「頑張りすぎない」ってどれくらいなの? 〜頑張ると無理の線引きが苦手なあなたへ
こんにちは。
心理カウンセラーPocheです。
今日は、まだ大丈夫ともう無理のボーダーラインがわからないというあなた。
さらには、つい無理をして限界を超えてしまうと悩むあなたに向けてブログでお伝えしたいことがあります。
「無理のない選択」「ほどほどに力を抜くための方法」「60%でOKと思うこと」など、ここ数年で「頑張りすぎないため」の情報が増えてきたように感じています。
頑張りすぎないための情報が増えているということは、「頑張りすぎないための情報」が世の中の人たちに必要とされているということを意味します。
つまりそれだけたくさんの人が頑張って生きてきて、心のどこかでは「頑張りすぎているのでは」と気がついていたり、このままでは倒れてしまうのではと不安を感じているともいえるかもしれません。
中にはすでに倒れてしまったり動けなくなったりして、同じようなことを繰り返さないために、今よりほんの少しでも元気を取り戻すために、「頑張りすぎないため」の方法を探している方もいるかもしれませんね。
頑張りすぎないって何?
でも「頑張りすぎない」って、いったいどれくらいのことをいうのでしょうか?
まずはこのことについて、一緒に考えてみましょう。
例えば腹筋を日常的にしていて100回できる人にとっては、腹筋10回は「頑張る」とはいえないかもしれません。
でも運動習慣が全くない人にとっては、腹筋10回は「頑張らずにはできないことでしょう。
毎日自炊をしている人にとっては、1日1回自炊するのは「頑張る」とはいえないかもしれません。
でも包丁を握ったこともない人が、1日3回自炊するとなると、相当頑張らなくてはいけません。
仕事の期限を1週間前に終わらせるポリシーの人と、締切10分前までに出せればOKと思っている人でも、「頑張る」のラインは違います。
……いかがでしょうか。
このように「頑張る」の基準は、人によって全然違うのです。
だからこそ大切なのは、どこまでやるか。
できるから、全部やらなきゃと思うかもしれません。
でも、できるからといって、全部やらなくてもいいのです。
そんなことをしていたら「できる人」にだけ負担がかかりすぎてしまいますから。
そもそもあなたも「最初からできた」わけではないはずです。
努力をしたからこそ、できるようになったはずなのです。努力をできるのは、あなたの素晴らしいところです。
でも努力できる人というのは、できることがどんどん増えていきます。自分が思っているよりも、増えていきます。
「できるからやらなきゃ」と一人で背負いすぎてしまうと、知らないうちに自分のキャパをオーバーしてしまうのです。
だからこそ「できる=やらなきゃいけない」ではない、ということを覚えておいてほしいなと思うのです。
できてもやらなくていいし、できてもやらない日があっていいし、できてもやれない日があって当然だということを知ってほしいのです。
これはダメなことではないし、甘えているわけでもありませんから、大丈夫。
今はまだそう思えない人も、いるかもしれません。
それはそれでいいのですよ。
「できるならやらなきゃいけないと思う。でも、できる=やらないでいい、という考えもあるらしい」くらいに、ゆるく捉えてみていただければと思います。
納得できない考え方を無理に取り入れるのもストレスになりますから、こんな考え方もあるんだなくらいに受け流してみてくださいね。
頑張りすぎない2つの目安
冒頭では「頑張るの基準は人それぞれ」とお伝えしましたが、それだと「どこまでなら頑張っていいかわからない」ですよね。
そこでこのチャプターでは、「頑張りすぎない」目安を2つお伝えしたいと思います。
目安は「まだ」「もう少し」「頑張れば」
1つめは、気持ちです。
「まだ」頑張れる、「もう少し」できる、「頑張れば」できる……
このように思う時は、一旦ストップ。
これらは「頑張りすぎ」のサインです。
まだ頑張れるという時は、すでに限界が近いです。
もう少しできるという時は、限界ギリギリのところで踏ん張っている状態です。
頑張ればできるは、もうすでに「頑張れない状態」の可能性が高いです。
頑張り屋さんの感じる「まだ」「もう少し」「頑張れば」という3つのフレーズは、行動を立ち止まるための1つの目安になります。
カウンセリングに訪れる方の中には「私は頑張りが足りない」「頑張り屋さんではない」とおっしゃる方もたくさんいるのですが、
「まだ」「もう少し」「頑張れば」と思えている時点であなたは、自分が思っているよりも相当頑張っています。これまでたくさんの人を見てきましたが、このように思い悩む人で本当に頑張っていない人に出会ったことがありません。
鏡に映るあなたはどんな顔?
頑張りすぎない2つ目のポイントは、自分の表情です。
鏡に映るあなたが、「自分が好きなときの表情」や「調子の良さそうな顔」をしているかどうかをチェックしてみてください。
鏡に映った自分の顔を見れば「頑張りすぎていないかどうか」は一目瞭然です。
頑張りすぎて限界が近い時には、何だか悲しそうだったり、笑顔がギスギスしていたり、笑顔なのにどこか不安そうだったり、眉間に皺が寄って不機嫌そうに見えることもあります。
鏡は、手っ取り早くあなたの心の状態をうつすアイテムなのです。
ただし鏡で見た「表情の変化」は、おそらくあなたにしかわかりません。
周囲の人から見たらいつも通りに見えることも多いです。いつも笑顔で対応している人の場合は、「いつも通り元気なあなた」に見えていることも多いものです。
だから周囲の人があなたの変化に気づいて声をかけてくれるのを待っていたら、あなたが先に倒れてしまいます。
あなたの変化に、誰よりも先に気づいてあげられるのはあなた自身。
心や体の変化に気づいて「休んでいい」「倒れる前に休憩しよう」と真っ先に許可を与えら得るのは、あなただけです。
自分のため、に動く回数を増やす
誰かのためにたくさん頑張ってきたあなたが、これからはもっと「自分のため」に動けることを願って今回は「まだ大丈夫」と「もう無理」のボーダーラインを見分けるための2つの方法についてお伝えしました。
もしも頑張りすぎずにすんだなら、その分の時間や体力を「自分のため」に使ってみてほしいなと思います。
なお今回の配信は、先日発売された2冊目の著書「あなたのしんどいをほぐす本」で執筆した第2章に関連した内容です。すでに書籍をお持ちの方は項目15を開いてみてくださいね。
先日読者の方から心温まるお手紙をいただきまして、それに関連してお伝えしたいことがあったのでこのような形を取らせていただきました。
しろくまさん、ありがとうございます。この場を借りてお礼を申し上げます。