「おかしい」「何あの人!」他人のマナーにイライラしすぎるのはなぜ?:そんな自分が嫌になったり疲れてしまったあなたへ
こんにちは。
心理カウンセラーPocheです。
駅のホームで順番を守らない人、大きな声で話す人、ゴミを道に捨てていく人、デリカシーのない発言をする人……
そんなマナーの悪い人に出くわしたとき、あなたの心がざわつくことはありませんか?
「なんでこんなことが平気でできるの?」
「まわりに迷惑かけてるって、わからないのかな」
そう思った瞬間、胸の奥からじわっと怒りがこみ上げてくることがあるかもしれません。
でも、それと同時に、そんなふうにイライラしてしまう自分に対して、「こんな小さなことで怒るなんて…」「またイライラしてしまった」と、自分を責めてしまうこともあります。
自分を責めるまでいかなくとも、他人のマナーにイライラしすぎて疲れる人は、案外多いのです。
イライラしてしまうのは心が狭いから?
結論からお伝えすると、あなたがマナーに敏感になるのは「心が狭いから」ではありません。
むしろそれは、日ごろからきちんと周囲に気を配っている、まじめで誠実なあなただからこそ抱く感情です。
ちゃんとルールを守って、周囲のことを考えて行動しているからこそ、それを乱すような人の存在に、強く反応してしまうんです。
「私はちゃんと守っているのに」
「何であの人だけ」
そんな悔しさや無力感が、イライラとなってあらわれているのかもしれません。
それが、たとえ自分に直接害を及ぼすわけではない“他人の行動”だったとしても、です。
なぜなら、あなたの中には「誰もが同じように守るべきものがある」という、秩序や思いやりに対する強い信念があるからです。
その価値観が壊されるのを見ることは、たとえ自分が当事者でなくても、どこか「踏みにじられたような痛み」を感じてしまうのです。
また、「自分ばかりが我慢している」という感覚も、知らず知らずのうちに怒りの種になっていることがあります。
たとえば、小さい頃から「ちゃんとしなさい」「迷惑をかけてはいけない」と教えられてきた人ほど、自分が我慢していることに気づかないまま、“自由にふるまう人”に強い反応を示してしまう傾向があります。
「気にしないでおこう」と思うほど気になってしまう
「こんなことでイライラしちゃダメ」
「もっとおおらかにならなくちゃ」
そうやって、自分の気持ちにフタをしようとすればするほど、なぜか余計に気になってしまう…。
そんな経験、ありませんか?
実はこれ、「気にしないように」と思えば思うほど脳が“その対象”に集中してしまうという、人間の自然な仕組みでもあるのです。
たとえば「ピンクの象を想像しないでください」と言われた瞬間、頭の中にピンクの象が浮かんでしまうように―
「気にしない」と意識することで、かえって脳は「それを見張るモード」に切り替わってしまうのです。
これを心理学では「皮肉過程理論(Ironic Process Theory)」とも言い、
“考えないようにしよう”という努力が、かえってその思考を強めてしまう逆効果になることが知られています。
つまり、あなたが「気にしてしまう」のは、意思が弱いからでも、性格がねじれているからでもなく、むしろごく自然な脳の働きによるものなんです。
だからこそ、「気にしちゃダメ」と自分を責めるのではなく、「気になるのも無理ないよね」とやさしく認めてあげることのほうが、結果的に気持ちを落ち着ける近道になることもあるのです。
怒りを我慢せずに、優しく吐き出す
「怒りが出てもいいって言われても、疲れる」
「怒りをそのまま、他人にぶつけるわけにもいかないし…」
そう思う方にお伝えしたいのは、「怒りをどう処理するかを試してみませんか?」ということ。
怒りをまるごと抱えていると、心はどんどん疲れてしまうからです。
言葉にしてノートに書き出してみるのも、ひとつの方法です。
誰にも見せない、自分だけの“安心できる場所”をつくっておくことで、心の中が少しずつ整理されていきます。
それでもスッキリしないときは、心の中で「腹が立ったな」「嫌だったな」と、自分の気持ちを認めてあげましょう。
声に出して小さくつぶやくだけでも、感情は少し和らぎます。
「感じてもいいんだよ」と自分に許可を出すことは、思っている以上に大きな安心感をもたらしてくれます。
……それでも、まだ怒りが収まらない。
もしそう感じているなら、それはあなたの心にとって「本当に大きなストレスだった」ということ。
そんなときは、信頼できる誰かに話して、「そうだよね」「それは腹が立って当然だよ」と共感してもらうことが、何よりの癒しになります。
なぜなら、人は「自分の気持ちをわかってもらえた」と感じたとき、脳内で安心のホルモン(オキシトシン)が分泌され、緊張していた神経が少しずつゆるんでいくからです。
ただ「正しいことを言われる」だけでは、心は癒されません。
でも、「それはつらかったね」と気持ちに寄り添ってもらえるだけで、ずっと抱えていた怒りやモヤモヤが、すこしずつ溶けていくような感覚が生まれます。
だからどうか、ひとりでがんばりすぎないでくださいね。
自分の心に余裕が持てないときほど、誰かのあたたかさが、心の回復にとても大きな力をくれます。
あなたの感じたことには意味がある
「私は怒っちゃいけない」
「こんなことで反応するなんて、子どもっぽいのかも」
そうやって、自分の感情を否定してきた方ほど、
自分の本音に気づきにくくなっていることがあります。
「私は、人を大切にしたいと思っているんだ」
「私は、周囲との調和を大事にしているんだ」
その気持ちこそが、あなたらしさの根っこにあるものなのです。
マナーの悪さにイライラしてしまうこと。
それに戸惑うあなたは、「穏やかでありたい」と願っているやさしい心の持ち主です。
その気持ちを否定せず、ただ「そう感じたんだね」と寄り添ってあげることで、少しずつ、心はほぐれていきます。
まじめに、誠実に日々を過ごしているあなたの気持ちは、きっと報われるべきものです。
どうか、自分にやさしく。
イライラを感じるあなたごと、まるごと大切にしてあげてくださいね。
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