【愛があれば許される?】毒親が使う「信じちゃいけない」言い訳テクニック
こんにちは。心理カウンセラーのPocheです。
今日の記事は、『毒親育ちの子ども』に向けて書いています。
- 酷いことを言うのは、あなたのことを愛しているから。
- 厳しいことを言ってると思うかもしれないけど、アンタのためなんだからね。
- 世間に出て苦労する前に、お前のためを思って言ってるのよ。
- 本当は愛してるから、心を鬼にして言っているのよ。
愛情を武器にされると、反論しにくいですよね。
あなたのためを思って、言ってくれているように聞こえますから。
すると子どもは、無意識に自分を責めるようになります。
- 「親にこんなことを言わせてしまうのは、自分が悪いからだ」
- 「私がちゃんとしていないから、怒られちゃうんだ」
- 「私のことを想ってくれているんだから、言うことを聞かなきゃダメだ」
だけど本当は、
あなたのせいではありません。
毒親が使いこなす「愛情」という単語、「あなたのためを思って」という言葉に惑わされないでください。
罪悪感を感じて、自分を責めないでください。
毒親は、どうすれば「親の言うことを聞くのか」知っています。
あなたにどう言えば、「親が悪者にならないか」知っています。
今日の記事が、あなたの心を守るヒントになりますように。
そう願って書き進めています。
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「愛情」があれば子どもを傷つけていい?
大切な事なので、はじめに伝えておきます。
親が子どもを傷つけていい理由なんて、ありません。
厳しいことを言うようですが、愛情ゆえに子どもを傷つけたというのは『親側の言い訳』です。
動機が愛情だったからといって、許されるものではありません。
もしかすると、親にも事情があったのかもしれません。
でもその事情を子どもが理解する必要はありませんし、理解してあげたとしても許す必要はないです。
「傷つけた」という事実は、「傷つけた」でしかないのです。
愛情という言葉が「賢くて」「卑怯」な理由
冒頭で私は、「愛情」を武器にする毒親は賢くて卑怯だとお伝えしました。
なぜ賢いと思うのか。
それは「愛情」という言葉が、親の罪を上手に隠す言葉だからです。
A│「どうせまた、失敗するわよ。あなたが嫌いだから、厳しいこと言うのよ。」
B│「どうせまた、失敗するわよ。あなたを愛しているから、厳しいこと言うのよ。」
同じ意味の言葉でも「愛しているから」という言葉を付け足すだけで、あたかも『優しいこと』を言っているかのように聞こえませんか?
なかでも世間体を大切にする毒親は、言葉を巧みに操ります。
誰が聞いても「虐待」だと感じないように、周りから「悪い親」だと思われないように、賢く言葉を選んで使うのです。
そして卑怯です。
愛情という理由があれば、子どもが言うことを聞くことを毒親は知っています。
「あなたのため」という言葉は、それを拒否した人を悪者のように見せかけることができるからです。
この言葉を拒否した子どもは、「親の優しさを踏みにじった」かのような罪悪感を持つようになります。
全く関係のない人から、「親不孝者」「人の優しさが分からない子」「親の気持ちも考えたら?」といった心無い言葉をかけられることもあるでしょう。
「嫌いだから」という理由で子供に暴言を吐いた時、世間から非難されることを多くの毒親は知っています。だからこそ理由を付け加えます。
「愛しているから」「あなたのために」という言葉は、暴言・暴力・人格否定といった罪を覆い隠す『便利な言葉』なのです。
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毒親が「愛情」を武器にする理由
過去の記事にも書きましたが、『毒親=悪人』ではありません。
周りから見たら普通の親、それどころか「良い親」「良い親子」にみえるケースは多々あります。
さらにほとんどの毒親は、「子どもを傷つけてはいけない」ということを知っています。
ですが、「知っている」ことと「自分の子どもを傷つけない」ことは別問題です。
「世間一般に傷つけるのはよくない」と知っているからこそ、子どもを傷つけた後にフォローします。
厄介なのは、そのフォローが「自分のため」ということ。
毒親は傷つけた子供をフォローするのではなく、傷つけた自分(親)の行動を正当化しようとするのです。
- あなたに酷いことをしたのは「あなたを愛しているからこそ」
- あなたに嫌なことを言うのは「あなたのためを思ってしたこと」
「わたし(親)は悪くない。私にこんなことを言わせた、あなた(子ども)が悪いのよ」と、子どもに罪悪感を刷り込んでいくのです。
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「愛情」と「言い訳」の見分け方
毒親から「あなたのために」「愛情があるからこそ」と言われ続けた子どもは、「私のために言っているのだから仕方ない」と錯覚するようになります。
酷いことを言われているのは「自分のせい」と感じるようになり、だんだんと「酷いことを言われている」という感覚さえなくなっていきます。
毒親は
変わろうとしません。
だから子どもは、自分が変わるしかないと学びます。それが正しいかどうか、そうしたいかどうかではなく、自分が折れるしかないと納得させるしかないのです。
その環境で生きていくために、これ以上傷つかないために、脳が考えることや感じることをストップさせます。
「本当に子供を愛していて、厳しいことを言う親もいるんじゃないの?」
と思う方もいるかもしれません。
もしかしたら、自分の親がそうかもしれないと未だに感じているかもしれません。
「本物の愛情」と「言い訳」を見分けるポイントは、3つあります。
1つめ。
あなたの人格を否定・攻撃しているかどうか。
本当にあなたを愛し、あなたのためを思っているのなら、あなたの人格を否定するようなことは決して言わないはずです。
そのままのあなたを受け入れてくれるはずです。
例えば以下のようなケースは、いずれも本物の愛情ではありません。
「あなたのため」という言葉を使って、子どもを傷つけているだけです。
例1│「友達に意地悪された」と伝えた時の親の反応
お前はほんと、人を見る目がないねぇ。まぁその程度の人間なんだろうけれど。ほら、類は友を呼ぶってやつ?
