「いい子」で生きてきたあなたへ ~自分を満たす心の育て方

こんにちは。

心理カウンセラーPocheです。

「いい子」として周囲に気を配り、人の役に立ちたいと一生懸命頑張ってきた――

そのような方が、「本当の自分がわからない」「何をしても満たされない」と悩むケースが増えています。

 

もしあなたが、「いい子でいることに疲れた」と感じているのなら、この記事が何かお役に立てるはずです。

この記事では、「いい子」で生きてきた過去を否定するのではなく、その頑張りを肯定しながら、心を少しずつ穏やかにするための視点をお伝えします。

無理に「変わらなければ」と思わず、まずはあなたの過去を受け入れ、今の自分に安心感を持てるようにしていきましょう。

 

いい子って何?

  • 誰かが困っている時、自然と手を差し伸べてきた
  • 周囲を和ませるために笑顔で接してきた
  • 自分の気持ちよりも相手の都合を優先してきた

これらは、「いい子」と言われるような人たちによくみられる特徴です。

きっとあなたにも、何か思い当たるものがあるのではと思います。

 

もしそうなら、まずは「そんな自分」を褒めてあげてくださいね。

動悸や結果がどうであれ、これらはあなたが優しさや思いやりを持って行動してきた証。そんなあなたに、救われた人もたくさんいるはずだからです。

 

繰り返しになりますが、「いい子」でいたのがダメなのではありません。

「いい子」でいるために頑張ったのはすごいことですし、そうすることで得られたものも、あったはずです。失わずに済んだものもあったはずです。

 

ですが…

「いい子」でいることがあなたを苦しめているのなら、「いい子スキル」を少しずつ緩めるタイミングなのかもしれません。

そのためにもまずは、あなたが「いい子」でいなければいけなかった理由や原因を探してみましょう。

 

「いい子」で頑張る理由

大人になったあなたにとって、「いい子」でいる理由はなんでしょうか?

次に3つの理由を挙げますので、「どれに近いかな?」と探してみてくださいね。

もし、この3つに当てはまらなかったり、「理由がわからないけれど、いい子がやめられない」というのなら、この次の章でお話しする『過去の影響』が強いのかもしれません。

 

1. 誰かの役に立ちたい

「私は昔から、困っている人を見ると放っておけません。友達や同僚が落ち込んでいると、つい励ましたくなりますし、家族が疲れていると代わりに家事をしたりします。でも、最近は気づけば自分がヘトヘトになっていて…。助けたい気持ちは本物なのに、正直、しんどいと感じることもあります」

上記の相談者のように、困っている人を助けたい、笑顔にしたいという思いが、「いい子」としての行動につながることがあります。

特に、自分が辛い経験をしたことがある人ほど、同じように困っている人の力になりたいと感じることが多いのです。

 

2. 自分の価値を見つけたい

「私は誰かの役に立つことで、自分の存在価値を感じてきました。仕事では頼まれごとを断れず、つい引き受けてしまいます。家でも家族のために尽くしますが、感謝されなかったり、気づいてもらえなかったりすると『自分は必要ないのでは?』と不安になります。『ありがとう』と言われることで、自分の存在を確認している気がします。でも、本当にこのままでいいのか、自分でも分からなくなってきました。」

上記の相談者のように、「誰かの役に立つことで、自分の価値を確認できる」と感じる人もいます。

感謝されたり認められたりすることで、自分に存在意義を見出してきたのです。

ですが、「誰かの役に立ち続ける」というのは、大変なことです。思うような評価や感謝が得られず、悔しい想いをすることもあります。

その結果、上記の相談者のように「本当にこのままでいいのか」「もう頑張れない」と葛藤を抱き、相談に訪れるケースは非常に多いのです。

 

3. 周囲との調和を大切にしたい

「私は昔から、周りの空気を読んで、場が穏やかでいられるように振る舞ってきました。家でも職場でも、衝突が起きそうになると、私が折れたり譲ったりして、雰囲気を壊さないようにしてきました。でも、ふとしたときに『私は本当はどうしたいんだろう?』と分からなくなるんです。我慢するのが当たり前になりすぎて、自分の気持ちを出すのが怖くなってしまいました。」

上記の相談者は、周りの平和のために気を配り、自分を抑えてきました。それは、とても優しく思いやりのある行動です。

でも、その優しさが ‘自分を犠牲にすること’ になってしまうと、心が疲れきってしまうのです。

 

そこで月に1回のメールカウンセリングを通して、少しずつ 「私はどうしたいのか?」について一緒に考えていくことにしました。ます、このアドバイスを受けた相談者は、少しずつ「自分の気持ちを大切にする」ことに意識を向けるようになります。例えば、食事の選択や休日の過ごし方を「自分のしたいこと」を決めるようになりました。

