【どうせこう思われているんだろうな…】言われてもないのにネガティブな思い込みが止まらないあなたへ
こんにちは。心理カウンセラーPocheです。
相手から直接言われたわけではないけれど、「こんなふうに思われていたらどうしよう」と不安になることはありますか?
相手の表情から察して、「どうせこう思っているんだろうな」と思うことはありますか?
誰かの態度から、「私のことが嫌いなんだろうな」と感じることはありますか?
夜寝る前など、一人の時に「相手にどう思われているか」を考え込んでしまうことはありますか?
今日のブログは、「直接言われていないのに、ネガティブな想像が止まらない…」というあなたに向けた内容です。
たかが「思い込み」ではない
ネガティブな思い込みというと、まるで「あなたが勝手に思っていること」のような印象を与えてしまったかもしれませんが、決してそのようなことはありません。
「こう思っているんだろうな」「こう思われていたら、どうしよう」というネガティブな想像は、まるで現実の出来事のようにあなたを苦しめるからです。
「こう思っているんだろうな」と思うと、相手の一挙一動が自分の想像とくっつきます。この繰り返しで、ネガティブな想像はどんどん膨らみ、どんどん強化されていきます。
そうしているうちに、最初は単なる想像だったものが、まるで事実かのように認識されてしまい、「この人はこう思っている!」と自分自身を苦しめてしまうのです。
その結果、実際には事実ではないことだとしても、「自分にとっては事実」のように感じてしまいます。
これは、あなたの性格や考え方のせいではなく、脳の確証バイアスによるものです。
脳の確証バイアスによる影響
脳の確証バイアスというのは、一度先入観を持ってしまうとそのイメージを裏付ける情報ばかりに目がいくことです。
例えば、「Aさんは、私のことを仕事ができない人だと思っている」というネガティブな先入観(想像)を持つと、「私のことを仕事ができないと思っている」という先入観を裏付ける情報ばかりを無意識に集めるようになります。
すると…
- Aさんが親切から「この仕事は、あとは私がやっておくよ」と言ってくれたとしても、「やっぱり仕事ができないと思っているんだ」とネガティブに受け取ってしまいます。
- Aさんが誰かとコソコソ話していれば、「私の悪口を言っているのだろう」と感じます。
- Aさんが本心から「頑張っているね」と褒めてくれたとしても、「本音でそう思っているのか?」「馬鹿にしているのでは?」と言葉の裏を考えてしまいます。
- Aさんがプライベートな事情で不機嫌だったとしても、「仕事ができない私にイライラしているんだ」と不安になったりします。
このようなことを他人に相談した時に、「考えすぎだよ」「真面目すぎ」「もっと気楽に考えたら?」と言われて落ち込むことがあるかもしれませんが、自分を責める必要は全くありません。
客観的に見れば「ただの思い込み」だと分かるようなことだとしても、本人にとっては「ただの思い込み」ではなくなってしまうことがあるからです。
初めは「思い込み」だったはずのものが、まるで事実かのように働いて、あなたを苦しめてしまいます。
思い込みの原因は「過去」にある
誰かに対して抱く「思い込み」は、脳の確証バイアスによって強化されてしまう……というお話をしましたが、全ての人が「思い込み」を抱くわけではありません。
同じ状況にいたとしても、「どうせこう思っているんだろうな」と不安になる人もいれば、なんとも思わない人もいます。
その差を生むのが「過去」です。
心を守るために「思い込み」が働く
過去のことが原因で「思い込み」を抱いた例を2つ、ご紹介します。
※掲載の許可をいただいた上で、本人が特定できないように相談事例を改変しています
「できない人と思われているのでは…」という不安が消えない、と相談に訪れたKさん。
自信を持つために資格の勉強をしたり、仕事を頑張ったりして、その結果、周囲から褒めてもらえる機会も増えたと言います。でも、「できない人と思われているのでは」という不安は消えるどころか、どんどん強くなっていきました。
誰かから「すごいね」と褒められても、「これくらいで」「もっとすごい人がいる」と素直に喜べなかったり、時には「本心でそう思っているのだろうか」「何か裏があるのでは」と相手の言葉を疑ってしまうのだと言います。
なぜかわからないけれどそう思ってしまう…。
このような思い込みがある場合には、いつ頃その思い込みができたのかを探すことが有効です。
Dさんの場合は、子どもの頃に親や先生から繰り返し言われた「あなたはできない子」「それくらい誰でもできる」という言葉に縛られていました。
親の求めていることが出来ないと、「なんでこんなことも出来ないのか」「普通はこれくらいできる」と、怒られてしまう。
怒られないために、認めてもらうために頑張って結果を出したところで、「これくらい当たり前」と一蹴されてしまう。
…このような経験の繰り返しが、「出来ない自分像」をどんどん強化してしまったのです。
本来であれば、成功体験は「出来ない→出来る」という自信につながります。
でも、Dさんの場合は、成功しても親や先生が認めてくれませんでした。
その影響で、「成功しても成功しなくても、出来ないというレッテル」が貼られてしまっていたのです。
親のせいにしている?
