親の許可がないと出来ない…自由に生きたいと思うのに「親の意見が気になる」あなたへ
こんにちは。心理カウンセラーPocheです。
今日の記事は、「親に黙って行動できない」と悩むあなたに向けた内容です。
- 親に隠し事ができない
(隠し事をしてはいけないと思う) - 親に嘘をつけない
- 何か始める時・辞める時には、親に報告しなければいけない
- 親の許可がないと不安
- 親の許可なしに、何かを始めることができない
- もっと自由に行動したいと思うが、親のことが頭をよぎる
あなたは、上記のように思うことがありますか?
あなたが今未成年であるのなら、親に許可を取らなければいけないこともあるでしょう。
ですが、あなたがすでに成人済みであるのなら、自分の意思だけで行動できることはたくさんあります。親の許可を取らなくても、よいことがあります。
例えば、何を着るかどうか、どんな趣味を持つかどうか、どんな仕事をするかどうか、誰とどんな付き合いをするのかというのは、自分で自由に決めても良いことです。
親に許可を取る必要はありませんし、親があなたに反対したとしても、親の意見に従うかどうかはあなたの自由です。
誰とどこで遊ぶのか、どんなふうに過ごすのか、どんな働き方をするのか……それを決めるのは「あなた」であり、本来であれば「親」に口を出されても気にする必要はありません。
親の人生ではなく、あなたの人生だからです。
…と言いたいところですが。
ここまで読んで「それができれば苦労しない!」「頭では分かっているけど…」と感じた方もいるのではと思います。
「そんなことしていいの?」と戸惑ったり、「親に黙って何かするなんてあり得ない」と感じている人もいるかもしれませんね。
それでいいのですよ。
そう思っても、大丈夫です。
私がここから先に書くのは、そんなふうに感じている「子どもの立場のあなた」に伝えたいことです。
親に許可を取るのは「ダメではない」
親の許可を取ることが良くない、と言いたいのではありません。
あなた一人で決められないようなことなら、親の許可を求めるのは自然なことです。
内容によっては、許可を取らなければいけないこともあれば、許可を取った方が良いこともあるでしょう。
だから、あなた自身が「親の許可なしに行動できないこと」に悩んでいなければ、全く問題ないのです。
同様に、自分で決めて行動できないのがダメだ、と否定したいのでもありません。
大人なのだから自分で決めるべき、ということでもありません。
誰かに相談したり、誰かの意見を聞くことが必要なこともあります。何でもかんでも一人で決めた方が良い、ということはありません。
だから、あなた自身が「親に相談しないと決められない。行動できない」と悩んでいなければ、全く問題ないのです。
でも、もしもあなたが、親の許可を取らなければいけないことに不自由を感じていたり、「自分で決められない」「誰かに聞かないと不安」と悩んでいるのだとしたら、「親との関係」について考える良い機会かもしれません。
悩んでいるということは、親との関係が、あなたにとってストレスになっている可能性があるからです。
あなたが親に許可を取る理由は?
「親の許可を取らなければいけない」と思うことに悩む人は多いのですが、その理由は様々です。
恐怖心からそうする人もいれば、罪悪感や不安からそうする人、親に認めてほしいという期待からそうする人もいます。
次の2つのうち、あなたに近いのはどちらでしょうか?
1:許可を取らないと不安
次に挙げるのは、「親に許可を取らないと不安」という2つの具体例です。
友達とご飯に行く時さえ、親に言わなきゃと思います。
「何時に帰るの」「どんな子なの」「外食ばかり体に悪い」「また?」など否定的なことを言われることもあり、親に報告するのが嫌でご飯に行くのをやめたこともあります。
「黙ってればいいじゃん」と友達に言われることもありますが、親から電話がかかってきた時にすぐ出られないと、「誰とどこにいたのか」「何をしていたのか」としつこく聞かれるので…。
自分で決めてうまくいかなかったら…と不安です。親が「大丈夫」「いいんじゃない」と言ってくれれば安心して出来ますが、反対されるとそれ以上強く言えません。
そのせいなのか、仕事でも誰かの承認を求めてしまいます。これでいいのか聞かないと、なんだか不安になるんです。
- 自分で決めたことに自信が持てない
- 一人で決めるのが苦手
- 親に言わずに出来なくもないが、「親に言った方がいい」気がする
- 親が認めてくれると、安心する
これらは、子どもの頃から、親があれこれと手出しする環境で育った人に多い傾向です。
親は「良かれと思って(あなたのためを思って」行動していたり、「自分が良いと思うもの=あなたにとっても良いもの(あなたもいいと思うはず)」と考えていることもあります。
子どものために何かしら行動しているため、周囲からは「良い親」に見えることも多いです。
親が子どものために行動するのがダメだ、と言いたいのではありません。
親がする行動と、子どもが求める行動が一致していれば、何も問題ありません。
問題になるのは、「子ども(自分)求めること」と「親が子どもにしてあげたいこと」が違う場合です。
現実には「ほしいものが貰えず、いらないものが与えられている」ので子どもは苦しみますが、周囲からは「恵まれている」ように見えてしまうため、その大変さが周囲には理解されません。
苦しさに共感してもらえないどころか、「わがまま」「甘えている」と勘違いされてしまうこともあります。
さらには、親があれこれと手出しすることで、「自分で考えて決めるチャンス」が圧倒的に減ります。
子どもの頃に「自分で決める」という回数が減ることで、自分で決めることに慣れていない状態です。
その結果、自分で決めることに自信が持てなかったり、何かを決めることに苦手意識が出やすいのです。
