親に振り回される人生を終わらせたい——家族との距離の取り方と心の折り合い
こんにちは。
心理カウンセラーPocheです。
「もう大人なのに、親の言葉に振り回されてしまう…」
「親の期待に応えようとしてしまう自分がいる」
「頭ではわかっているのに、親との関係が苦しい…」
そんなふうに感じることはありますか?
でも実は、あなたと親との関係性において、絶対的な正解はありません。
誰かから「親と離れた方がいい」と言われても、あなたが「離れたくない」と思えば、離れない方が良いこともあります。反対に、「親と関係を修復した方がいい」と言われても、あなたが「離れたい」と思えば、離れた方が良いのです。
だからこそ、大切なのはあなたの気持ち。
この記事では、その「あなたの気持ち」を整理するお手伝いができればと思います。
なぜ、親の影響を受けすぎてしまうのか?
親に振り回されてしまう背景には、いくつかの理由があります。
① 「親の期待に応えなきゃ」という思いが強い
・「ちゃんとしなさい」と育てられてきた
・親の機嫌を取ることで、家庭が穏やかになると感じていた
・子どもの頃から、「親の望む自分」でいることが当たり前だった
➡ 「親に認められることで安心できる」という感覚が、無意識に残っていることがあります。
② 親の言葉が「絶対的な正解」に思えてしまう
・「こうするべき」と親に言われると、反論できない
・「親がそう言うなら、自分の考えは間違っているのかも…」と思ってしまう
・たとえ親の考えが古いと感じても、否定するのが怖い
➡ 「親の価値観=正しいもの」と思い込んでしまうと、自分の気持ちを後回しにしてしまうことがあります。
③ 「親を大事にしないといけない」という罪悪感がある
・「親を大切にするのが当然」と思っている
・「親を傷つけることを言ったら、申し訳ない」と感じる
・「こんなに育ててもらったのに、私は冷たい子なのかな?」と悩む
➡ 「親に逆らう=親不孝」という思い込みがあると、距離を取ることに強い抵抗を感じてしまいます。
親との距離の取り方
親の影響を受けすぎないためには、「関わり方を自分で決める」ことが大切です。
次のような考え方を取り入れることで、少しずつ親と適度な距離を取ることができるようになります。
少しずつ「私はこうしたい」を大切にしていきましょう。
✅ 「親の言葉=絶対」ではないと意識する
✅ 「私はどうしたい?」と自分に問いかける習慣をつける
✅ 「できること」と「やらなくていいこと」の境界線を持つ
✅ 「親を大切にする=言いなりになる」ではないと理解する
✅ 罪悪感で動きそうな時はいったん立ち止まって、「本当はどうしたい?」という自分の気持ちを基準に行動してみる
相談事例:「親の意見を受け流せるようにDさん」
Dさん(30代・女性)は、母親の意見に振り回されてしまうことに悩んでいました。
・母親から「その服、似合わないんじゃない?」と言われると、急に不安になる
・仕事のことでアドバイスされると、「やっぱり母の言うとおりにしないとダメなのかな?」と思ってしまう
・本当は違う選択をしたいのに、母の言葉が頭から離れなくなる
そんなDさんがカウンセリングで取り組んだのは、「親の言葉を受け流す練習」でした。
(直接言い返すことに抵抗があったので、まずは心の中で思うことから始めました)
たとえば…
🔹 「その服、似合わないんじゃない?」と言われた
➡ 「そう思うんだね。でも私はこれが好きだから」と心の中で思う
🔹 「その仕事、あんまり向いてないんじゃない?」と言われた
➡ 「母はそう感じるのかもしれない。でも決めるのは私」と考える
🔹 「結婚は早くしたほうがいいよ」と言われた
➡ 「母の時代はそうだったのかも。でも私は私のペースでいい」と距離を取る
最初は「母の言葉を無視しているようで申し訳ない」と罪悪感が出たDさんですが、「親の意見はあくまで参考」と考えるようになり、少しずつ気持ちが楽になったそうです。
📩 Dさんから届いたメール(カウンセリング1ヶ月目)
「前は、母に何か言われるたびに『やっぱりそうなのかな…』って考え込んでいました。
でも、『私は私の考えを大事にしていい』って思うようになってから、母の言葉を聞いても前ほど気にならなくなりました。
まだ完璧に割り切れたわけじゃないけど、少しずつ『私はこうしたい』を大切にできるようになっています!」
親との関係は「適度な距離」があってもいい
大切なのは、「私はこうしたい」という気持ちを、少しずつ優先できるようになること。
「親を大切にすること」と「親に振り回されること」は、別の話。
「親の意見をすべて拒否しなくてもいい。でも、『どこまで受け入れるか』は自分で決めていい」と考えるようになると、少しずつ気持ちが楽になっていきます。
今回Dさんは、心の中で「親と距離を取る」ことで、親に振り回されないようになっていきました。でも、全ての人がこのケースでうまくいくとは限りません。
「距離を取る=冷たいことなのでは」という葛藤が強すぎる場合は、自責が強くなって、ますます苦しくなってしまうこともあります。
親との関係は、それぞれの家庭や状況によって異なるもの。だからこそ、一人で抱え込まずに、自分に合った距離の取り方を一緒に考えていくことが大切です。
もし、いろいろ試してうまくいかなかったり、一人で試す勇気がなかったり、「私の場合はどうすればいいの?」と悩んだ時には、信頼できる第三者の力を借りてみてくださいね。
親との関係にモヤモヤしているあなたが、少しずつでも「私はこうしたい」と思えるようになることを願っています。