つい「小さな嘘」をついてしまう。本音が言えない、素直になれない―それ、心の防衛反応かも
こんにちは。
心理カウンセラーPocheです。
誰かに何かを聞かれたとき、つい小さな嘘をついてしまうことはありますか?
- 「大丈夫」って言ったけど、内心はそうじゃなかった。
- 「平気なふり」をしたけど、心の中ではぐらぐらと揺れていた。
- 「毎日充実してる」って言ったけど、ほんとはそんなことない。
- 「うまくいってる」って答えたけど、本当は問題だらけ。
もしかしたら今、この記事を読んでくださっているあなたも、「また本音が言えなかった…」「どうして素直になれないんだろう」と、自分を責めているかもしれません。
でもその「小さな嘘」は、あなたの心があなた自身を守るために、一生懸命働いてくれている証かもしれないのです。
なぜ素直になれないのか
- 本音を言って否定されたらどうしよう。
- 気持ちを打ち明けて、重いと思われたら?
- 嫌われたら…受け入れてもらえなかったら…。
そんな不安があるとき、人は無意識に“嘘”というかたちで自分を守ろうとします。
心理学ではこれを「防衛機制」と呼び、心がダメージを受けすぎないようにする自然な反応だと考えられています。
嘘をついてしまう自分を「誠実じゃない」と責めてしまう人がいますが、決してそんなことはありません。
本音を飲み込んだり、平気なふりをしたりするのは、本当は人を傷つけたくない、迷惑をかけたくないというやさしさの表れでもあります。
あなたがついてしまった“小さな嘘”の奥には、「どう受け取られるかが怖い」「それでも関係を壊したくない」
…そんな切実な思いがあったはずです。
だからこそ、小さな嘘とついた自分を責めるのではなく、
「嘘をつくのもしんどかったよね」「苦しかったね」と、まずは自分にそっと声をかけてあげてくださいね。
小さな嘘の裏側にある気持ち
- 本当は悲しいのに「平気」と笑ってしまった
- 頼りたいのに「大丈夫」と言ってしまった
- 断りたいのに「いいよ」と言ってしまった
あなたには、このようなことがありますか?
実は、こうした反応が出てくるのは、心の奥に「本当の気持ち」がちゃんとあるからこそなんです。
たとえば――
- 悲しいのに「平気」と言ってしまったのは、本当は「わかってほしかった」から。
- 頼りたいのに「大丈夫」と言ってしまったのは、本当は「助けてほしかった」から。
- 断りたかったのに「いいよ」と言ってしまったのは、本当は「自分の気持ちを大切にしたかった」から。
そんなふうに、ちゃんと“自分の思い”があったからこそ、言えなかったり、違う言葉になってしまっただけなんです。
つまり、小さな嘘の裏側には、本当は伝えたかった思いが隠れているのです。
けれど、それを言うことで自分が傷つくのではないかと心が感じたとき、それを包み隠して“やさしい嘘”として口から出てしまうのです。
「嘘をつく自分」を責めないで
つい嘘をついてしまったあと、「また本音が言えなかった」「こんな自分はダメだ」と思ってしまうかもしれません。
でも、それを責めないでください。
それは、あなたの心が精一杯頑張っていた証です。
大切なのは、「あのとき、私はどんな気持ちだったんだろう」と、あとからでも自分の心を振り返ってあげること。
すぐに誰かに伝えられなくても、まずは自分だけには、嘘をつかないでいられたら十分です。
少しずつ、本音に近づいていくために
「本音を言えるようになりたい」
「小さな嘘をやめたい」
そう思うあなたに伝えたいのは、「少しずつ本音に近づいていきませんか?」と言うメッセージ。
本音を言うのは、勇気がいるからです。
「少しずつ」の第一歩は、自分の気持ちを小さく書き出してみること。
- 「本当は、こんなことを言いたかった」
- 「本当は、あのときこうしてほしかった」
- 「でも、〇〇って思われるのが怖くて言えなかった」
そんなふうに、自分の中にある声をそっと見つけていく時間を持ってみてください。
これを繰り返していくうちに「本音」が心の中で、認識できるようになっていきます。少しずつ「言ってみようかな」「言ってもいいかも」と思えるようになっていきます。
そして、もし「この人には話しても大丈夫かも」と思える相手がいたら、ほんの一言だけでも、本音のかけらを伝えてみてくださいね。
この小さな一歩は、「できた」という大きな自信につながります。
小さな嘘も、素直になれない自分も、全部ひっくるめて、あなたはあなたのままで大丈夫。
心は、急には開けません。
でも、少しずつ「もう、守りすぎなくても大丈夫かも」と思える日が来るように、自分のペースで、ゆっくり進んでいけばいいのです。
あなたが、安心して本音を語れる場所に出会えますように。
そして、「もう、無理して笑わなくてもいいんだ」と思える日が訪れますように。