「こう思われている気がする…」「どうせこう思ってるんでしょ?」そんな思い込みを手放すには

こんにちは。心理カウンセラーPocheです。

今日の記事は、人間関係がしんどいと感じているあなたに向けた内容です。

 

「周りがこう思っている気がする」

「どうせ、〇〇だと思っているんでしょ?」

 

誰もそんなこと言ってないのに、直接言われたわけではないのに…そんな感覚に押しつぶされそうになることはありませんか?

実は、あなたがそのような気持ちになるのには、理由があります。

この記事では、その理由を一緒に考えながら、「どうしてそんなふうに感じてしまうのか」「どうしたら少し楽になれるのか」をお伝えしていきます。

 

なぜ、そう感じるの?

「どうせこう思われているんでしょ?」と感じてしまうケースで特に多いのは、次の3つの原因です。

1:過去の経験から生まれる「思い込み」

「学生時代、先生から『もっとしっかりしなさい』『そんなこともできないの?』と言われることがよくありました。親にも『期待していたのにがっかりだよ』と言われたことがあり、そのたびに胸がぎゅっと締めつけられるような気持ちになりました。大人になった今でも、誰かに注意されると、『またダメだって思われた』『きっと私のことを見下しているんだ』と決めつけてしまいます。本当はただのアドバイスかもしれないのに、過去の言葉がよみがえって、自分が否定されたように感じてしまうんです。」

過去に否定的な言葉をかけられたり、期待に応えられなかった経験は、心に深く刻まれるものです。

上記の相談者のように、親や教師、信頼している人からの言葉や態度は、「自分はダメだ」「また失敗するかもしれない」という思い込みを強める原因となります。

このような経験が繰り返されると、今後も同じように否定されるに違いないと感じるようになり、相手の本当の気持ちを確かめる前に、自分で「きっとこう思われている」と結論づけてしまうのです。

「自分は何をしても否定される」「他人は自分より優れている」といった思い込みがつくられることもあります。

 

2:周囲の期待に応えようとしすぎる

「小さい頃から、親の期待に応えることで褒められてきました。テストでいい点を取れば喜ばれたし、親の言う通りに行動すれば『いい子だね』と言われました。でも、うまくできなかった時は『なんでこんなこともできないの?』『期待してたのに』と落胆されたこともありました。そのせいか、大人になった今でも、誰かの表情が少し曇るだけで『私が何か悪いことをしたのかも』『嫌われたかもしれない』と不安になります。本当は相手の気持ちを確かめればいいのに、怖くてできなくて…結局、自分で勝手に『きっとこう思われている』と決めつけてしまうんです。」

この相談者のように、「相手がどう思うか」が気になりすぎる場合、無意識に「他人に認められなければ自分には価値がない」と考えてしまっていることがあります。

たとえば、幼い頃に周囲の期待に応えることで褒められたり、逆に期待を裏切ると否定されたりした経験がある場合、自然と「人の期待を裏切らないように行動しなければ」と思い込む癖がつきます。

この癖が続くと、相手の本当の気持ちを尋ねたり、自分の気持ちを優先することが難しくなり、自分で勝手に「こう思われている」と結論づけるようになってしまいます。

 

3:自己評価が低いことによる感覚の歪み

「昔から自分に自信がなくて、ちょっとしたことでも『私が悪いんだ』と思ってしまいます。先日、同僚が忙しそうにしていたので話しかけたら、少し素っ気ない返事が返ってきました。きっとただ忙しかっただけなのに、『私のことを嫌がっているのかも』『何か気に障ることを言ってしまったのかな』と考え始めると止まらなくなりました。相手の表情や言葉の端々を気にしすぎてしまい、『また嫌われたかもしれない』と落ち込むことが多いです。本当は気にしすぎなのかもしれないのに、どうしても悪い方向に考えてしまいます。」

相談者の場合は、「昔から自分に自信がない」ことが、自己評価を低くしていました。そのせいで自分に対するネガティブな感情が根強くなり、周囲の言葉や態度が過剰に気になってしまっていたのです。

頭では「ただ忙しいだけだったのかも」と思えても、心が「私のことを嫌っているのでは」「私が何かしたのでは」と真逆の反応をする……そのせいで、自分でも何をどうすればいいのか分からない状態になっていました。

 

この相談者の場合は、カウンセリングを通して「なぜそう思ってしまうのか」ということを丁寧に掘り下げて行きました。そして、「私が何かしたのでは」と不安になった時にどう考えていくかを実践していくことに。

カウンセリング2回目の当日、「私のせいだ…って不安になった時に、『昔の癖でそう思っちゃうだけ!』と言い聞かせるようにしていたら、前より気にならなくなってきたんです!!」と嬉しそうに報告してくれました。

 

自己評価が低くても、自分に自信がなくても、昔の癖が強くても…「変えたい」「変わりたい」と思えば、変えていけます。男身してくださいね。

 

自分を責める背景にあるもの

「周りがこう思っている気がする」

「どうせ、〇〇だと思っているんでしょ?」

…このように感じる背景には、過去の経験や家庭環境の影響が考えられます。

ここでは、特に影響を与えやすい事例を3つご紹介します。「近い出来事はあっただろうか?」と、ご自身の過去を振り返ってみてくださいね。

1:幼少期の家庭環境の影響

子どもの頃、「親に従わないといけない」と感じた経験が大人になっても影響することがあります。

たとえば、「自分の意見を出したら怒られた」「兄弟や他の子と比較され、評価された」という経験があると、相手に合わせて行動しないと認められないと思い込んでしまうのです。

