【あなたのせいじゃない】自分を好きになれない、自分が嫌い、ありのままの私でいいと思えないあなたへ
こんにちは。心理カウンセラーPocheです。
突然ですがあなたは、次のように思うことはありますか?
- 自分を好きになれない
- 自分が嫌い
- ありのままの自分でいいと思えない
- こんな自分が嫌
- 自己肯定感が低い
今日のブログは、今の自分が好きだと思えないあなたに向けた内容です。
自分を好きになれなくてもいい
自分の容姿、性格、能力、考え方……自分を好きだと思えない理由は、人それぞれ違います。
「自分のここが好きじゃない」という人もいれば、「自分の全てが好きじゃない」という人もいるでしょう。
自分を好きじゃないどころか、「自分が嫌い」と感じている人もいるかもしれませんね。
それでも、大丈夫です。
自分を好きになれるのが良くて、自分を嫌いなのが悪い、ということでもありません。
自分を好きだと思えない「自分」を責めたり落ち込んだり、そんな自分が嫌になったりするくらいなら、「自分が嫌い。でも、それでいい」と今の状況をそのまま受け止める方がいいのです。
「自己肯定感」「ありのままの自分を認める」という言葉が近年普及していますが、そもそも「ありのままの自分を認める」というのは、そう思えない自分も含めて「それでいい」と受け止めることです。
なんだかややこしいことを言っているように感じるかもしれませんが、「どんな自分も否定しないこと=ありのままの自分を認める」ということなのです。
例えば、自己肯定感が高く見える人たちが「自分のことを100%好きなのか」といえば、そうではありません。欠点があったり、わざわざ言わないだけで嫌いなところがあったりもします。
自分の嫌いなところがあったとしても、「でも、それも含めて私」と思えるかどうかの差です。
良い意味で「これも私だから」と諦めること、それが「ありのままの自分を認める」近道だったりもします。
だからこそ、真面目に一生懸命頑張ってきた人ほど、「自分のことが好きになれない」「自分が嫌い」というケースは多いのです。これはカウンセリング現場でも、実感します。
「自分のことが好きになれない」のは、あなたの何かが悪いからとは限りません。
詳しくは後述しますが、過去の影響が強かったり、自分に求めるハードルが高いからということもあります。
※ハードルが高いのが悪いということではなく、一つの事実として知らない間に自分を苦しめてしまうことがあるのです。
「もっと自信を持った方がいい」「なんでそんな考え方なの?」と他人から言われることがあるかもしれませんが、自分のことを好きになれなくても、嫌いでも、そんな自分を責めたり落ち込んだりする必要は全くないのです。
あなたは何も悪いことをしていません。誰にも迷惑をかけていません。
だから、「そう思えない」のなら、それはそれでいいのです。
自信を持てないのがダメだとか、自分の考え方が良くないだなんて思わないで大丈夫ですよ。
なぜ、自分が嫌いなのか?
