「人に必要とされたい」と苦しくなるあなたへ ~過去に囚われずもっと軽やかに生きる
こんにちは。
心理カウンセラーPocheです。
「私なんていなくてもいいのでは」
「誰かに見捨てられるのではないか」
「自分の価値なんて、ない…」
「もっと頑張らないといけないのでは」
「私は必要とされていない…」
このような不安や不足感を感じることはありますか?
あなたがすでに気づいている自分の感覚を大切にしながら、心を楽にしていけるよう、一緒に考えていきましょう。
「人に必要とされたい」と思う背景
ここではまず、なぜ「必要とされたい」「役に立ちたい」「役に立たなければ」という心理状態になるのかについて、3つの可能性についてお伝えします。
1. 誰かの役に立ちたい
「誰かの役に立つ」という思いは、人の優しさや思いやりの表れです。
しかし、その背後には「自分が役に立たないと価値がないのではないか」という無意識の不安が隠れていることもあります。
例えば、次のようにです。
「家族はもちろん、職場でも後輩や同僚を手助けすることが多く、頼まれると断れません。でも、最近ふと気づいたんです。私は本当に『助けたいから』手を差し伸べているのか、それとも『役に立たないと不安だから』なのか…。もし後者なら、自分の価値を他人のためだけに見出しているのではないかと思い、少し戸惑っています。」
相談者の場合は、「いい人でいなければ」という思いも強く植え付けられていました。
だから、「助けたいから助ける=OK」「自分のために助ける=NG」だと苦しんでいたのです。
そこでまずは、どんな動機であれ「誰かを助けたいという思いは悪いものではないこと」をお伝えし、さらには「役に立たなくても問題ない」ということを繰り返し伝えました。
自分を後回しにしてしまい、「助けることに疲れてしまう」「誰も自分を助けてくれない」…そう感じていた相談者ですが、カウンセリングから3ヶ月経った今では、「自分のことも大事にできるようになってきました!」と笑顔で語ってくれるほどに変化しました。
2. 他人の感情を自分の責任と感じる癖
幼少期に、親や周囲の大人の機嫌や感情に敏感だった経験があると、他人の感情を自分の責任と感じる癖がつきやすくなります。
たとえば次のように、「親の機嫌が悪いのは自分のせいかもしれない」「誰かが不機嫌になると、自分が何かをしなければならない」という思いが無意識のうちに心に刻まれることがあります。
例えば…
「小さい頃、父が仕事のストレスでよく不機嫌になっていました。家の中がピリピリしていると、母も機嫌が悪くなり、私は『怒らせないようにしなきゃ』と常に気を遣っていました。『静かにしなさい』『余計なことを言わないで』とよく言われ、家では自分の気持ちを押し殺すのが当たり前になっていました。
大人になった今でも、誰かが不機嫌そうだと、無意識に『私のせい?』『どうにかしなきゃ』と焦ってしまいます。本当は関係ないこともあるはずなのに、放っておくと罪悪感を感じてしまい、相手の機嫌を取るために無理をしてしまいます…。」
この癖が残ると、大人になってからも、周囲の人の感情や状態を自分事のように感じてしまい、「自分が動かなければ問題が解決しない」と思い込んでしまいます。
その結果、他人の感情に振り回され、自分自身の心が疎かになってしまうのです。
3. 「怖さ」の背景
役に立たないと見捨てられる気がする
「私は昔から、人の役に立たないと自分の価値がないような気がしてしまいます。親は厳しく、テストでいい点を取った時や家の手伝いをした時だけ褒めてくれました。逆に、何もしないと『怠けている』『役に立たない子』と言われることもありました。大人になった今でも、誰かのために頑張らないと、自分はここにいてはいけないような気がします。『ただの私』では愛されないんじゃないかと不安で、つい無理をしてしまいます。」
助けなければ、人は離れていく気がする
「友人関係でも職場でも、頼られると嬉しくてつい全力で助けてしまいます。でも、後から『私ばかり負担してる…』と疲れてしまうことも多いです。断ると『この人に価値はない』と思われてしまう気がして、『役に立たなかったら見捨てられるかも』という怖さが消えません。」
「私がいなくてもいいのでは?」という不安
「家族や友人の輪の中にいると、『私がいなくても、きっとうまく回るんだろうな』と感じることがあります。自分から話を振ったり、サポートしたりしないと、その場にいる意味がない気がするんです。小さい頃から、親に『ちゃんと周りを見て動きなさい』と言われて育ちました。そのせいか、『ただ一緒にいるだけ』では不安になってしまいます。」
相談事例のような「私がいなくてもいいのでは」「助けないと見捨てられるかも」という「怖さ」の根本には、「自分の存在価値に自信が持てない」という感覚があることが多いです。
この感覚は、幼少期に「愛される条件」として「いい子であること」や「役に立つこと」を求められた経験から生まれます。
たとえば、褒められる時は「親の期待に応えた時」や「役に立った時」だけだった場合、他人に必要とされない自分は価値がないと感じやすくなります。
すると、大人になってからも、「助けなければ愛されない」「役に立たないと居場所がなくなる」という恐れが行動の原動力となり、罪悪感や不安を生み出してしまうのです。
あなたはそのままで大丈夫
不足感や劣等感を「感じてはいけない感情」として抑え込むのではなく、「今、自分はこう感じているんだな」と認めることは、心に大きな効果をもたらします。
たとえば、「私は今、焦っているのかもしれない」「あの人の態度に傷ついているんだな」…という具合です。
こうして自分の感情に対する「気づき」を得ることで、感情に振り回されるのを防ぎ、自分を冷静に見つめ直す余裕を持てるようになります。
誰かを助けることや役に立つことだけが、あなたの価値ではありません。
疲れた時には立ち止まって、自分の気持ちや感覚を確認する時間を作ってみてください。
自分に優しく寄り添うことで、少しずつ自分のペースを取り戻していけるはずです。
どうか安心して、あなた自身の心に寄り添いながら、少しずつ「自分らしい生き方」を見つけていってくださいね。