【あなたのせいではありません】「断れない」「NOが言えない」「嫌と言えない」その理由
こんにちは。心理カウンセラーPocheです。
今日の記事は、あなたのせいではないことについて。著書『あなたはもう、自分のために生きていい』でも少し触れている内容ですが、今回はもう少し違う観点からお話しできればと思います。
突然ですが、あなたには次のような悩みがありますか?
- 「断れない」
- 「嫌だと言えない」
- 「本音が言えない」
- 「NOが言えない」
- 「自分の意見が言えない」
どれか1つでも当てはまったあなたに、もう1つ質問しますね。
あなたは、そのことで自分を責めたり、「変わりたい」「どうして私は…」と悩んだりすることはありますか?
なぜこのような質問をしたかというと、これらの事柄は、必ずしもダメなことではないからなのです。
断らないからこそ得られたものもあるかもしれないし、嫌だと言わないあなたに救われた人もいるかもしれません。自分の意見を言わないからこそ、他人を不用意に傷つけずに済んだこともあったのではと思います。だから、断れなかったり、本音が言えないことに、あなた自身が困っていなければそのままで大丈夫なのです。
でももし、あなたがこれらの事柄に悩んでいたり、苦しんでいたりするのなら…
ここから先の記事を読んでみてほしいなと思います。
意見を言えないのはあなたのせい「ではない」
断れなかったり、嫌だと言えなかったり、NOが言えないのには、理由があります。
断りたいのに断れないのだとしたら、過去に「断わるのはよくないことだ」と思うような出来事があった可能性が高いです。
何かを断った時に、相手が怒ったり、悲しんだり、責められてしまったり…「こんなことなら断らなければよかった」「断った私が悪いんだ」と思うような出来事が、何かかあったはずなのです。
同様に、本音や自分の意見が言えないのにも、理由があります。
本音や意見を言いたいのに言えないのだとしたら、過去に「意見を言わない方がいい」と思うような出来事があった可能性が高いです。
意見を言った時に、否定されたり、馬鹿にされたり、分かってもらえなかったり…「言わない方がいい」「言っても無駄だ」「言ったら傷つく」と思うような出来事が、何かあったはずなのです。
だから、下記の事柄に当てはまったとしても、それはダメなことではないし、あなたのせいでもありません。
- 「断れない」
- 「嫌だと言えない」
- 「本音が言えない」
- 「NOが言えない」
- 「自分の意見が言えない」
言えなかったり、できない自分を責めてしまいそうになった時には、「言えなくなるような出来事が、あったんだ」「したいのに、できないような出来事があったんだ」と自分に伝えてみてください。
できない自分が悪いのではなくて、できなくなるようなことが「過去にあっただけ」なのだと、信じてみてください。
子どもの頃、親に「NO」が言えましたか?
- 「言いたいのに、言えない。」
- 「断りたいのに、断れない。」
- 「自分の意見が、言えない。」
このような悩みを持つ人の大半は、大人になって急に「出来なくなる」のではありません。子どもの頃から出来なかったり、子どもの頃から苦手だった…というケースがとても多いのです。
子どもの頃を思い出してみてください。
- あなたは、自分の親に「NO」を言えましたか?
- 親の要求を断っても、平気でしたか? 断った時に怒られたり、「冷たい子」と非難されたり、ひどく悲しいそぶりをされたり、否定的な言葉を言われたりしませんでしたか?
- 自分の意見を言った時に、「そうだね」と受け止めてもらえましたか? 「おかしい」と否定されたり、そもそも聞いてもらえなかったり…「自分の意見なんて、言わなきゃよかった」と思うようなことはありませんでしたか?
なぜこのようなことを書いたかというと、
大人になった時に「できないこと」というのは実は、子どもの頃から出来なかったり、苦手だったりすることが多いからです。
そしてそれには、「過去の親とのやり取り」が深く関係しています。
親にNOを言えないまま大人になると…
例えば…
自分の意見を言った時に親が受け止めてくれれば、「意見を言ってもいい」と思えます。意見を言うことに、不安を感じません。意見を言っても、嫌なことが起こらなかったからです。
でも…
自分の意見を言った時に「おかしい」と否定されたり、「生意気だ」「何様のつもりだ」と怒られてしまうと、「自分の意見を言うのは良くないことだ」とインプットされます。
同様に、嫌なことを断った時に、「そうなんだね」と快く受け止めてもらえた経験があれば、「断ってもいい」と思えます。
でも…
断った時に「冷たい」「かわいくない」と批判されたり、「〇〇ちゃんはやってくれるのに」と誰かと比較されたり、「誰のおかげで生活できていると思っているの」「恩知らず」と言うようなことを言われてしまうと、「断るのは良くないことだ」とインプットされます。
これらはほんの一例ですが、直接言われた言葉だけが影響を及ぼすのではありません。
直接言葉で言われなかったとしても、親の態度から子どもは察知します。親が不機嫌になったり、悲しそうにしていれば、「良くないことをした」と子どもながらに感じるのです。
※感じ方には個人差がありますが、大人になった時に「人の顔色や様子が気になる人」ほど、察する能力が高く、子どもの頃から敏感に親の様子を感じ取っていた可能性が高いです。
親のせいにしている?
