人に頼れない?それとも頼りたくない?頼っちゃダメと思う?
こんにちは。心理カウンセラーPocheです。
今日は、反響の多かった過去のツイート「人に頼るのが苦手」という内容について、お話しさせていただきます。
※今回のブログは音声サイト【>>Voicy】でも配信しています。
頼れない?頼りたくない?頼っちゃダメ?
「人に頼れない」と悩む人が増えています。
「助けてほしい」という気持ちと、「私なんかを助けてくれるのだろうか」「どうせ助けてくれない」という不安が入り混じり、苦しい思いを抱えている状態です。
カウンセリングの場で「絶対に頼れない、助けてもらえない状況なのですか?」とおうかがいすると、「頼れば助けてもらえるかもしれない」「頼ったことがないから分からない」という答えが返ってくることもあれば、「周りの人は上手く頼って助けてもらっている」「上手に頼っている人がうらやましい」とおっしゃる人もいます。
「頼り方が分からない」「やろうと思えば一人で出来てしまうから…」など、頼りたいと思いつつ、ひとりで頑張ってしまうことに頭を抱えている人は多いです。
頼れるかもしれないけれど、頼れない。
頼りたいけれど、頼るのが怖い。
このように「頼れないと思わせる何か」が、自分の中でブレーキをかけてしまっている可能性はありませんか?
頼れないと思わせる何かに影響を与えているのが、子どもの頃の親子関係です。
助けてもらえなかった、という過去が及ぼす影響
たとえば子どもの頃、本当に辛い時に助けてもらえなかった経験があると、「助けてほしい」「でも、どうせ誰も助けてくれない」という2つの気持ちが綱引きします。
真逆の気持ちが働く状態というのは、アクセルとブレーキを同時にベタ踏みするようなものですから体力も気力も一気に消耗します。
体力の消耗や我慢が大きいゆえに、限界が来た時の感情の爆発も大きいです。
「誰も助けてくれない!」と、人が変わったように怒りが爆発することも珍しくありません。
そのほか本当に辛い時に頼れなかった経験があると、どう頼っていいか分からなくなります。
子どもの頃に「親に頼る」という経験が少ない人ほど、大人になった時に「頼ったら迷惑なのでは」「嫌われるのでは」「相手が離れていってしまうのでは…」という恐怖を感じます。
できないというより、「分からない」に近いかもしれません。
親に頼れなかったことによる影響
突然ですが、あなたの目の前に「壺」が5つ飾ってあったとします。
そのうち4つはどこででも手に入る普通の壺、残り1つは希少価値の高い壺だったとします。
この5つの壺の中に希少価値の高い壺があるかどうかは、「壺についての知識」がなければわかりません。
知らなければ見つけられませんし、気付けません。
「親に頼って、助けてもらう」という経験が少ない場合は、誰かが手を差し伸べてくれても気が付けないことがあります。
壺に詳しくないと「希少価値の高い壺」が見つけられないのと同じで、頼って助けてもらう経験がないと「助けてくれようとしている人」に気づけないのです。
気づけないならまだしも、警戒心から相手を遠ざけてしまうこともあります。
これまで経験したことのない優しさに「なぜ?」と疑問が湧き、「何かおかしい」「怪しい」と警戒し、助けてくれようとした人の手を振りほどいて後悔することもあります。
これは、自分ひとりで頑張ってきたり親を助けてきた人に多く見られる傾向です。
「なぜか誰も私を助けてもらえない」と思っている人の中には、助けようとしている人に気づけなかったり、無意識に遠ざけてしまっているケースも多いのです。
苦手なタイプの人ばかりが、自分の周りに集まっていると感じることもあります。
そのほか子どもの頃から、親に「甘えるな」「もっと辛い人がいる」など自分で頑張ることを求められた人や、「してやった」「あなたのために」「誰のおかげで生活できている」など恩着せがましい言葉に苦しんできた人は、助けてもらうことそのものに警戒心が出ます。
前者の場合は「頼ること」に罪悪感が、後者の場合は「助けてもらったら何か返さなきゃ」と責任を感じやすいです。
頼れないのはダメ「ではない」
ここでお伝えしたいのは、「頼れないのがダメ」ということではありません。
「頼れるようになりましょう」と押し付けるつもりも、一切ありません。
人に頼るメリットもあれば、頼らないことのメリットもあります。
頼るメリットより、頼らないメリットが大きいと感じるなら、それはそれでいいのです。
色々考えた結果「頼らない」を自分で選んで、そのことに納得できているのなら全く問題はありません。
でも「頼りたいのに頼れない」なら、なぜ頼れないのかを考えてみてくださいね。
環境のせいで頼れないのか、それとも過去の影響で「頼れない」「頼りたくないのか」を知るだけでも、生きづらさを解消するヒントが見つかりますから。
過去の影響の見つけ方は、現在発売中の書籍「あなたはもう、自分のために生きていい」でもお伝えしています。
本の構成上どの章から読み始めていただいても構わないのですが、過去を振り返ることに抵抗がある場合はチャプター3以降から、過去を振り返ることに抵抗がなければチャプター1から読んでみてくださいね。
※チャプター1は「過去の親子関係」に言及する内容となっています。