このようなことを書くと、比較的理想的な家庭で育った人たちから「親のせいにしているだけ」と、非難されてしまうこともあります。
でも、親のせいにしているのではありません。
一つの事実として、親の言葉や態度が、「大人になった子ども」を苦しめてしまうことがあるのです。
大切なのは、「なぜかそう思ってしまうこと」が、本当に事実なのかどうかを自分自身で振り返ってみること。
Dさんのように、「過去のせい」でそう思ってしまうケースはとても多いのです。
「過去のせいでそう思ってしまうだけ」と分かれば、「自分なんて」「どうせ」という否定的な気持ちが消えていきます。
Dさんの場合で言えば、「本当に出来ていないから、出来ないと思ってしまう」のではなく、「過去に言われた言葉のせいで、出来ないと思い込んでしまっているだけ」と理解することが大切です。
そうすることで、褒められた時に素直に受け取れるようになります。
「出来ていない」と、必要以上に自分を責めずに済みます。
※過去記事に書いてあるように、褒められたら喜ばなければいけないということはありません。褒められて喜べないことに悩んでいなければ、そのままで大丈夫です。
思い込みは、上書きしていける
「あなたは、〇〇だから」
過去に誰かから言われた言葉が、今のあなたを縛っていることがあるかもしれません。
そのせいで、本当は生きていく上で何の問題もないのに、「なおさなければ」「こんな自分じゃダメだ」と自分を追い込んでしまうことがあります。
子どもの頃に作られた「悪い思い込み」は、あなたを追い込んで、あなたの元気・やる気を奪います。
でも、大人になったあなたが「良い思い込み」で上書きしてあげれば、人を疑ったり人を気にしたりせず、もっとラクにもっと自由に生きていくことができます。
でも、安心してください。
過去の思い込みは上書きしていけます。
思い込みを上書きする近道は、「自分が安心できる言葉」を集めることです。
人を信じたいのに「信じられない」「怖い」と思うなら、人を信じていいと思える言葉を集めてください。
「人を信じないほうがいい」「信じたら傷つく」という古い思い込みを、「過去のせいで信じられないだけ」「もう信じていい」という新しい思考で上書きしてください。
※人を信じられない原因が過去にある場合は、「なぜ信じられないのか」という部分を掘り下げるステップが必要です。詳しくは【過去記事】より
休みたいのに休めないと悩んでいるなら、「休んでいい」と思える言葉を集めてください。
「休めない」「休んではいけない」という古い思い込みを、「休んでいい」「休んだほうがいい」という新しい思考で上書きしてください。
自分を好きになりたいのに「自分が嫌い」だと思うなら、自分を好きになれる言葉を集めてください。
「こんな自分じゃダメだ」という古い思い込みを、「今の自分でいい」「これも自分だ」という新しい思考で上書きしてください。
大丈夫。
子どもの頃に「思い込み」が形成されたように、大人になったあなたなら「新しい思考」で上書きすることができます。まずはそのことを信じることから、始めてみてくださいね。