全然大丈夫じゃないのに、「大丈夫」が口癖のあなたへ
こんにちは。心理カウンセラーPocheです。
今日の内容をお届けしたいのは、大丈夫じゃないのに「大丈夫」と思い込もうとしているあなた。
「大丈夫、大丈夫」と自分を励ますことが嫌になったり、虚しくなったり、疲れてしまったあなたに伝えたいことがあります。
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「大丈夫」と思うことが、ダメなのではないですよ。
「大丈夫」という言葉には、良い効果もたくさんありますから。
辛くて悲しい時に「大丈夫」と思うことで乗り越えられたり、もう無理かもしれないと怖くなった時に「大丈夫」と思うことで踏ん張れたり、一歩踏み出せない時に「大丈夫」という言葉から勇気をもらえることもあります。
このように「大丈夫」というのは、あなたが思っているよりも「力を持った言葉」です。
だからこそ「大丈夫」の使いすぎには、注意が必要なことがあります。
「私なら大丈夫!」
と、試しに口に出してみてください。
……いかがでしょうか?
少し元気が出ましたか?
それともモヤモヤっとしましたか?
中には、「口に出すなんて馬鹿馬鹿しい」と思う方もいらっしゃるかも知れませんね。
実はここから先のブログを読んでほしいのは、そんなあなたです。
さらには「私なら大丈夫」という言葉にモヤモヤしたり、「大丈夫」と思っても元気が出ないあなたにも伝えたいことがあります。
大丈夫の罠
体調が悪くても、大丈夫。
人間関係で悩んでいても、大丈夫。
理不尽なことを言われても、大丈夫。
楽しくないけど、大丈夫。
……こんなふうに、どんな時でも「大丈夫」だと思って自分を奮い立たせることがあります。
大丈夫だと思い込むことで、なんとかその場で踏ん張ったり、乗り越えようとすることもあるでしょう。
冒頭でお伝えしたように、「大丈夫」のもつ効果はなかなか大きなものです。
大丈夫という言葉一つで、大丈夫なんかじゃないのに動けてしまうこともあります。
だから「大丈夫」という言葉を多用しすぎてしまうと、知らず知らずのうちに自分に心や体の限界を超えてしまうことがあるのです。
特に注意が必要なのは、本心とは違う「大丈夫」。
全然大丈夫じゃない時の「大丈夫」には、特に注意が必要です。
- 落ち込んでも、体調が良くなるわけじゃない。
- 自分のせいじゃないと主張したって、事実は何も変わらない。
- やりたくないと言ったって、代わりにやってくれる人なんていない。
……このような時に自分に言い聞かせる「大丈夫」は、積もり積もってあなたを苦しめてしまいます。
ガソリンが入っていない状態で、車のエンジンをふかすようなものです。
そんなことを繰り返していたら車が壊れてしまうのと同じで、あなたの心や体も壊れてしまいます。
「大丈夫」と自分に言い聞かせることにちょっぴり疲れたあなたに、試してみてほしいことがあります。
それは「大丈夫なんかじゃない」と、一旦正直に思ってみることです。
「大丈夫じゃない、と思ったところで現実は変わるわけではない」と感じるかもしれませんが、自分の本音に気がつくことができます。
本当に大丈夫なのか、実は大丈夫ではないのか、どれくらいピンチなのか、自分の状態について知ることができます。
自分の本当の状態がわかれば、「どんな選択をすればいいか」も変わってきます。
本音と違う行動は、ストレスになります。
本音と違う行動をとるというのは、例えるなら「あなたが絶対に着たくないファッションで、外出する」のと同じくらいのストレスを与えます。
ナチュラルメイクが好きな人がド派手な舞台メイクで外出したり、お腹周りの脂肪が気になる人が「お腹を出したスタイル」で外を歩くようなものです。
何だか落ち着かないし、人の視線も気になるし、想像するだけで嫌になってしまいますよね。
さて。
あなたが今、「大丈夫」と言い聞かせていることをイメージしてみてください。
そして「でも実は、全然大丈夫じゃない!」と、自分に伝えてみてください。
これまで「大丈夫」と自分に言い聞かせてきた人の場合、「大丈夫じゃない」と思った時にこれまでとは違う気持ちになることがあります。
実は全然大丈夫じゃない状態で頑張っている人の場合は、スッキリすることも。
これは、自分の本音と一致するからです。
ですが時には、モヤモヤ・イライラが増幅することもあります。
「大丈夫じゃない」という本音と一致したことで、これまで抑えてきた自分の本音が溢れてくるからです。
そんな時には「何が大丈夫じゃないのか?」と、自問自答してみてくださいね。抑え込んできた自分の本音が見つかるかも知れません。
「大丈夫じゃない」と思うことも、口に出すこともブレーキがかかるのなら、今あなたはギリギリのところで踏ん張っているのかも知れません。
「大丈夫じゃない」という現実を受け止めてしまったら、もう動けないのではないか、頑張れないのではないかという不安や恐怖を感じることもあります。
大丈夫、と思うことがダメなのではありません。
大丈夫という言葉を使いすぎると、体や心がキャパオーバーしてしまうかも知れないということをお伝えしたかったのです。
でも、だからといって無理に「大丈夫じゃない」と本心を引っ張り出す必要もありません。
本音と向き合うには、タイミングがありますから。
「大丈夫じゃない」と思うことができなかったり、なぜか不安になって怖くなってしまうなら、今はまだそのタイミングではないのかも知れません。
いつか向き合えるタイミングがやってきますから、今は慌てないでおきましょう。
今回のブログでお伝えしたかったのは、「大丈夫」という言葉の持つ力です。
この言葉は時にあなたを勇気づけ、励まし、前に進む力を与えてくれます。
でも自分の本心に気づかないままに「大丈夫」を使いすぎると、あなたの限界を超えて頑張ろうとしてしまいます。
なんだかしんどい、なんか疲れたなという時には、「全然大丈夫じゃない!」と思ってみてくださいね。
大丈夫じゃない理由が見つかるかり、「休む、頑張らない、誰かに頼る」という新しい選択肢が出てくることがあります。
あなたが今どれくらい大丈夫で、どれくらい大丈夫じゃないのか、自分自身で知っておくことはとても大切です。