【雑談や質問が苦手…】頭の中には言いたいことがあるのに「うまく言えない」「あとで後悔する」
こんにちは。心理カウンセラーPocheです。
- 頭の中には自分の意見があるのに、人を前にすると言えない
- いきなり質問されると、うまく答えられない
- 後になって、「ああ言えばよかった」「何であんなことを言ったのだろう」と後悔する
- 自分の意見をちゃんと言えるようになりたい
このように思うことはありますか?
今日のブログは、「話すのが苦手」と感じているあなたに向けた内容です。
ただし……今回お伝えするのは、「誰でも話すのがうまくなる魔法の方法」ではありません。
なぜ「話すのが苦手なのか」ということについて、お伝えしていきます。
過去を振り返るのは良くないこと?
これまで私は「あなたの抱えている悩みが過去と関係しているのかもしれない」と繰り返しお伝えしてきましたが、「過去は変えられないのだから、未来を見るべき」「これからのことだけ、考えるべき」という考え方もあります。
「これからどうするか」について考え、行動して、うまくいくのであれば、それはそれで良いのです。
無理に過去について考える必要はありません。
ですが、「変わりたいのに変われない」「頑張ってもうまくいかない」のだとしたら、過去について考えることで前に進めるようになるかもしれません。
頑張ってもうまくいかない時というのは、原因と対策が合っていないことが多いからなのです。
原因がズレていると…
たとえば「人に頼れるようになりたい」と思って、「頼る方法」について本やネットで勉強したとしましょう。
頑張って頼り方を習得したのに、やっぱり人に頼れない……そうなった時、頼れない自分を責めてしまう人は多いです。「なぜ自分はできないんだ」「頑張りが足りないのでは」と、自分を追い込んでしまうこともあります。
頼れない原因が、「頼り方がわからないからだ」と思って頑張ったのに、うまくいかない。
そういう時には、そもそもの原因がズレている可能性があります。
頼れない原因は「頼り方がわからない」からではなく、「本音の部分では頼らないほうがいい、頼っても意味がないと思っていた」からかもしれないのです。
過去、誰かに頼って傷つけられたり、後悔したり、「人に頼ってはいけない」というような教育を受けて育っていると、「頼るのが良くないことだ」と思ってしまうことがあります。
「うまく話せない」3つの例
先ほどの例のように、「原因」がズレていると、どれだけ頑張ってもなかなかうまくいきません。
だからこそ、今回のテーマ「うまく話せないこと」ついても、まずは「うまく話せない原因」から考えてみてほしいなと思うのです。
「話せない自分がダメだ」と落ち込むのではなく、「なぜ話せない、と感じるのだろう」「いつ頃から、そう思ったのだろう」ということについて振り返ってみましょう。
今回は、考えられる原因の中から3つピックアップしてご紹介します。
※掲載許可をいただいた実際の相談例をもとに、個人が特定できないよう一部内容を変更しています
例1:「どう思われるか気になる」Cさんの場合
自分の意見を言う時に「何なら嫌われないかな」「どう言えば感じが悪くならないかな」と、相手がどう思うかが気になりすぎてしまうというCさん。
相手が望む答えを言ってしまうことが多く、あとになって後悔することが多いのだそう。「自分の意見をちゃんと、その場で伝えられるようになりたい」と相談に訪れました。
「相手がどう思うか気になりすぎてしまう」というのは、親の顔色を伺いながら育った人が抱えやすい悩みの1つです。
子どもの頃に「親がどう思うか」を気にしなければいけなかった人ほど、大人になって「相手がどう思うか」が気になってしまいます。
それは、人間関係のベースが親子関係にあるからです。
Cさんの場合は、自分の意見を言うと相手が気分を害すのでは……という思いが「意見を言うことのブレーキ」として働いていました。
子どもの頃、自分の意見を言うと「生意気」「おかしい」と親に否定されたことが、今も心の傷となっていたのです。
例2:「自分の意見がない」Bさんの場合
「あなたはどう思う?」「あなたの意見を聞かせて」など、自分の考えを問われるのが苦手だというBさん。
質問されても「えっと…そうですね」と言葉に詰まってしまって会話が続かないのが悩みで、上手に受け答えできるようになりたいと相談に訪れました。話を聞くと、そもそも「自分の意見があまりない」のだと言います。
Aさんは「自分の意見があるのに、言えない」と悩んでいましたが、Bさんは「自分の意見がないから、言えない」と悩んでいました。
自分の意見がないと感じている場合は、その原因が「子どもの頃」にあることが多いです。
