毒親ってどんな人?「気づきやすい毒親・気付きにくい毒親」〜親との関係に悩むあなたへ
こんにちは。心理カウンセラーPocheです。
今日のテーマは、「毒親ってどんな人?」です。
※このブログは音声配信サイトVoicyでもお聞きいただけます。
本題に入る前に1つ、お願いしたいことがあります。
この記事をお読みの方の中には、すでに親になって子どもとの関係に悩んでいたり、「自分も毒親なのではないか」と不安になったり、子どもから「毒親だ!」と責められて戸惑っている人もいるかもしれません。
ですが今回の内容は「子どもの立場」で、あなたの親との関係を振り返るために読んでみてほしいのです。
なおここでいう「子ども」というのは、未成年や10代だけを指すのではありません。
すでに成人された方、お子さんがいらっしゃる方、すでにご両親が亡くなっていたり、お孫さんがいる方も、親という存在の前では「子ども」という立場です。
なぜ子どもの立場で聞いてもらいたいかと言いますと、この記事の目的が「あなたが毒親かどうか」をジャッジすることではないからです。
今生きることに疲れたあなたが、なんかしんどいと感じるあなたが、人間関係に疲弊したあなたが、「もっと楽に生きるためのきっかけ」を掴んでほしくて今回のテーマを選びました。
今あなたが抱えている生きづらさは、もしかすると「過去の親との関係」からきているものかもしれません。
タイトルと矛盾するようですが、究極のところは「親が毒親かどうか」はそこまで重要ではなく、「あなたの親があなたにどのような影響を与えたのか」が重要です。
毒親という言葉
毒親…という言葉は、もともとスーザン・フォワードさんという女性が書いた「Toxic Parents」という本のタイトルから生まれた言葉です。
毒という字が入っているのでなかなか強烈な響きがありますが、本のタイトルから直訳するなら「子どもにとって、毒となる(影響を与える)親」という意味。
つまり親が「毒親」かどうかというよりは、子どもにどのような影響を与えた親なのかということがポイントです。
「親がどんな親だったか」ということだけではなく、それ以上に「子どもとして親の言葉や態度をどう受け取り、どのような影響を受けてきたか」の方が重要なのです。
なぜ「子どもと自分」ではなく「親と自分」なのか
冒頭では「親としてではなく、子どもの立場で聞いてほしい」とお話ししましたが、それは「自分が毒親かどうか」をジャッジすることはできないからです。
仮に自分が毒親だと思っていたとしても、子どもはそう思っていないかも知れません。反対に「自分は良い子育てをした」と思っていても、子どもの方は毒親だと思っているかも知れないのです。
「毒親にならないためにはどうしたらいいのか」「子どもとどう接していけばいいのか」というご相談のコメントも多くいただきますが、正直なところこれに関してはシンプルな答えはありません。
公の場で公開するのは非常に難しい、というのが本音です。
「こんなふうに接したらいいですよ」という1つのアドバイスは、ある子どもにとって良いアドバイスとなっても、また別の子どもを苦しめてしまうことがあるからです。
個別のカウンセリングでは親御さんのご相談ももちろん受け付けておりますが、不特定多数の方が利用するVoicyやブログでは、子どもの立場で悩み苦しむ人がこれ以上混乱しないように、「子どもの立場」に向けた配信のみとさせていただいております。
気づきやすい毒親・気づきにくい毒親
いわゆる「毒親」にも、いろいろなタイプがあります。
毒親のタイプについては過去のブログに詳しく書いてありますので割愛しますが、実際のところは「私の親はこのタイプ!」と綺麗に分類できるわけではありません。
いくつかのタイプが合わさっていることもあれば、はっきりと分類できないこともあります。
SNSやテレビで見聞きする典型的な毒親タイプもあれば、一見すると「良い親」のタイプ、さらには毒親だけど「気付けないタイプ」などがあります。