このようにお伝えすると、「そんなことが大人になってまで影響するのか?」「親のせいにしているのでは」と質問されることがあります。
でも、「そんなこと」ではありません。
子どもは、自分一人では生きていけません。それを本能として知っているので、生きていくために必要な存在「親」に嫌われないように頑張ります。
愛されるために、認められるために、空気を読んで察して頑張ります。子どもにとって家庭は、生きていく世界そのものです。そこで生きていくしかないからです。だから、決して「そんなこと」ではなく、とても大きな出来事なのです。
親のせいにしたり、親を責めたいのでもありません。
親の言葉や態度は、良くも悪くも子どもに影響を及ぼすというのは、紛れもない事実です。
このようなことをお伝えしたのは「親のせいだ!」と親を非難するためではありません。「親のせいだから、諦めろ」と言いたいのでもありません。
過去の親とのやり取りの中に、「できなくなった理由がある」という事実を知ってほしかったのです。
この事実を知ることは、「自責」から抜け出す一歩になります。自分の性格や考え方のせいではなく、過去に原因があったと分かれば、必要以上に自分を責めずに済むからです。
性格や考え方を変えるのは、大変です。
でも、原因が「あなた以外のところ」、それも過去に植え付けられた「思い込み」にあったと分かれば、これからの生き方は変えていけます。
あなたは「出来ない」のではなく、「してはいけない」「やってはいけない」と思い込まされてきただけだからです。
大丈夫。まだ慣れていないだけで、これから慣れていけます。
あなたも断っていい。NOと言っていい
- 「断れない」
- 「嫌だと言えない」
- 「本音が言えない」
- 「NOが言えない」
- 「自分の意見が言えない」
冒頭でお伝えした上記5つの悩みを持つあなたに、お伝えしたいことがあります。
あなたも、断っていいです。
NOと言っていいです。
嫌だ、と言っていいです。
出来ないと思ったら断っていいです。出来たとしても、やりたくなければ断っていいです。
あなたの親は、断ることを許さなかったかもしれません。でも世の中には、断ることを許してくれる人は、たくさんいます。だから、大丈夫です。
※親の要求を断るのは、とてつもない恐怖や不安を伴います。断っていいと言われたところで、そう簡単に断ることはできないでしょう…。「親の要求を断ること」の難しさや、その方法については、また別の記事でお話しできればと思います。
断りたいと思った時に、「NO」が言えたら、結果がどうであれ「出来た!」と自分を褒めてあげてください。
これまで出来なかったことが出来たのですから、自分をたっぷり褒めてあげてください。
その上で、断ってうまくいった時には、「断っても大丈夫だったね」「もう断っても大丈夫」と、繰り返し自分に伝えてみてください。
断るのに慣れるまでは、「断ってよかったのだろうか」「あの言い方で良かったのだろうか」と不安になりやすいですから、自分を安心させてあげてください。
もし、断ってうまくいかなかったとしても、それはあなたのせいではありません。その人が、「あなたの気持ちを尊重してくれない人」というだけです。断るのは、あなたが持っている権利ですから。
あなたのことを大切に思ってくれている人なら、「嫌だ」「NO」という選択を尊重してくれるはずです。それは、大切な人に嫌なことをさせたくないからです。大切な人が苦しむ姿を見たくないからです。
断ったり、自分の意見を言ったり…。
過去に「しない方がいい」「してはいけない」と思ってきたことというのは、踏み出すのにものすごく勇気がいるものです。
「分かっているのにできない」と自分を責めてしまいそうになったら、「これから、これから」と自分に言い聞かせてみてください。
今すぐ行動に移せなくても大丈夫。
「してもいい」「ダメだと思っていたけど、してもよかった」という、新しい選択肢を意識することから始めてみてくださいね。
ここまで読んでくれたあなたなら、きっと大丈夫ですよ。