子どもの頃、何らかの出来事が原因で、「自分の意見は言わないほうがいい」「意見を言っても意味がない」と感じている可能性があります。
「出来事」といっても、何か大事件があったとは限りません。
親が自分の話を聞いてくれなかったり(言っても意味がない、に繋がる)、親の価値観を強く押し付けられていたり、自分の意見を否定されるような環境で育ったこと(意見を言わないほうがいい、に繋がる)が原因で「自分の意見がわからない」に至ることもあります。
自分の意見を持つメリットがないからこそ、知らず知らずのうちに「自分の意見を持たなくなる」ことがあるのです。
例3:「うまく言葉が出ない」Aさんの場合
ふだんから、いろいろ考え事が多いというAさん。
頭の中には言いたいことがたくさんあるし、自分の意見もしっかり持っているのに、いざ人を目の前にすると「言いたいことがうまく伝えられない」と悩んで相談に訪れました。特に急に話を振られるのが苦手で、「どう思う?」と質問されると、頭が真っ白になって、何も言葉が出てこなくなってしまいます。
家に帰って「ああ言えばよかった」「こう返せばよかった」と、後悔することが多いのだと言います。
Aさんの場合は、発表の場など「事前に準備できるもの」に関してはそれほど苦手意識はないのですが、雑談など「何を聞かれるかわからないシチュエーション」が苦手だと感じていたのです。
この場合は、「いつ頃からそう感じるようになったのか」が重要です。
大人になって急にそうなったのであれば、「そうなるに至った出来事」が何かあります。
自分が言った言葉でトラブルに発展したり、何かよくない事態に発展したり、誰かから傷つくようなことを指摘されたり…「自分の意見を言わないほうがいい」と思うような出来事が、何かあるはずです。
子どもの頃からずっとそうなのであれば、「自分の意見を言う機会」が少なかった可能性があります。
親が忙しくて自分の話をあまり聞いてもらえなかったり、親が自分の意見を否定するタイプだったりすると、「家の中で自分の意見を言う回数」が減ります。
その結果「自分の意見を言うこと」に慣れないまま、大人になってしまうのです。
この場合の原因は、「意見を言うことに慣れていないこと」です。
できないのではなく、「まだ」慣れていないだけだと思ってくださいね。意見を言うことに慣れていけば、あなたも言えるようになります。大丈夫です。
小学生の頃に習った「掛け算の九九」も、初めの頃はうまく言えなかったのではと思います。でも、練習を繰り返すうちにスラスラと言えるようになったはずです。
それと同じで、意見を言う回数を積み重ねることで、あなたも意見を言えるようになります。
うまく話せなくても「大丈夫」
今回は「うまく話せない」3つの原因について、お伝えしました。
いずれも共通しているのは、「うまく話せない自分を責めてしまうこと」です。
「話せない自分」「言えない自分」を無意識に責めたり、落ち込んだりしてしまっています。
ただし、それがダメだと言いたいのではありません。
「話せない自分」「言えない自分」に思い悩むのは、あなたが今を一生懸命生きているからです。あきらめていないからこそ、悩み苦しんでいるのです。
そんな頑張りやさんのあなただからこそ、自分を責めないことが大切です。
自分を責めてしまったら、ますます良くない方向に物事が進んでしまうからです。自分のために、自責しないことが重要です。
責められて、やる気が出る人はいません。
責められて、嬉しい人もいません。
それは、自分自身に対しても同じです。
大切なのは「今の状況」を受け止めること
「自分を責めるな」と言われても、困ってしまいますよね。
おそらくほとんどの人は、無意識に自分を責めてしまっていたり、自分を責めていることさえ気づいていないからです。
自分を責めない一番簡単な方法は、今の状況をそのまま受け止めてみること。
「話すのが苦手だ」という状況をそのまま、受け止めてみてください。
さらには、「まだ」苦手なだけで、これから慣れていけばいいと思ってみてください。
うまく話せない原因が過去にあるのなら、「過去のせいで、今はうまく話せないと思っているだけ」と思ってみてください。
本音では「言わないほうがいい」と思っていたのなら、「できないんじゃなくて、しなかったんだ」と思ってみてください。
あなたの何かのせいで「できない」のではなく、「慣れていないから、まだできないだけ」と思うことで、必要以上に自分を責めずに済みます。
「うまく話すためのテクニック」は、検索すればたくさん見つかります。
でも、まずはその前に、「自分がなぜうまく話せないのか」という原因について納得することができれば、よりあなたにあった「良い方法」が見つかるはずです。