【毒親の連鎖…?】親が嫌いと思いながら、親と同じになっているのではと不安になるあなたへ
こんにちは。
心理カウンセラーPocheです。
今日のブログは、親との関係性に悩みながらも、「親になったあなた」に伝えたい内容です。
「親が嫌い」「親のようにはなりたくない」と思っているのに、ふとした瞬間に「親と同じことをしているのでは?」と不安になる。
そのような悩みを抱えている方は少なくありません。
特に子育てをしている中で、親に言われて嫌だった言葉や行動を、自分も子どもにしてしまったと感じた時…その罪悪感や自己嫌悪はとても苦しいものです。
誰かに聞いてもらいたいけれど、「どう思われるのか怖い」「毒親だと思われるかも」と怖くなり、自分一人で抱え込んでしまう…カウンセラーとして、そのような人たちをたくさん目にしてきました。
この記事では、「親と同じになりたくない」と思いながらもそう感じてしまう理由を深掘りし、安心感を持てる視点をお伝えします。
親と同じなのでは?と感じる理由
親と自分の行動が似ていると感じる時、「私は親と同じなのでは」と考えてしまいがちです。
第三者の目から見た時、現実には「親とまったく同じではない」としても、それでも不安になってしまうことがあります。
なぜそのようなことが起こってしまうのか…。ここでは2つの可能性について、お伝えします。
1. 親の行動が「学びのモデル」として刻まれているから
子どもは、親の行動や言葉を無意識のうちに学びます。
親の関わり方が必ずしも理想的でなくても、その環境で育った私たちは、親の言動を「こういう時はこう振る舞うものだ」とインプットしてしまうのです。
もしもあなたが、親と似た行動をしてしまっているとしてもそれは、「学びの結果」として自然なことでもあります。
下記は、同じような悩みを抱えている相談者の事例です。
「私は親のことが好きではありません。厳しく育てられ、怒られることが多かったので、自分の子どもには優しく接したいと思っていました。でも、いざ子育てをすると、気づけば親と同じような言葉を口にしてしまいます。叱りたくないのに、つい感情的になり、後で自己嫌悪に陥ります。『絶対に親みたいにはならない』と思っていたのに…そんな自分が嫌でたまりません。私は子どもを傷つけてしまっているのでしょうか?」
「子どもの頃、親は感情的で、よく怒鳴られたり厳しくしつけられたりしました。私は『自分は絶対にそんな親にはならない』と誓っていました。でも、いざ子育てをしていると、子どもが言うことを聞かないときについ強い口調になったり、冷たく突き放すような態度をとってしまいます。後になって『あの時の親と同じだ…』と気づき、ひどく落ち込みます。私は親と違う育て方をしたいのに、どうして変われないのでしょうか?」
…このようにな事例を読むと、「やっぱり親と同じになってしまうの?」と怖くなってしまう人もいますが、「親と同じ人間になる」という意味ではありません。安心してくださいね。
ここでお伝えしたいのは、何も意識しない状態で子育てをすると「親と同じになりやすい傾向がある」、ということ。
ですがあなたは今、「親と同じになっているのでは」と気づいています。
その時点であなたは、「親と同じにならない」子育てを選ぼうとしています。これは大きな一歩であり、「同じにならないため」の安心材料でもあります。
2. 親を強く意識しているから
「親とは違う自分でいたい」という強い思いがあるほど、親の言動に敏感になります。
親と一緒になりたくない、親と一緒の子育てをしてはいけないと思うからこそ、「親と同じような面」が目につきやすくなります。
その結果、少しでも似たような行動をすると「また親と同じことをしてしまった」と感じやすくなるのです。
これは、人の脳の習性のよるものです。
人の脳は、意識したものを「見る」ようになります。
たとえば…
新しい靴を買ったら「みんなの靴」がやたらと目に入るようになったり、時計が欲しいなと思ったら「みんなの時計」が急に気になったり。これも、脳が「意識したものを見る」から起こることです。
厄介なのは、親に対してネガティブな感情を抱いている場合です。
脳は意識したものを見ようとしますから、「親の嫌なところ」を意識することで、「自分の嫌なところ」と結びつきやすくなってしまうのです。
さらに脳は、「わからないこと」「答えの出ないこと」も嫌いです。
1ピースだけ埋まっていないパズルにモヤモヤするように、「どこかで聞いた曲なんだけど…。思い出せない」と考え続けてしまうように、脳はなんとかして答えを出そうとします。
すると、無理矢理でも答えを出そうとしてしまうのです…!