先ほど、「過去の影響」から、自分を好きになれないことがあるとお話ししました。
それは、生まれながらに、自分を嫌う赤ちゃんはいないからです。
つまりあなたも、生まれた時には「自分を嫌ってなどいなかった」はずなのです。
ではなぜ、今「自分を好きになれない」「自分を嫌い」だと感じるようになったのか……。
その鍵を握るのが、子どもの頃の親との関わりです。
ですから、「自分を好きになれない」場合には、子どもの頃の親とあなたの関係について思い出してみてほしいのです。
存在レベルでの自己否定の場合、原因は「親子関係」
- 自分なんていなければいいと思う。
- いっそのこと消えてしまいたい。
- 誰も自分を必要としていない。
- 自分には価値がないように思う。
- なぜ生きているのかわからない。
- 自分の全てが嫌。
このような存在レベルでの自己否定感が強い場合には、その原因が過去の親子関係にあることが多いです。
人間関係のベースは親子関係です。だからこそ、このような思い込みが作られたきっかけが「親子関係」にある可能性があるのです。
あからさまな無視や虐待はもちろんのこと、「親から愛されていないのでは」「親は自分なんて必要ないのでは」と感じるようなことがあると、子どもは「自分はいない方がいい」「自分は愛されない」という思いを強く抱くようになります。
一番認めてほしい人(親)に否定され、受け入れてもらえないと感じることは、「生きる価値がない」と突きつけられるようなもの。
小さな子どもにとって親は、それほど大きな存在なのです。そしてこの影響は、大人になっても残り続けます。
親でさえありのままの私を愛してくれないのに、「他の誰かがありのままの自分を愛してくれるわけがない」と思います。当然のこと、自分で自分を愛することも難しくなります。
ありのままの自分でいいと思える人と、ありのままの自分ではダメだと思う人…。
その差は、「ありのままの自分を親が認めてくれたかどうか」です。
「ありのままの私でいい」という感覚は、小さな頃に親が与えます。
「そのままのあなたに価値がある」「あなたはそのままでいい」と、親が子どもに言葉や態度で伝えることで、子どもは「そう思えるようになっていく」のです。
…とお伝えすると「では、親に認めてもらえなかった私は、一生自分を認められないのでしょうか?」と質問されることがあります。
安心してくださいね。そのようなことはありません。
親に認めてもらえなかったとしても、自分で自分を認めることができるようになります。
そのために必要なステップは3つ。
※実際にはかなり複雑な内容になるのですが、ここでは簡単にお伝えしていきます。
・STEP1は、「ありのままの自分でいい、と思えないのは過去の親子関係が原因だ」と知ること。自分のせいでそう思うのではなく、「過去が原因」と納得することが大切です。
・STEP2は、「これからは自分で自分を認めていい」「自分で自分を認めていこう」と、自分が決意すること。親が認めてくれないからこそ、自分で自分を認めていくことを決意する段階です。
・STEP3は、繰り返し自分を肯定し続けていくこと。「自分なんて」「どうせ」という思いは、そう簡単に消えません。STEP1とSTEP3、STEP2とSTEP3を行ったり来たりしながら、少しずつ自分で自分を認められるようになっていきます。
過去に言われたことが「傷」になることも
原因は、親子関係だけではありません。
過去に誰かから言われた言葉が、心の傷になることがあります。
自分のすべてが嫌いなのではなく、「自分のここが嫌い」というように、何が嫌いなのかがはっきりしている場合には、この可能性も視野に入れてみてください。
下記は、「過去の言われた言葉」によって心に傷を負った2人の実例です。
※掲載の了承をいただいた上で、本人が特定できないように一部内容を変えています。
相談に訪れたHさんの体型は、かなりスリムな印象。それにもかかわらず、「自分の体型が好きになれない」「太るのが怖い」「デブだと思われているのでは…と、ふいに怖くなる」と悩んで相談に訪れました。周囲からは「それでデブっていうとか、嫌味」と陰口を叩かれており、職場の人間関係にも悩んでいました。
話を聞いてみると、子どもの頃は、かなりぽっちゃりしていたのだと言います。
そのせいで小学校の頃は、「デブ」「ゴリラ」というように、心無い言葉でからかわれていたそうです。もともと明るいキャラクターで通っていたこともあり、「デブ」「ゴリラ」と言われても、平気なふりをして笑って耐えていたのだと言います。好きな人に告白した時も、「ゴリラは無理」と笑って振られてしまい、それも心の傷になっているのだと言いました。
このような過去の傷が、「自分=デブ」というレッテルを貼り、「デブ=嫌われる」という恐怖心まで植え付けてしまっていたのです。そしてこの心の傷は、痩せてもなお、Hさんを苦しめ続けていました。