厳しいこと言ってるように聞こえるかもしれないけど、こんなこと世間様は言ってくれないからね。お前のために言ってるんだよ。
例2│「試験に落ちた」と伝えた時の親の反応
あなたのことを愛しているから言うけれど、やっぱりあなたは「何をしてもダメ」なのね。あんなに勉強したのに、落ちちゃうんだもんね。
だからお母さんの言う通りすればよかったのよ。
例3│「パワハラ被害」を相談した時の親の反応
あんたにも悪い所があったんじゃないの?どうせ自分が正しいとか、そういう態度で仕事してたんじゃないの?
あんたのためを思って言うけど、そんなんじゃどこ行ってもやっていけないわよ。そういうとこ、直した方がいいわよ。
2つめ。
どんな時に「愛情」「あなたのため」という言葉を使っているか。
毒親がこれらの言葉を使うのは、自分の身を守りたい時。
あなたを否定したり、傷つけたり、あなたを攻撃した時に、「自分(親)は悪くない」とフォローするために使います。
―――――――――――――――――――
「愛情があるから」「あなたのため」
+
「傷つける言葉」「人格否定」「暴力」
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この組み合わせの時は、気を付けてください。
親の動機は、自分の保身です。「本物の愛情」ではありません。
親が酷いことを言うのも、酷いことをするのも、「お前(子ども)が悪いからだ」と納得させるために使っている可能性が高いです。
実際に具体例を挙げて、考えてみましょう。
男の子が、お母さんと一緒に公園に来ていました。
公園にブランコは2つあるのですが、どちらもお友達が使っています。ブランコの横には、すでに2~3人の子どもが並んでいました。
だけど男の子は、どうしてもブランコに乗りたかったので、順番を抜かして、先頭に割り込んでしまいました。それを見たお母さんは、男の子にこう言いました。
「お前のそういうところが、嫌いなんだよ。並ばなきゃいけないことくらい、見たら分かるでしょ? ほんっとバカなんだから。泣くんじゃない、男の子でしょ!お前のために言ってあげてるんだから! あーもう、そういうとこ、旦那ソックリ。嫌になっちゃう。」
いかがでしょうか。
この母親は、本当に「男の子のため」に叱ったと思いますか?
違いますよね。
本当に愛情から言うのであれば、『事実を指摘する』だけでいいはずです。
今回のようなケースでは、「並ばないといけないよ」「他のお友達が並んでるからね」と教えてあげるだけで十分。
男の子を嫌いと言ったり、人格を否定する必要は全くありません。
3つめ。
あなたが大切な人に、親と同じ言い方をするか。
大切な人のために「言いにくいこと」を指摘する場合、自分ならどうするかを考えてみてください。
なるべく傷つかないように、相手が悲しまないように、言葉を選んで伝えようとするのではないでしょうか。
あなたの親は、「あなたが大切な人に話すような言葉」を使ってくれていますか?
言わなくていいようなことばかり、あなたに言っていませんか?
あなたの努力や生き方、人格を否定するようなことを言っていませんか?
愛情だとしても『拒否』していい
ここまでお伝えしてきましたが、「それでも親を悪く思えない」「自分のことを心配してくれている気がする」と思う方もいらっしゃると思います。
それは、それでいいのです。
もし本物の愛情から言っていたとしても、すべてを受け入れる必要はないのですから。
「これは親の愛情かもしれない」と受け入れたうえで、だけど「私は傷つく」と思ってもいいのです。
親が良いと思うものが、あなたにとって良いとは限りません。
愛情があれば、何でも許されるなんてことはありません。
毒親は、
自分が一番大切です。
あなたが勇気を振り絞って「いくら愛情だとしても、そういう言い方は傷つく」と伝えたとしても、おそらく毒親の心には響かないでしょう。
これらの言葉を使って子供をコントロールしようとする毒親のほとんどが、「子どもがどう感じ」「どれほど傷ついているのか」なんて気にしていないからです。
あなたを理解して謝ってくれるどころか、「アンタのそういう考え方がよくない」とか「私の方がもっと傷つけられている」と反撃されるかもしれません。
カウンセラーとしての経験上、「伝えても意味がないことが多い」というのが本音です。
「これって毒親なのかな」という疑問、誰にも相談しにくいようなことがあれば、相談してみてください。
何か力になれることがあるかもしれません。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
Poche
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