私がこんなにイライラするのは母親の血が入っているからとか、子どもにひどいことを言ってしまうなんて親と一緒だ…!というふうに。原因や背景が親と違っていたとしても、「同じだ」と無理矢理納得しようとしてしまうことがあります。
これを回避するには、「親と自分は別の人間」という視点を持つことが大切です。
悩んでいる時点で、あなたと親は違う
「親と同じになりたくない」と悩んでいる時点で、あなたは親とは違います。
なぜなら、あなたは自分の行動を振り返り、「このままでいいのだろうか」と考えています。その悩み自体が、親との大きな違いを示しているのです。
悩みや不安を抱えている時点で、あなたはすでに「親とは違う」。
どうか、この事実を胸に留めて、自分を少しずつ安心させてあげてくださいね。
自分が思っているより、きっと大丈夫
親との関係性に悩みながらも、子育てに悩んでいる…。
この状況において必要なのは、「親と自分のこと」と「自分と子どものこと」を別々に考え解決していくことです。
なぜなら、この2つを一緒に考えてしまうと、自分の子育てを必要以上に自責しやすくなるからです。
自分の子育てを自責しやすい理由
親との関係に苦しんできた人ほど、親の行動が自分に与えた影響を強く意識しています。そのため、自分の子育てにも「同じ影響を与えてしまうのでは」と不安を抱きやすくなります。
たとえば、「親からひどい言葉を言われて苦しんだ。私も子どもに言ってしまった…」と感じると、「私は親と同じだ」「子どもも私と同じように苦しむのでは」と自分を責めてしまいます。
しかし、親の行動があなたに与えた影響と、あなたの子育てが子どもに与える影響は、別々のものです。
なぜなら、親は自分の行動を振り返らなかったかもしれませんが、あなたは悩み、考え、行動を改めようとしているからです。
親と自分のことを切り離して考えることで、あなた自身が子育てを冷静に見つめ直す余裕が生まれます。
「私がダメだから…」とすべてを自責するのではなく、「今、私はどうすればいいだろう」と前向きに考えられるようになるからです。
親との関係に悩むことと、子どもと向き合うことは別の問題です。
それぞれを切り離して考えることで、自分を責めすぎる悪循環から少しずつ抜け出せます。
事実、そうすることで、子どもとの関係性を変えた親を私はたくさん見てきました。
「親と同じになってしまうのでは」と不安になるのは、あなたが子どもの幸せを心から願っている証です。
そして、その不安を抱いている時点で、あなたは親とは違う考え方をしているのです。
親とあなたは違う
過去の親子関係と、今の自分と子どもの関係は別のもの。
親の影響を感じながらも、あなた自身が子どもと築いている関係を大切にしてください。
無理に解決しようとせず、「今のままで大丈夫」と自分に優しい言葉をかけてあげましょう。それが、子どもにも伝わる優しさの一歩になります。
それでもやはり不安になったり、「こんな時どうすればいいのか?」と悩んだ時には、メールカウンセリングでご相談ください。一人では解決が難しいとしても、専門知識を持つ人と一緒に考えていくことで、確実に解決に向かっていきます。
すでに子育てを終えて後悔しているとしても、「今感じている不安や後悔」を聞いてもらうだけで、心が軽くなることがあります。過去は変えられないからこそ、相談する意味があります。
カウンセリングはちょっと…という場合も、「いざとなったら相談する場所がある」と思ってみてくださいね。
子育ては長く孤独な側面がありますが、「何かあれば話をきいもらえる場所がある」と思うだけで子育てのプレッシャーや不安が軽くなることもあるからです。
大丈夫ですよ。