自分のことがよくわからない…そんなあなたへ
こんにちは。心理カウンセラーのPocheです。
「自分のことがよくわからない」
「感情がわからない」
「何をしたいのかも見えない」
これらはカウンセリングでよく聞かれる悩みなのですが、周囲の人にはその気持ちを理解してもらえず、孤独を感じてしまうこともあるでしょう。
そこでこの記事では、自分を見つめ直し、少しずつ自分を知っていくためのヒントをお伝えします。
すぐに答えが出なくても大丈夫。焦らず、自分とのつながりを取り戻していきましょう。
感情がわからないのはなぜ?
「楽しい」「嬉しい」「悲しい」「怒り」「妬み」……。
あなたが、この中で「よくわからない」と思う感情はどれでしょうか?
なぜこのような質問をしたかというと、「感情がわからない」という場合において、「ある特定の感情がよくわからないケースは非常に多い」からです。
そこで今回は、「楽しい」「嬉しい」といったプラスの感情がわからないけれど、「悲しい」「怒り」「妬み」といったマイナスの感情がわかる場合についてご説明します。
原因1:環境の影響
「子どもの頃、何かを喜んだり楽しんだりすると、『調子に乗らないの』『そんなに浮かれないで』と言われることが多かったです。大人になった今も、何か嬉しいことがあっても素直に喜べず、『こんなことで浮かれてはいけない』と感じてしまいます。人が楽しそうにしているのを見ると羨ましく思うのに、自分はどうやって楽しめばいいのかわかりません。」
上記の相談者のように、幼少期や成長過程で、「楽しんではいけない」「嬉しさを表現するのは控えるべき」といったメッセージを受け取る環境にいた場合、喜びや楽しさを感じること自体が難しくなることがあります。
たとえば、喜びを表現した時に「そんなに浮かれてどうするの?」と否定されたり、褒められるよりも叱られることが多かった場合、「楽しい」「嬉しい」という感情を表現しない方が安全だと学習してしまうことがあるのです。
こうした経験を重ねると、プラスの感情が出てきても無意識に「感じないように」抑え込むようになり、自然とプラスの感情がわからなくなります。
相談者の場合は、「調子に乗ること」「楽しむこと」を許可することから始めました。
対話を続ける中で、「自分も楽しんでいいんだ」と思えるようになった時に安堵の涙を流すほど、「自分にかけているブレーキ」が強かったからです。
この方の場合は、相談から2ヶ月ほどで、少しずつ「やってみたいこと」を試せるようにまで心が回復しました。
原因2:自己否定感が強い
「何か楽しいことがあっても、『でも、どうせすぐ終わる』『自分なんかが楽しんでいいのかな』と考えてしまいます。その一方で、落ち込むことや失敗したことはすぐに受け入れてしまい、自分を責める癖があります。もっと気楽に生きたいのに、どうしても楽しむことに罪悪感を覚えてしまいます。」
自分に厳しい人や自己否定が強い人は、「楽しんでいい自分ではない」「喜びを感じる資格なんてない」といった考えを無意識のうちに抱えていることがあります。
たとえば、何か楽しいことが起きても、「でも、どうせすぐ終わる」「自分にはもったいない」といったフィルターを通してしまうため、楽しいと感じる前にその感情が薄れてしまうことがあるのです。
原因3:自己防衛
「昔、信じていた人に裏切られたり、傷つく経験をしたことがあります。それ以来、心を開くのが怖くなってしまいました。悲しみや怒りの感情は、強く感じます。特に嫌なことがあると、ずっと頭の中で反芻してしまい、なかなか気持ちを切り替えられません。」
「楽しい」「嬉しい」と感じるためには、周囲や物事に対して心を開くことが必要です。
ですが、過去に人間関係や環境で傷ついた経験がある場合、心を閉ざして自分を守る方が安全だと感じてしまいます。
この状況から抜け出すためにはまず、『少し心を開いても大丈夫な人』を見つけてみることが効果的です。
だた、相談者の場合は、そのような人が身近にいませんでした。
そこでメールカウンセリングを通して、カウンセラー(Poche)に少しずつ自分のことや気持ち、今日あったことを伝える練習を始めたのです。
4回目のやり取りの時、「聞いてもらえるというだけで、安心する」「心を開けると、こんなに疲れないんですね」と仰っていたのが印象的でした。
もしも、相談者のように、自己防衛の機能から感情を抑え込んだ場合でも、信頼できる人に出会えれば「感情を出せるように」なります。
それが家族や身近な人のこともあれば、友達、それ以外の第三者のこともあります。でも、それでいいのです。重要なのは「相手との関係性」ではなく、あなたが心を開いて話せるかどうかだからです。
自分で「自分を受け入れる」
「自分のことがわからない」という状態から抜け出すために必要なのは、自分で自分を受け入れることです。
ですが…
この記事をお読みの方の中には、「自分を受け入れる」という意味がピンと来なかったり、具体的なやり方がわからないという方もいるかもしれませんね。
もしそうだとしても、それは何もおかしなことではないので心配しないでくださいね。
最後に
自分を知ることに焦らなくても大丈夫。
感情や好きなことを少しずつ探しながら、「自分が何を感じ、何を求めているのか」に耳を傾けていきましょう。
この記事を読んだ時点で、あなたはすでに一歩を踏み出しています。
そのペースを大切に、肩の力を抜いて進んでいけますように。