本当に、あなたが悪いの? ー すぐに「自分のせい」と思ってしまう心理と向き合う
こんにちは。
心理カウンセラーのPocheです。
「また私のせいかもしれない…」
「なんでこんなことになったんだろう。私が悪かったのかな…?」
「相手を怒らせたのは、私の言い方が悪かったから?」
そんなふうに、ちょっとしたことでも「自分が悪いのでは?」と考えてしまうことはありませんか?
それはもしかすると、あなたに「責任感が強い」「優しい」「相手を思いやる気持ちがある」からこそ、身についた考え方なのかもしれません。
だから、そう思ってしまうのが悪い!ということではありません。
でも…すべてを「自分のせい」にしてしまうと、心も体も疲れてしまいますよね。
そこで今日は、そんな思考の背景と、少しでも心を軽くするためのヒントについてお話しします。
「私が悪いのかも…」と考えてしまう理由
あなたが「すぐに自分を責めてしまう」のには、理由があります。
その多くはあなたの性格や思考の問題ではなく、「過去の経験」や「育ってきた環境」によるものです。
たとえば…
✔ 小さい頃、親や周囲の人に『あなたのせいで…』と言われた経験がある
幼いころ、「あなたのせいでお母さんは大変なのよ」「そんなことするから困るのよ」などと言われた経験はありませんか?
子どもにとって、親の言葉は絶対的なもの。自分を責めることで、親の機嫌を取ろうとしたり、「私が悪い子なんだ」と思い込んでしまうことがあります。
✔ 家庭や学校で、否定されることが多かった
「なんでこんなこともできないの?」
「ちゃんとしていないと恥ずかしいよ」
「そんなことしたら嫌われるよ」
こうした言葉を言われ続けると、「私は何か間違っているのかもしれない」「ちゃんとしないとダメなんだ」と、自分を責める癖がついてしまいます。
✔ 親や周囲の顔色をうかがいながら生きてきた
幼いころ、親の機嫌が悪くなるとピリピリした雰囲気になったり、怒られることが多かったりすると、「人の気持ちを察して、問題が起こる前に対処しなきゃ」と考えるようになります。
その結果、大人になってからも「相手の態度=自分のせい」と感じやすくなってしまうのです。
…こうした経験を持つ人ほど、無意識のうちに「何かあったら、まず自分を疑う」クセがついてしまうことがあります。
子どもの頃のあなたは、きっと何も悪くなかったはず
大人になったあなたが「自分のせい」と思ってしまう理由は、過去にあるとお伝えしました。
でも、だからといって「過去のあなたが悪い」と思う必要はありません。むしろ、そう思い込まざるを得ない環境にいたことのほうが問題だったのです。
幼いころは、周囲の大人の言葉や態度をそのまま受け取るしかなく、「私が悪いんだ」と考えることで、なんとかその場をやり過ごしていたのかもしれません。
つまり、子どもの頃のあなたが悪かったのではなく、あなたが周りの環境に適応しようと頑張っていたのです。
だからこそ、「私が悪いのかも」と思ったときには、すぐに自分を責めるのではなく、一度立ち止まって考えてみてほしいのです。
たとえば…
相手が不機嫌な時。
それは本当にあなたが原因なのでしょうか?
もしかしたら、相手がただ疲れていただけかもしれません。
また、同じことが、あなたの大切な人に起こった時。
「あの人(大切な人)が悪い」「あの人(大切な人)が全部悪い!」と思うでしょうか?
もしそうでないなら、あなたが自分を責める必要はないはずです。あなたも「大切な人」も、同じ人間だからです。
すべてを「自分のせい」にする前に、「他にも影響している要因がないか?」を考えてみると、少し気持ちが落ち着くことがあります。
「自分のせいではないこと」や「自分の責任ではないこと」に気がつけると、必要以上に自分を責めずに済むからです。
📩 相談事例:「なんでも自分のせいだと思ってしまう」
Kさん(30代・女性)は、職場の人間関係で悩んでいました。
「上司の機嫌が悪いと、『私が何かミスしたのかな?』と不安になります。
同僚がそっけない態度を取ると、『何か気に障ることを言ったのかも…』と考えてしまって。
そんなことを繰り返しているうちに、人と関わるのがすごくしんどくなってしまいました。」
Kさんは、仕事でもプライベートでも「まず自分を責める」ことが習慣になっていました。
カウンセリングでは、「本当にKさんのせいなのか?」「他の可能性はないか?」を一緒に考えていきました。
すると、Kさんは「今まで、誰かが不機嫌なだけでも『私が悪い』と思い込んでいたんですね…」と気づき、「全部自分のせいだと思わなくてもいいんですね」と、少しずつ肩の力を抜けるようになりました。
「私が悪いのかも」と思ったときに
すぐに「私が悪い」と思ってしまう人ほど、周囲に気を遣いすぎていたり、過去の経験から「自分を責めるのが当たり前」になっていたりすることがあります。
でも、あなたが悪いとは限らないのです。
むしろ、あなたが自分を責める必要のないことまで背負ってきただけなのかもしれません。
「私が悪いのかも」と思ったとき、一度立ち止まって「本当にそうかな?」と問いかけてみてください。
ですが、長年の考え方の癖は、すぐに変えられるものではありません。「考えすぎないようにしよう」と思っても、気づけばまた自分を責めてしまう…そんなこともあります。
一人で考えていると、どうしても自分を責める方向にいってしまう…そんなときは、第三者と一緒に整理することで、これまで見えなかった視点に気づけることもあります。
もし今、「自分のせいかも」と悩んでいるなら、一緒に気持ちを整理してみませんか?
あなたが少しでも、自分を責める苦しさから解放されますように。そう願っています。