「最後の最後で、逃げてしまう」自分が嫌だと、相談に訪れたOさん。
恋人と結婚目前で別れてしまったり、転職がうまくいきそうな時に内定を辞退してしまったり、「あと一歩」のところで逃げてしまう自分の性格が嫌なのだと言います。
話を聞いてみると、その原因は子どもの頃に繰り返し言われた「あなたは、おじいちゃんと一緒で逃げグセがある」「だから、最後までやり遂げられない」という言葉に縛られていました。この言葉は、当時同居していた祖母から繰り返し言われていたのだと言います。
毎日毎日言われ続けるうちに、「自分は逃げグセがある。最後までやり遂げられない」という思いが強くなり、本当にいつも最後に逃げてしまうのだと言います。そしてそのたび、「ああ、やっぱり逃げグセがあるんだ」と、祖母に言われた言葉が強化されていき、「最後までやり遂げられない自分」が作り上げられてしまいました。
親の愚痴を聞いていたAさんの場合は…
直接自分がひどい言葉を言われなくても、直接自分に害が及ばなくても、間接的に「自分を嫌いになってしまう」こともあります。
1つ、その事例をご紹介します。
※掲載の了承をいただいた上で、本人が特定できないように一部内容を変えています。
Fさんは、お母さんと仲良しです。時には言い争うこともあるけれど、それでも困った時に頼れる存在なのだと言います。
そんなFさんは、「自分のことがなぜか好きになれない」と相談に訪れました。
幼少期について聞いてみたところ、Fさんのご両親は、Fさんが小さな頃から仲が悪く言い争いが絶えなかったのだと言います。
「夫婦喧嘩の後、きまって母は私にこう話すんです。お父さんのここが嫌い、こういうところが嫌。私の味方は、あなただけ。あなたがいれば、私はそれでいい……それが、いつもの母の口癖です」とFさんは続けました。
ここでポイントとなるのが、「母親が父親の悪口を言っている」という点です。
母親にとって父親と子どもは「別物」かもしれませんが、子どもにとって父親は自分と血がつながった存在。
ケースバイケースなので一概には言えませんが、父親を非難することは間接的に子どもを非難していることになりかねないのです。
事実、Fさんは、「母親は私を大切だと言ってくれますが、父のことはしょっちゅう悪口を言っています。でも、私自身、父に似ている部分がないわけではないのです。仕草や行動が似ていると言われたこともあります……つまりは、母の嫌いな父に似ている。そんな私も、嫌われる存在なのだろうかと怖くなることがあるのです」と、胸の内を語りました。
これは、母親に限った話ではありません。
父親が母親の悪口を言う場合、さらには祖父母が親の悪口を言う場合も同様に、子どもの心を傷つけてしまうことがあります。
子どもは間接的に、自分自身の存在を否定されたように感じ、心に傷を負ってしまうことがあるのです。
好きでも嫌いでもいい
- 「綺麗になれば自信を持てる」
- 「かっこよくなれば自分を好きになれる」
- 「〇〇ができれば、ありのままの自分でいいと思える」
…そう思うことがあるかもしれません。
ですが、芸能人のような整った容姿だとしても「自分が嫌い」と訴える人は、たくさんいます。
有名な大学を卒業していたり、誰もが知る大企業に勤めていても、「自信が持てない」と訴える人は、たくさんいます。
その一方で、ごく一般的な容姿だったとしても「自分が好き」と思える人もいます。
自慢できるような能力などなくても、自信がある人もいます。
人から羨ましがられるようなことなど何もなくても、「ありのままの自分でいい」と思える人もいます。
つまり、自分を好きになれるかどうか、自分を認められるかどうかは容姿や能力の問題だけではないのです。
自分を好きになれないのは、「あなたの何かが足りないから」ではありません。
自分を嫌いだとしても、「あなたの何かが悪いから」ではありません。
過去の何かのせいで、「好きになれない」人は、とても多いのです。
原因が過去にあると知ったところで、過去は変えられません。
でも、「原因が過去にある」とわかれば、これ以上自分を責めずにすみます。自分を責めずにすめば、だんだんと「今の自分でもいい」と思えるようになっていきます。
自責を減らすことが、自分を認める近道だからです。
※あなたのことを責めてくる人を「好き!」とは思えないですよね。それと同じで、自分を責めていると、「自分のことを好き」とは、なかなか思えないものです。
自分を好きでも、嫌いでも、大丈夫。
でももし、ほんの少しでも「自分を認められるようになりたい」「自分を好きになりたい」と思うなら、まずは「とりあえず今の自分でいい」「今は嫌い。でもこれからは、好きになるかも」と思うことから始めてみてくださいね。