『毒親育ちかもと気づいた時』幸せ育ちの人にドス黒い感情が出る理由
こんにちは。心理カウンセラーPocheです。
今日のブログは、「毒親育ちかもしれない」と気づいたあなたに贈る内容です。
「なんで自分は、あんな家庭に生まれてしまったんだろう」
「親に愛されたかった」
「なのに、どうして私がこんな思いをしなきゃいけないの?」
「あの子だけズルい」
——そんな気持ちになることは、ありませんか?
「そのような気持ちになるのはダメではない。理由がちゃんとある」ということをお伝えできればと思い、この記事を書き進めていきます。
「ドス黒い感情」が湧くのには理由がある
実は、このような怒りや嫉妬の感情が湧くのには、ちゃんとした理由があります。
例えば…
① 幸せな家庭を知ることで、自分の過去の辛さが浮き彫りになる
幼いころは「こんなものか」と思っていたことも、大人になって「本来は違ったのかもしれない」と気づくことがあります。
次に挙げるのは、実際の相談事例です。
「父の顔色ばかり気にしていた私」
「父は外では笑顔なのに、家では不機嫌ばかりでした。ちょっとしたことで舌打ちをしたり、ため息をついたり…。友達の家に遊びに行くと、お父さんが優しく話しているのを見て、『お父さんって本当はこういうものなの?』と驚いたのを覚えています。」
「産後、自分は頼れなかったのに…」
「出産後、心も体もボロボロの状態でした。でも、親には頼れませんでした。『自分たちのときはもっと大変だった』と言われるのが目に見えていましたし…。だから、一人でなんとかしようと必死でした。親に手伝ってもらいながら育児をしている人の姿が映ると、どうしようもなくイライラしてしまいます。」
こうした経験を持つ人にとって、「親に大切にされて育った人たち」の姿は、自分の過去とあまりにも違いすぎて、胸が締めつけられるように感じることがあります。
その素直な思いが、「どうして自分は違ったの?」という悔しさとなり、やがて怒りや嫉妬へと変わることもあります。
② 自分の過去を否定されたように感じる
「親に守られて育つのが普通」——その言葉を聞いたとき、まるで自分の過去が「異常」と言われたように感じることがあります。
その違和感が怒りや嫉妬へと変わり、「なぜ自分ばかり」と思ってしまうのです。
③ 過去の傷ついた気持ちが、いまになってあふれ出す
ある時、押し殺していた感情が一気にあふれ出すことがあります。
子どもの頃、本当は怒りや悲しみを感じていたとしても、親に逆らったところで結果は目に見えています。まだ、一人で家から出ることもできません。
だからこそ、その感情を押し殺し、耐え忍ぶしかなかったのです。
でも、大人になり自由な立場になった今、過去の出来事を振り返る余裕ができたことで、当時感じることすら許されなかった怒りや悲しみが、ようやくあふれ出してきたのかもしれません。
つまりこれは、「今さら思い出している」のではなく、「今だからこそ感じることができる痛み」なのです。
怒りを否定しなくていい
「嫉妬するなんて情けない」
「人と比べても意味がない」
そんなふうに、自分の感情を否定してしまうことはありませんか?
でも、怒りや悲しみは「あなたの心が感じた、正直な気持ち」です。何も悪いものではありません。
もしも過去に、
「どうして私の親は、普通の親じゃなかったの?」
「どうして味方になってくれなかったの?」
そんなふうに思いながらも、誰にも言えなかったのなら——
その気持ちを、「あのとき言えなかったからこそ、今感じているんだ」と受け止めてみてもいいのです。
「認める」と、感情は落ち着いていく
✔ 誰かを羨ましく思うのは、それだけ自分が「こうなりたかった」と思っている証拠
✔ 怒りが湧くのは、それだけ「本当はこうしてほしかった」という願いがあった証拠
怒りや嫉妬は、抑え込もうとすればするほど強くなります。
だからこそ、まずは「感じてもいい」と自分に許可を出してみましょう。
自分の心の奥にある「本当の願い」に気づくと、少しずつ怒りは収まっていきます。
「過去の傷を抱えながら生きていく」こともできる
「幸せ育ちの人の話を聞くと、どうしても苦しくなる」
そんなときは、「苦しくならないように努力する」のではなく、一度距離を取るのもひとつの方法です。
次のご紹介するのは、その方法を試した相談者Aさんの事例です。
「SNSで幸せそうな家庭の話を見るたびに、『私だって、あんなふうに親に頼れたらよかったのに』と、どうしようもない怒りや嫉妬が込み上げてきて…。でも、そんな気持ちを抱く自分が嫌で、さらに自己嫌悪に陥る悪循環でした。
思い切ってメールカウンセリングを受けたとき、『その感情を持つのは当然のこと』と言ってもらえて、ホッとしました。『怒りを感じるのは、過去に大切にされなかった痛みがあるから』と言われ、少しずつ自分の気持ちを認められるようになりました。すると、以前は嫉妬して苦しくなっていた“幸せ育ちの人”から、少し距離を取れるようになりました。無理に関わろうとせず、今は自分が心地よい時間を大切にしています。そのうち、彼らの幸せな話を聞いても、前ほど苦しくならなくなっていました。
カウンセリングを通じて『聞いてもらえる場所がある』とわかったことで、気持ちの整理がつくようになったんだと思います。」
一人で抱え込まなくても大丈夫。
もしも、どうしても気持ちの整理がつかないときは、信頼できる人に「聞いてもらう」こともできます。
「こんなことで相談していいの?」と心配しないでおきましょう。
あなたの感じていることは、どんな気持ちも大切なものだからです。
「怒りが湧いてくるのは、それだけあなたが『大事にされるべき存在』だから」
そのことを、どうか忘れないでくださいね。