結果を出しても、認められても、褒められても…「自分なんて」という思いが消えないあなたへ
※このブログは音声サイトVoicyでも配信しています。
こんにちは。心理カウンセラーPocheです。
今日のブログは「周りの誰も評価してくれない」と悩む人ではなく、
周りは評価してくれたり褒めてくれることもあるし、いい大学を出ていたり、時に人から羨まれるような環境にいるのに、「なぜか自分で自分を認められない」というあなたに向けて書いていきます。
成功しても、うまくいっても、褒められても、自分がダメだという思いに囚われ悩んでいるあなたに、伝えたいことがあります。
このような悩みを持つ場合、「周りから見た自分」と「自分自身がもつ自分像」にとても大きなギャップがあります。
周りの評価と自分自身の評価が、あまりにかけはなれているのです。
これはあなたの性格のせい・考え方のせい、というシンプルな問題ではありません。
だからそうまでして自分自身を責めないでほしい、そのような思いから今回のテーマを選びました。
過去が今のあなたに与える影響
私のカウンセリングの経験上、このようなケースの多くは否定的な過去を抱えています。
もっと具体的にいうならば、幼い頃から親に否定され続けていたり、直接否定されることはなくても「ああしなさいこうしなさい」と指示ばかり受けて自由に行動させてもらえなかったり、「そんなんじゃダメ」という(遠回しな)ありのままの自分への否定、「誰のおかげで生きている」「お前が今成功したのは私のおかげだ」といったことを直接言う、もしくは匂わすなど恩着せがましい言葉に縛られていることもあります。
否定が多い環境で育った場合、肯定的な結果や言葉を受け入れることが難しくなります。
親に褒められた言葉は受け入れやすく、逆に親に怒られたり指摘されたりしたところを褒められても、なかなかしっくりこないという経験はないでしょうか?
親から日常的に「笑顔が素敵だ」と言われれば、自分の笑顔に自信が持てます。
でも日常的に「あなたは醜い」と言われ続けると、どんなに他人から容姿を褒められても「どうしてもそう思えない」ことがあるのです。
これは良くある例の1つなのですが、親からのろまと言われ続けた子が「あなたは仕事が早くて助かる」と褒められても、お世辞に感じることがあります。
「あなたの仕事は丁寧だ」と褒められても、「それって遠回しに仕事が遅いって言ってる?」と否定的に受け取ってしまうこともあるのです。
このように、子どもは親の影響を受けやすいというのは1つの事実です。
良い影響を残すこともあれば、生きづらさにつながるような影響を残すこともあります。
ああしなさいこうしなさいと指示ばかり受けてきた場合は、自分自身の選択や行動そのものに自信が持てなくなります。
誰かのアドバイスや質問でさえ、自分への否定に感じてしまうこともあります。
「親のおかげで生きている」「親のおかげで成功した」という思いがあまりに強く植え付けられている場合は、成功や賞賛を「自分のもの」として受け取ることが難しくなります。
誰かのおかげでうまくいったり、運が良かっただけであって、自分がすごいわけではないと感じます。
一見すると謙虚さのようにも見えますが、恩着せがましい環境で育った場合には「自分なんて」という自己否定がベースにあることが多く、「自分一人では何も成功できない」「自分一人では生きていけない」という恐怖にも似た感情を持つこともあります。
褒め言葉が不快に感じる時
「自分はダメな人間だ」と感じる苦しい心のうちを誰かに打ち明けたり、「こんな自分を変えたい」と相談した時。
相手から「あなたにはこんなにいいところもある」励まされたとしても、「あなたに何がわかるのか!?」と腹が立つこともあります。
「自分なんて」「自分はダメだ」という思いがあまりに強い場合、他人からの褒め言葉や励ましに怒りが出ることがあるのです。
もちろん相手には悪気がなく、あなたを心から誉めたり励ましたりしているだけですから、このような反応が返ってくると戸惑ってしまいます。時には、相手が離れていってしまうこともあるでしょう。
このような出来事がさらに、「やっぱり自分はダメだ」「誰もわかってくれない」という気持ちを増幅させてしまうケースは珍しくありません。
ここでお伝えしたいのは、褒め言葉や励ましに怒りが出るのは「あなたが真剣に自分について考えているからなのだ」ということ。
結果として離れていく人がいたり、あなたを否定する人もいたかもしれないけれど、だからといってそれはあなたの性格が悪いとかそういうことではないということをお伝えしたかったのです。
自分がどう見えているのか、みんなは自分のことをどう感じているのか、自分は何をすべきなのか。
自分自身について子どもの頃からずっと考え続けてきたからこそ、相手からの単純な励ましや褒め言葉に腹が立ってしまうことがあります。
励ましや褒め言葉が、「自分への否定」に感じてしまうからです。
励ましや褒め言葉が「自分への否定」というとなんだか不思議な感じがするかもしれませんが、「自分はダメだ」と思い悩んでいる時に「ダメではない」と言われることは、自分の感じているものへの否定となることがあります。
だから腹が立ったり、攻撃的なことを言ってしまいます。
あなたが誰かに腹を立てたり、苛立ったりするのには、ちゃんと理由があります。
だからそのような自分を責める必要はない、ということを知っておいて欲しいのです。
「自分なんて」「自分はダメだ」と感じるあなた自身が、一番辛く苦しい状況にいます。
傷つけてしまった相手がいるのかもしれません。でもあなた自身もまた、傷ついているのです。
自分はダメだという思いを手放したいと思いつつ、それもできず、人間関係に悩み、励ましたり誉めてくれる人でさえ遠ざけてしまう……
この状況に苦しんでいるのは、他の誰でもないあなた自身のはずです。
自分を認めるとか、自分に自信を持つとか、自分を好きになるとか、そういうことができなくてもいいのですよ。
できなくてもいいと思えなければ、「まだ」できなくてもいいと思ってみてくださいね。これだけでも苦しさが和らぐことがありますから。
「じゃあどうすればいいのか?」という具体的な方法はひとりひとり違うのでこのブログでお伝えすることは難しいのですが、ただでさえ苦しい状況にいるというのにこれ以上自分を責めないでいいということ、さらにはそうまでして責めないでいいのかもしれないという可能性について知ることは今感じている苦しみから抜け出す一つのきっかけになるはずです。