カウンセリング2回目には、「無理に譲らずに自分の意見を伝えてみる」を試したところ、「相手が意外と受け入れてくれて驚いた…」「意見を伝えるのは、悪いことじゃないんですね」という嬉しい経験も。

カウンセリング3回目には、「私は我慢しなくてもいいんだ」と受け入れることで、心が軽くなり、周りとの関係もより自然で心地よいものになったと伝えてくれました。

 

「我慢する癖」は多くの場合、幼少期に身につきます。

でも、それは決して変えられないものではなく、相談者のように「変えていくことができるもの」なのです。

 

過去が尾を引く「いい子」

これまでに挙げた「誰かの役に立ちたい」「自分の価値を見つけたい」「周囲との調和を大切にしたい」といった思いに加えて、最も重要なのは、幼少期の環境が影響している場合です。

 

次にご紹介するのは、親や周囲から「いい子でいなさい」「言うことを聞く子が偉い」といったメッセージを受け続けた事例です。

「私は子どもの頃から、親の言うことをよく聞く ‘いい子’ でした。わがままを言うと『そんな子は嫌われるよ』と言われたので、親の期待に応えることが当たり前になっていました。大人になった今も、職場や友人関係で自分の意見を言うのが怖いんです。何かを主張すると ‘わがまま’ と思われる気がして、つい周りに合わせてしまいます。でも、そんな自分に疲れることもあります。本当の私は、どうすればいいのでしょうか?」

 

この相談者のように、、親や周囲から「いい子でいなさい」「言うことを聞く子が偉い」といったメッセージを受け続けると、子どもは「いい子でいることが自分の価値につながる」と学びます。

子どもは大人に守られ、認められることで安心感を得ます。

しかし、「いい子でないと認めてもらえない」「反抗すると愛されない」と感じる経験を繰り返すと、自分の気持ちを抑え、親や大人の期待に応えることを優先するようになってしまうのです。

 

こうした環境で育つと、自分の本音や感情を出すことに対して無意識のうちにブレーキがかかるようになります。

そして、幼少期に身につけた「いい子でいる」という癖は、大人になっても続きます。

 

なぜ「いい子でいる癖」は大人になっても続くのか

幼少期に「いい子」でいることを繰り返すと、それが一種の自己防衛本能として体に染みつきます。

すると、大人になってからも、自分の気持ちを出すことに対して「危険だ」「周囲が困る」と感じるようになり、無意識のうちに抑えてしまうのです。

さらに、「いい子でいる」ことが褒められたり認められたりする経験があった場合、その行動が安心感や自己価値の源となります。

 

たとえば、次のような心の動きが無意識に働いていることがあります。

  • 「いい子でいれば、嫌われずに済む」
  • 「自分が頑張れば、周りが穏やかでいられる」
  • 「本音を出すと批判されたり、孤立するかもしれない」

 

こうして、「いい子」でいることが自分の中で一種の「安全地帯」となり、本来の自分の気持ちや感情よりも、周囲に合わせる行動が優先されるのです。

 

「いい子でいる自分」を受け入れることから始める

「いい子でいること」は、幼い頃のあなたが一生懸命に自分を守るために身につけた大切な力です。

これは決してダメなものではなく、あなたの優しさや努力の証でもあります。

 

大人になってもその癖が続いているのは、それだけあなたが長い間、頑張ってきたからなのです。まずはその過去を否定せず、「よく頑張ってきたんだな」と自分を労ってあげてください。

そこから少しずつ、自分の気持ちに目を向けたり、「いい子でいない自分」にも価値があることを感じられるようになると、心が軽くなっていくでしょう。

 

これからの生き方

「いい子」でいることは、あなたが長年にわたって築き上げてきた生き方です。

それはあなたの優しさや思いやりの表れであり、決して否定されるべきものではありません。

 

でも…

もしその生き方が苦しくなっているのなら、「少しだけ自分を優先してもいい」と考えてみてください。

 

あなたがあなた自身の気持ちを大切にすることで、心に少しずつ余裕が生まれ、その余裕が他の人にも伝わっていくはずです。

「いい子」で生きてきた過去を大切にしながら、これからのあなた自身をもっと大切にしていけますように。焦らず、自分のペースで歩んでいきましょう。

 

 

【その気持ち、抱え込まなくて大丈夫です】

「ずっと誰にも言えなかった気持ち、抱え続けていませんか?」
「こんなことで相談してもいいのかな…」そんなふうに思う必要はありません。
あなたの気持ちを、誰にもジャッジされずに安心して話せる場所をご用意しています。
ひとりで考え続けるより、誰かと一緒に整理することで、もっと楽に前を向けることがあります。

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Posted by poche