例えば…

「子どもの頃、親の言うことを聞かないとすぐに怒られました。『そんな考えは間違ってる』『お兄ちゃんはちゃんとできるのに』と言われるたびに、『親に従わないとダメなんだ』と思うようになりました。自分の意見を言っても否定されるなら、最初から言わないほうがいい…そんなふうに考える癖がついてしまったのかもしれません。大人になった今でも、職場や友人関係で自分の気持ちを押し殺してしまいます。相手に合わせないと受け入れてもらえない気がして、『本当はこう思っている』と言えないまま、ただ頷くだけになってしまうんです。」

 

「家族から言われた言葉」は良くも悪くも、心に残りやすいです。

たとえば、「デブ」「ブス」「バカ」といった言葉が繰り返し言われることで、「自分には価値がない」という思い込みが強化されることがあります。相談者のように「明らかな暴言」ではなくても、自己否定感が残ることもあります。

大人になってから褒められても、「どうせお世辞だ」「本当にそんなことを思っているのか?」など、褒め言葉をそのまま受け取れなくなってしまうケースは珍しくありません。

この場合は、「過去のどんな言葉が今の自分に影響しているのか」を知ること、探ることが第一歩となります。

 

2:母親や兄弟の影響

親や兄弟との関係性が、自己評価の低さを生む原因になることがあります。

例えば…

「子どもの頃から、兄のほうが親に大切にされているように感じていました。兄が何かを頑張れば褒められるのに、私が同じことをしても『当たり前』と言われるだけ。母からは『あなたはしっかりしているから大丈夫』と言われていましたが、本当はもっと認めてほしかったんです。だから、怒られないように親の期待に応えようと必死でした。大人になった今も、つい相手に合わせてしまいます。『自分がどうしたいか』よりも、『相手が求める自分』でいるほうが安心するんです。でも、それが本当に自分の望む生き方なのか、時々わからなくなってしまいます。」

上記の相談者のように、「兄弟のほうが大事にされている」「母親に厳しく扱われた」と感じると、自分は認められていないと思い込みやすくなります。

そのほか、「自分がどうしたいかより、相手に合わせることを優先してきた」という人は、家庭環境の中でそのような行動を繰り返した結果、周りに認められることが自己評価の基準になっている場合があります。

 

この場合には、「本当に自分」について知ることが第一歩。

何が好きで、何が嫌いで、自分は何を感じ、本当はどうしたいのか…。「分からない」と感じているものを取り戻す過程が必要です。

 

3:他人から受けた経験の影響

親以外の他人、たとえば学校の友人や教師、職場の上司や同僚からの言葉や態度も、自己否定感や「こう思われているに違いない」という感覚を生む要因になることがあります。

例えば…

「学生時代、友人から冗談のつもりで『どんくさいね』『本当に要領悪いよね』と言われることがありました。笑って受け流していたけれど、何度も言われるうちに『私はみんなより劣っているんだ』と思うようになりました。先生からも、『もっとしっかりしなさい』『そんなこともできないの?』と言われることが多く、そのたびに自信をなくしていきました。社会人になってからも、上司の機嫌や同僚の評価が気になって仕方がありません。『またダメだと思われるかも』『ちゃんとできていないって思われてるかもしれない』と不安になり、自分の意見を言うのが怖くなってしまいます。」

 

上記の相談者は、50歳を超えています。それでも、学生時代の言葉が尾を引いていました。

このように、友人からの冗談交じりの一言や、教師からの厳しい指導が繰り返されることで、「自分は劣っている」「何をしてもダメだと思われている」と思い込まされてしまうことがあるのです。

本人はそのことを恥じていましたが、何十年も前の言葉が「今も心を深く傷つけている」ケースは珍しくありません。決して恥ずべきことではなく、「あなたは長い間頑張って戦い続けてきたのだ」と伝えると、そんなふうに言ってくれる人は今までいなかったと涙を流していました。

 

あなたは、あなたのままでいい

「どうせこう思っているんでしょ?」という感覚に悩むのは、過去に傷ついた経験や、周りの期待に応えようとしてきた証です。

その頑張りは、あなたがそれだけ一生懸命生きてきたことの表れでもあります。

 

人である以上、完璧に周りの目を気にしなくなるのは難しいかもしれません。全く気にしなくなるのも、それはそれで問題が生じやすいからです。

 

でも、少しずつ自分の感覚を優先すること、ネガティブな思い込みに気づくことが、心を楽にする第一歩。

あなたが少しでも生きやすさを感じられるよう、応援しています。

 

【その気持ち、抱え込まなくて大丈夫です】

「ずっと誰にも言えなかった気持ち、抱え続けていませんか?」
「こんなことで相談してもいいのかな…」そんなふうに思う必要はありません。
あなたの気持ちを、誰にもジャッジされずに安心して話せる場所をご用意しています。
ひとりで考え続けるより、誰かと一緒に整理することで、もっと楽に前を向けることがあります。

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Posted by poche