「ちょっと言われただけなのに落ち込んでしまう」 「自分を否定された気がする」理由
こんにちは。
心理カウンセラーのPocheです。
今日は、
「相手にそんなつもりがないとわかっていても、言葉が刺さってしまう」
「たった一言が、なぜかずっと心に残ってしまう」
——そんなあなたに向けて、お話を届けたいと思います。
相手の言葉が頭を離れないとき
「もっとこうしたらいいのに」
「なんでそんなことしたの?」
「ふつうは、こうだよね」
そんな誰かからの何気ない一言に、傷ついたり、ひっかかったり。
その言葉が、妙に心に引っかかって、帰り道ずっと頭から離れなかったり、寝る前にふと思い出して、「やっぱり私はダメなんだ」と落ち込んでしまったり…
時には、自分でも「こんなに落ち込むなんて…」と戸惑ったり、苦しくなることもあるでしょう。
勇気を出して周りに相談しても、「気にしすぎだよ」「そんなことで?」と言われてしまうと、「やっぱり自分がおかしいのかな」と感じてしまったり…。
実はこのような相談が、増えています。
その感じ方には、ちゃんと理由がある
まずお伝えしたいのは、
その反応は、あなたがおかしいからでも、心が弱いからでもないということです。
人の言葉に強く反応してしまうのは、それだけあなたが人との関係を丁寧に受け取っている証拠。
あなたが「気にしすぎ」なのではなくて、「気になって当然のこと」を言われている可能性があります。
さらには、これまでの経験や背景によって、似たような言葉(特定の話題や言葉)に敏感になっている場合もあります。
みんなが気にしていない=気になるのはおかしい、ということはありません。
みんなは平気でも、あなたにとって嫌な言葉や話題ということもあります。
だからその感覚は「直そう」と頑張るのではなく、大切にしてあげた方が良い感覚かもしれません。
気にならないようにするよりも、「気になるようなことを言う人」と離れる方がラクなこともあります。
相談事例:「言われたこと」がずっと気になってしまう
Yさん(30代・女性)は、職場の上司に言われたひと言が気になって、眠れない夜が続いていました。
「そのやり方、少し雑じゃない?」と言われたことがきっかけでした。
上司は悪気もなく、ごく普通のトーンで言ったそうですが、Yさんはその瞬間、心がざわっと波立ったといいます。
——“雑”って、私のことをちゃんと見てないってことかな。
——もう信頼されてないのかもしれない。
そのあと何度もやりとりを思い返しては、「私はダメな人間なのかな」と思い詰めてしまったのです。
カウンセリングでは、Yさんが過去に「ちゃんとしなければ認めてもらえない」という経験を積み重ねてきたことが見えてきました。
だからこそ、“雑”という言葉に、自分の存在ごと否定されたような感覚になってしまったのです。
私たちは、みんなそれぞれ違う経験を持って生きてきています。
たとえ相手に悪気がなくても、
“過去の傷”や“自分が大事にしていること”に触れるような言葉は、どうしても心に響きやすいんです。
それは、「繊細だから」とか「考えすぎ」とかではなく、それだけ、あなたが大切にしている価値観があるということ。あなたが乗り越えてきた過去がある、ということでもあります。
だからこそ、「ひっかかる」というのは決して悪いことではなく、自分を守る大切な感覚ともいえます。
「強くならなきゃ」と思っているあなたへ
「こんなことで傷ついてしまうなんて…」
「もっとスルーできる人になりたい」
そう思う日もあるかもしれません。
でも、「強くなる」というのは、「何も感じない人になること」ではありません。
人の言葉に反応してしまうのは、それだけ感受性が豊かで、心がちゃんと動いているから。
だから、まずはその気持ちを“否定”するのではなく、“理解”してあげることから始めてみてくださいね。
傷つきやすさは、「悪い部分」ではありません。
誰かの言葉に反応してしまったとき、まずはこう問いかけてみてください。
「私は、何がつらかったんだろう?」
「その言葉のどこに、心が反応したんだろう?」
すると、表面の“否定された”という感覚の奥に、
「もっと認めてほしかった」
「大切に扱ってほしかった」
そんな、本当の気持ちが見えてくることがあります。
それに気づくことで、少しずつ自分の心を落ち着かせることができるようになります。
そして何より伝えたいのは、「相手があなたを傷つける正当な理由はない」ということです。
相手に悪気があってもなくても、「自分がつらい」と感じる関係からは、そっと距離をとっても大丈夫です。
それは決してわがままなんかじゃなくて、自分を大切にするということだからです。
無理に強くならなくても大丈夫。
反応してしまう自分を、そっと受けとめながら、
「じゃあ今、私は何を大切にしたいのかな」と、心に問いかけてみてくださいね。
そして、もしその気持ちを一人で抱えるのがつらくなったら——
言葉を大切に聴いてくれる場所が、ここにもあることを思い出してください。
あなたが、自分の気持ちにやさしくなれる時間を、少しずつ増やしていけますように。