまずは、怒った自分を責める前に、「ここまでよくがんばってきたね」と、自分の肩にそっと手を置いてあげてください。
身近な人に怒ってしまうことがあっても、それであなたの人間性が否定されることはありません。
「どうしてこうなるんだろう」と自分を見つめようとする姿勢こそ、関係をよりよくしていく力になります。
ひとりで抱え込まず、少しずつでも、心を整える時間を持ってみてくださいね。
あなたの本音やつらさも、大切に扱っていいものです。
ひとりで本音を抱えるのは辛い、誰かに聞いてほしいと思えた時には、Pocheメールカウンセリングがあることも思い出していただけると嬉しいです。