毒親のタイプは100人いれば100通りあるというのが現実ではありますが、その中でも今回は「気づきやすい毒親」と「気づきにくい毒親」の2つに分類して、4タイプについてお話しさせていただきますね。
気付きやすい毒親
気づきやすい毒親というのは、主に3つあります。
1つめは、子どもに否定的な言葉をぶつけるタイプの親。
「あんたはブスだ」と容姿について罵ったり、「あなたは何をやってもダメ」と平気で子どもを批判します。
このような言葉の暴力を受けることもあれば、手や足が出る、つまりは体の暴力を受けることもあります。
大人になった時の弊害として、なぜか親のようなタイプの人に目をつけられてしまったり、人の顔色ばかり気になってしまうというものが挙げられます。
2つめは、大袈裟なタイプの親。
子どもが思い通りにならないと、親戚や知り合いに悪口を言い回るようなパフォーマンスが派手なタイプの毒親です。
「死んでやる!」と子どもを脅したり、「私のことはどうでもいいのか」と命を武器にしたり、「いうことを聞かないなら死んでやる」と言われて怖い思いをすることもあります。
3つめは、罪悪感を持たせるタイプの親。
子どもが思い通りにならない時につらそうにしたり、泣いたりして子どもに罪悪感を持たせます。
お母さんを怒らせたり悲しませたりする「自分が悪いんだ」という、自責の思考を持ちやすいのが特徴です。
夫婦仲が良くない場合は「お父さんが悪者」「お母さんはかわいそう」という構図が出来上がり、自分がお母さんを助けなきゃと奮闘することも珍しくありません。
大人になった時の弊害としてパートナーに苦労させられたり、自分一人が我慢すればいいという思考に陥りやすいことがあります。
気付きにくい毒親タイプ
次は、気づきにくい毒親のタイプ。
一番多いのは「過干渉の親」です。
子どものために一生懸命世話を焼き、献身的に尽くすことで、子どもを「自分の理想通り」に育て上げようとします。
高学歴だったり、人に羨まれるようなステータスを持っているのに、なぜか自信が持てない・毎日満たされない、しんどい…という方のお話をお伺いしていると、このタイプの親御さんに育てられているケースが多くみられます。
そのほか「自分で決められない」と悩む方も、過干渉の親の影響を強く受けているケースが多いです。
このタイプの親の場合、自分の思い通りになっている時は良いのですが、思い通りにならなかったり、うまくいかない時には子どもを批判したりして自信を失わせます。
だから子どもは、自分で考え行動することをやめてしまいます。
親の言うことを聞いていれば褒めてもらえる、でも親の言うとおりにしないと怒られる、面倒なことになる…と学んでいるからです。
過干渉の毒親に悩まされるケースが増えていることもあり「過干渉は良くない」と言う風潮が高まっているようにも感じますが、一律に過干渉の子育てが悪いということではありません。
一見過干渉に見えても、親が「自分は過干渉なのでは」と悩んでいても、当の子どもは苦しんでいないこともあります。
詳しい内容は割愛しますが、どこまでが必要な干渉でどこからが過干渉なのかは、人それぞれ違います。
過干渉の子育てが問題となるのは、「子どもが生きづらさを感じた時」なのです。
あなたの親に近いタイプはどれ?
今回お伝えした4つのタイプ、あなたの親に近いものはありましたか?
もし思い当たるところがあったのなら、今あなたが抱えている「漠然とした生きづらさや不安」というのは、過去の親子関係の中で作られたものなのかも知れません。
誰が良いとか悪いとかそういう話ではなくて、「自分が苦しんでいる原因のヒントが見つかった」と考えてみてくださいね。
原因がわからなければ対処できませんが、原因がわかれば対処できます。
「なんか体調悪い」と感じている原因が、疲労なのか、風邪なのか……はたまた何かの病気なのかわからなければ対処できないのと同じです。
「なんか」の部分がわかれば、風邪薬を飲んだり、ゆっくり休んで疲れを取ったり、治療に専念することができます。
今回のブログが、あなたの生きづらさに気づく「なんか」を見つけるきっかけになれば幸いです。