周囲と比べて「どうして私は出来ないのだろう…」と落ち込む人は多いのですが、周囲とあなたの違いは、子どもの頃に決断した回数の差です。
「まだ慣れていないだけ」と思い出してみてくださいね。
あなたの何かがダメだとかそう言うことではなく、これから慣れていけば、大丈夫ですから。
2:許可を取らないと大変なことになる
次に挙げるのは、「親に許可を取らないと大変なことになる」という2つの具体例です。
今の仕事を辞めたいと思っていますが、親は絶対認めてくれないだろうなと思います。
彼に相談したら「辞めてから言えば?」と言われましたけど、そんなことしたら親が何を言うか…。責められるのが目に見えています。
今すぐ辞めて転職したいという気持ちと、親に言うくらいなら我慢して働いていた方がマシ…という気持ちで揺れ動きます。もうしんどいです。
趣味でやりたいことがあるのですが、親に反対されそうで言えません。
こっそりやればいいのかもしれないけれど、バレたらどうしようと思うと怖いのです。「いい大人なのに」と思われるかもしれませんが、怖すぎてやりたいことさえ楽しめないです。
今思えば、子どもの頃からずっと「親はどう思うのか」ばかり考えて、「これなら親にバレても大丈夫」「これなら親も認めてくれる」と思うものを選んできたような気がします。
- 親に黙って何かするなんて、あり得ない
- 親にバレたら、大変なことになる
- 親に許可をとっておかないと、面倒なことになるような気がする
先ほどのケースは「罪悪感」「不安」が根底にありますが、こちらのケースは「恐怖」が根底にあります。
多くの場合、この恐怖は子どもの頃に植え付けられます。
親に黙って何かをして酷く怒られた経験があったり、隠し事がバレて後悔したり、嘘をついて大変なことになったり……。
過去の経験から、「親の許可を取らない=ダメなこと」「親に黙ってする=良くない結果につながる」というふうにインプットされた状態です。
「子どもの頃に、あなたを怒った親が悪いんだ!」と、親を非難したいのではありません。
そもそも、「何をしても怒らない親」というのは私が知る限り見たことはありませんし、何をしても怒らないことを推奨したいのでもありません。それはそれで、違う問題が生じます。
年齢とともに「親の許可がなくても平気」「自分の意思で行動していい」と思えるようになっているのなら、全く問題ありません。
ここでお伝えしたいのは、「親に許可を取らなければ大変なことになる(許可を取らなければダメ)」という子どもの頃の経験が、大人になった今も影響を及ぼしているかもしれない…という可能性についてです。
子どもの頃に感じた恐怖心というのは、あなたが思っている以上に強く残ります。
ですが、子どもの頃の恐怖から「親に許可を取らなければいけない」と思っているだけで、大人になった今は「怖いことは起こらない」と気づくことができれば、少しずつ自分で行動できるようになっていきます。
厄介なのは、あなたが大人になった今も、親から「報告すること」「親の許可を得ること」を求められている場合です。
子どもの頃の影響で「自分がそう思ってしまう(許可を取らなければと思ってしまう)」だけでも大変だというのに、「大人になった今も許可を取ること」を親に求められている場合には、相当苦労します。
「親の許可を得ない」という罪悪感、「親に逆らう」という恐怖とも戦わなくてはいけないからです。
もしもあなたがその一人なら、「親の許可がないと行動できなくて当然だ」と、今の自分を肯定することから始めましょう。
行動できない自分を責める前に、「親の許可を得なければ行動できなかった過去の自分」を認めてあげてください。あなたは相当耐えて、我慢して、頑張ってきたはずだからです。
その上で、「本当は、親の許可がなくても行動してもいい」ということに納得できれば、行動していきましょう。慌てなくて大丈夫ですよ。
親の許可がなくても「していい」
これまであなたは、様々な理由から「親の許可を取らなくてはいけない」と思ってきたのではと思います。
許可を取らずに勝手に何かをしたことが親に知られたら、怒られたり、悲しませたり、呆れられたり…大変なことになるという人もいるでしょう。
私がここで今あなたに伝えたいのは、大人になった今、「あなたは親の許可がなくても行動してもいい」ということなのです。
親だとしても、あなたの選択や決断に口を出す権利はありません。これは、あなたの人生だからです。親には、あなたの人生の責任を取ることはできません。
罪悪感を感じることがあるかもしれませんが、あなたが悪いことをしているわけではありません。
子どもの頃にダメだったことをしようとしたり、これまでとは違う行動をしようとした時に、罪悪感が出やすいだけです。
罪悪感から苦しくなった時には、「悪いことをしているからこんな気持ちになるわけではない」と思い出してくださいね。
怖くなることがあるかもしれませんが、あなたは怒られるようなことはしていません。
自分で選択して決断するのは怒られるようなことではなく、あなたが自立しているからこそできること。成長です。
ここまで読んでスッキリした人、「やってもいいんだ」と納得できた人は、ぜひ「親の許可を取らずに何かやってみる」ことを試してみてください。
「頭ではわかったけど、現実には難しいな」と思えば、それはそれでOKです。
「親の許可をとってはいけない」ということではありませんし、親の許可を取る自分を責めてしまうくらいなら「今のままでいい」と思う方がずっと良いです。
「親の許可がなくても行動してもいいんだ」という事実について知っておくだけで、どこかのタイミングで「やってもいい!」「やってみよう」と行動するタイミングがやってくるかもしれません。
ここまで読んでくれたあなたなら、きっと、大丈夫ですよ。