「恥ずかしい」「情けない」「あの時の自分を思い出すと消えたくなる…」そんな羞恥心との向き合い方
こんにちは。
心理カウンセラーPocheです。
あのとき、どうしてあんなことを言ってしまったんだろう…
なんであの態度をとってしまったんだろう…
もう何年も前のことなのに、思い出すと顔から火が出そうになる…
ふとしたときに昔の失敗を思い出して、心がざわざわすること。
ありませんか?
「恥ずかしい」
「情けない」
「もう思い出したくない」
…そんなふうに、
自分自身に対して深い羞恥心を感じて、苦しくなってしまう瞬間――
今日は、その気持ちとどう向き合えば、少しでも自分を楽にできるのかについて、そっとお話ししていきたいと思います。
恥ずかしさは“成長”のサインかも
当時は精一杯だった言動が、今のあなたには「未熟だった」「軽率だった」と見えてしまう。
思い出すだけで恥ずかしくなってしまうかもしれませんが…
実はそれってすごいことなんです。
なぜなら、「その時の自分に恥ずかしさを感じられるだけの視点」が、今のあなたにはあるということだから。
過去を恥ずかしいと思えるのは、あなたが「過去」から変化したから。前に進めているから。あなたが今、その頃よりも成長している証拠です。
つまりは、
恥ずかしさ=ダメな人間の証拠ではなく、感じられるくらいの変化があなたの中にあったということなんです。
「あの時の自分」も一生懸命だった
その時のあなたは、その時の状況の中で、たくさん考えて悩んで…
「そうするしかなかった」「そうするのが最善だった」と、きっと本気で思っていたはずです。
・どう返せばいいかわからずに、つい強く言ってしまった
・不安や孤独があって、過剰に頑張ってしまった
・承認されたい気持ちが空回りしてしまった
…その背景には、ちゃんと理由があるんです。
今のあなたが「あの時の私、恥ずかしい」と責めてしまうと、当時のあなたは行き場を失ってしまいます。
だからこそ、
その過去を否定するのではなく、「よく頑張ってたよね」と、やさしく声をかけてあげてほしいのです。
恥ずかしさが膨らむときにできること
羞恥心は、とても強く心を締めつけます。
100%消し去ることは難しくても、少しずつやわらげていくことはできます。
ここでは、そんなときに試してほしい3つの方法をご紹介します。
①「今ここ」に意識を戻す
恥ずかしさは、過去に引きずられてしまう感情です。そのときは、意識的に「今」に戻ることが助けになります。
・手に触れているものの感触を感じる
・深呼吸をして、息が入ってくるのを感じる
・「今、私は大丈夫」と小さくつぶやく
今この瞬間に意識を戻すことで、心の混乱はすっと静かになっていきます。
②「その時の自分」に手紙を書く
誰にも見せなくてかまいません。
ノートやスマホに、あのときの自分に向けて、こう書いてみてください。
・あのときは、つらかったよね
・うまくできなかったのも無理なかったと思うよ
・でも、ちゃんとここまで来てるよ
その出来事を“反省材料”にするのではなく、自分への“理解”で終わらせる。
それが、自分をやさしく癒す第一歩です。
③「恥を感じるのは、ちゃんと人として育っている証」と思ってみる
心理学では、「羞恥心」は社会的な感受性と関係しているといわれます。
たとえば、赤ちゃんは人前で泣いたり裸になっても恥ずかしがることはありませんよね。
それは、まだ「他人の目」や「社会との関係性」を意識していないからです。
つまり、恥ずかしさを感じるということは、他人の気持ちや、自分と他人とのつながりをちゃんと理解できている証。
それだけあなたが、まわりの人を大切にしようとする心を持っているということなんです。
恥ずかしさを感じる人は、それだけ「相手の気持ち」や「関係性」に敏感ともいえます。
だからこそ、あなたはやさしい人であり、繊細で丁寧な心の持ち主なんです。
最後に
「あのときの自分を思い出すと、消えたくなる」
「なんであんなことをしたんだろう」
そんな思いが湧いてくるとき、心はとても疲れてしまいますよね。
でも、あなたがその出来事を「恥ずかしい」と思えるようになったということは、今のあなたが、それだけ心を成長させてきた証です。
恥ずかしさを感じた過去のあなたも、
今ここでそれを抱えているあなたも、
どちらも、本当にがんばってきた人です。
どうか、すぐに許せなくてもいいから、
少しずつでも「私、あの時なりに一生懸命だったんだよね」と、思ってあげてください。
その思いが、あなた自身をやさしく包みなおしてくれますように。