人と親しくなりたいのに「できない」「うまくいかない」「疲れてしまう」
こんにちは。心理カウンセラーPocheです。
今回のブログは、「人と親しくなりたいのに出来ない」と思うあなたに向けた内容です。
もしあなたに、次のような悩みに思い当たることがあるのなら、今回お伝えすることが悩みを解決するヒントになるかもしれません。
- なんでも話せる友達がほしい。でも、いない。
- 信頼できるパートナーがほしい。
- 相手に心を開くまでに、時間がかかる。
- 心を許せる相手を見つけると、依存しすぎてしまう。
- 「ずっと一人なのでは」という不安がある一方で、「一人が楽」という思いもある。
人と親しくなれない理由は何?
「人と親しくなれない」という悩みの裏には、いろいろな思いや悩みが隠れています。
ここでは、特に相談が多い3つのケースについて、実例を挙げてご紹介します。
理由1:自己肯定感が低い
高校生の頃、親に「携帯(スマホ)を買ってほしい」とお願いしたら、「お前に連絡を取るような友達なんていないだろ。必要ない」と笑われました。
人と話すのも苦手だし、面白いことも言えないし、見た目にも自信がありません。私なんかと一緒にいても楽しくないだろうな、つまらないだろうなと思うと、誰かに話しかけることさえ嫌になります…。
もっと、かっこよかったら。もっと、明るかったら。もっと、話が上手だったら。もっと、気が利いたらー。そんなふうに思うと、キリがないです。
「友達に嫌われる人の特徴5選」とか見てると、自分に当てはまってることも多いでし、結局、自分がこんなんだから友達の一人もできないんだよなって思います。
「私なんて」という思いが強い場合は、「こんな私と」「親しくしてくれる人がいるわけがない」という思いが親しくなることにブレーキをかけます。
人と親しくなりたいけれど、「なれるわけがない」「どうせなれない」と心の中で諦めてしまっている状態です。
理由2:他人=自分を傷つける
小学生の頃、仲良くしていた子に、急に無視されたり悪口を言われたりしたことがあります。その子が好きだった男の子と話していたことが原因かもしれませんが、今でも理由はよく分かりません。
でも、それ以来、親友と呼べるような人は一人もいません。大人になった今もです。
「他人=私を傷つける」って印象が強いです。本当の私を見せたら離れていく、自分の気持ちを言ったら否定される…そんな感じがします。
「いい子で優しい私」にしか、誰も興味なんてないんだろうなと思います。
信じていた人に裏切られたり傷つけられたりした過去がある場合は、「親しくなることそのもの」への警戒がブレーキをかけます。
「親しくなりたいけど、なりたくない」「親しくなりたいのに、親しくなると不安になる」という人も多いです。
「嫌われるくらいなら、こっちから離れよう」「どうせこの人もいつか…」という気持ちが働いて、急に関係を絶ってしまうこともあります。
親しくなれそうな相手だったり、実際に親しくなった相手に対して、ふとした瞬間に強いブレーキがかかります。
理由3:親しくなる=面倒
父親は仕事人間だったので、母親の愚痴を聞くのは私の役目でした。自分の話を聞いてもらうより、母の話を聞く方が多かったんじゃないかなと思います。
そのせいなのか、「誰かと仲良くなる=相手の話ばかり聞かされる」という印象が拭えないです。というか、実際にそうなってしまうことの方が多くて、人と親しくなることを煩わしいと感じることもあります。
人に嫌われたいとは思わないですけど、だからといって好意を示されると「気持ち悪い」「なんか嫌」「重たい」と感じたりします。
誰かと一緒にいる時に「楽しそう」にすることはできますが、内心では「合わせているだけ」で楽しめていないし、家に帰ってめちゃくちゃ疲れます。
子どもの頃、親の愚痴の聞き役・相談役になっていた場合は、「人と親しくなること=面倒なこと」というイメージが強くなります。
「人に好意を向けられやすい」「優しいと言われる」「相手が何を言って欲しいか何となくわかる」「相談していたはずが、最終的に私が相手の話を聞いていることもある」など、人の話を聞くスキルが高い人に多い傾向です。
「自分の気持ちを伝えるのは苦手」「相手がどう思うか」を真っ先に考えてしまうことが多く、相手に対してものすごく気を遣うため、人と一緒にいるだけで疲れてしまいます。
過去に苦労した経験から、好意を向けられることに良いイメージが持てず、「親しい人がほしい」という気持ちと「親しい人ができたら面倒だ」という真逆の気持ちが綱引きしているような状態です。
本当に「親しくなりたい」ですか?
ここで1つ考えてみてほしいことがあります。
それは本当に、誰かと親しくなりたいのかどうか…ということです。
あなたが自由に使える時間や体力を使ってまで、誰かと一緒にいたいと思えますか?
誰かのために合わせたり、誰かのために我慢することがあったとしても、誰かと一緒にいたいと思えますか?
もし、誰の目も気にしなくてよくて、誰もあなたの生き方に口出ししてこないとしても、それでも「親しい人がいないとダメだ」「親しい人がほしい」と思いますか?
なぜこのような質問をしたかというと、「実はそこまで誰かと親しくなりたいと思っていないケース」がとても多いからなのです。
「親しい人がいる方が良い」という世の中の雰囲気や、「パートナーがいる方が幸せ」という誰かつくりだした幸せのテンプレートの影響で、「親しい人を作らなければいけない」「親しい人がいないのはおかしなことなのでは」と不安になる人が増えています。
その結果、本当は一人でいる方が楽なのに、「親しい人がいないこと」に悩みます。
人と一緒にいることに疲れてしまうにも関わらず、「親しい人をつくろう」と無理をしたりします。
「このまま一生一人なのでは」という不安や焦りがある一方で、だからと言って「人と一緒の人生にも希望が持てない」という人もいます。
「別に一人でもいい」「一人の方が気楽」と思いながらも、パートナーを探すこともあります。自身の焦りから行動することもあれば、周囲の期待やプレッシャーからそうすることもあります。
その結果、本音ではパートナーを作ることに煩わしさを感じているのに、「パートナーができないこと」に悩んだり落ち込んだりしてしまうこともあります。
今ここでお伝えしたいのは、親しい人がいるのが、良い・悪いということではありません。
親しい人をつくりたいと思うのが、良い・悪いということもありません。
SNSを開けば「親しい人がいることのメリット」ばかり目につくかもしれませんが、現実にはそうとは限りません。
親しい人がいる=幸せになれる、ということはありません。
SNSで目にする「親しい人がいる、幸せそうに見える人たち」が、本当に幸せなのかはまた別の話です。本当に幸せなら、わざわざSNSで幸せをアピールしなくても、現実の生活で満たされているはずだからです。
親しい人がいる=人生が充実する、ということもありません。
SNSで目にする「親しい人がいる、充実して見える人たち」は、とびきり素敵な瞬間を切り取っています。そうすることで、「人生が充実しているように見せている」だけなのかもしれません。ビジネス面において、理想の自分を演じ、見せていることもあります。
親しい人がいる=悩みが消える、というわけでもありません。
そもそも、「親しい人がいる=悩みが消える」というのはまた別の話です。親しいからこそまた別の悩みを抱えることもあります。人との関係性が増えれば、それだけ悩みの数も増えます。
大切なのは、「あなたが本当はどうしたいのか」という気持ちです。
「親しい人がいないこと」に悩んでいたり、そんな自分を責めているのだとしたら、まずはあなたが本当に「親しい人を作りたいと思っているのか」ということを振り返ってみてくださいね。
何をしてでも「親しい人がほしい」と思うなら、今回お伝えしたように「なぜ親しい人を作ることにブレーキがかかっているのか」をもう一度考えてみてください。
理由がわかれば、対処法を見つけていけます。
反対に、「実は、そうまでして欲しいと思っていない」と気づくこともあるでしょう。それはそれで、良い発見ですよ。
もしそうなら、「親しい人がいない自分」を責める必要はない、と納得できるようになるからです。
「いない」のではなくて、「いらないから、作らないだけ」と思えるようになっていけば、今のように悩んだり自責したり落ち込むこともなくなります。
いろいろな人の価値観や考え方に、簡単に触れられる時代だからこそ、「本当は私はどうしたいの?」と問いかけていきましょう。
そうすることで、必要以上に自分を責めたり落ち込んだりすることは、なくなっていくはずです。